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僕らの発行する『怪奇新聞』は基本的には不定期で、流石に毎日発行してる訳じゃない。
週に二回発行できれば良い方なのだ。
時間やスケジュール、労力的な問題もあるけど、ネタもそう頻繁に転がってるもんじゃないから、一枚仕上げるのは本当に大変なんだ。
だからくだらない記事になっちゃう回もあったりする。
その為、一つネタが決まっても次回のために常に他のネタも考えて確保しとかなきゃいけないんだ。
「モミジ先輩はその間何かしてくれるんですか?」
今回デートで何もしないであろうモミジ先輩に僕は詰寄った。
「そうねぇ……じゃあデートでホラー映画観に行くから、そのレビューを書くわ」
うーん、まあ、ホラー映画もオカルトの一つだし、まあいっかな。
「分かりました。卯月さんはどうします?」
「それなんだけど、実は私……」
卯月さんが何かを言いかけた時、突然、『うわぁああああああああ』という尋常じゃない男性の悲鳴が聞こえてきた!
聞き覚えのある声だ。
「日暮先輩の声ニャ!」
僕らが常日頃から大変お世話になっている写真部部長の日暮屯菩先輩の悲鳴を、僕らオカルト同好会がサクッと無視する訳には行かない(笑)。
「よっしゃあー! 久々に事件の香りがするわーっ!」
「写真部にレッツラゴーだニャ!」
モミジ先輩と僕の掛け声とともに同好会一同は写真部へと目指した。