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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter1 黒魔術と新興宗教
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「お、おのれ貴様ら! 許さんぞ!」

 白鳥拓海は怒り狂い、宙に向かって叫んだ。

「会長! 会長! 何処ですかっ? 侵入者です! コイツらを始末してください!」

 しかし、会長ことサム・スギルが此処へ駆けつけることはなかった。

 代わりに宙から赤い(ゆが)みの渦が出現し、現れたのは桔音くんだった。

「一体、誰を呼んでいる? あ~ぁ……上でぶっ倒れてる老いぼれのことか?」

 桔音くんは極悪人のような笑みで上の階のショッピングモールを指さしながら言った。

 なんと、桔音くんはサム・スギルとの戦いに勝ったようだ。

 しかも、身一つ汚れていない。

「そ、そんな……」

 白鳥拓海は後ずさりをした後、がくりと膝を落とした。



 それからタイミング良く、加枝留くんの通報により駆けつけた警察官達が一斉にこの場へ流れ込んできて、関係者たちを次々逮捕していき、保護されるべき者は保護された。

 こうして宵々町に留まらず政界・芸能・あらゆる業界を揺るがした大事件は幕を下ろした。



 森会長を筆頭(ひっとう)に白鳥拓海やその他、『殺人儀式』に関わった信徒達、議員なども逮捕された。

 アパートのオジサンも信徒だったし、容疑も遺棄から殺人に切り替わっていた。

 ミイラや生贄になった犠牲者たちは皆、全国から捜索願が出されていた行方不明者たちだった。


 当然、宵々町のイコンモールは閉鎖された。

 お陰で昔ながらの宵々町商店街は以前の活気を取り戻していた。

 まあ、桔音くんが魔法で暴れたせいで建物自体、甚大(じんだい)な被害が出てたけど、魔法合戦してましたーなんて、そんな話、警察に言っても信じないだろうね。


 それにしても、何で燉一教は拠点をこの『宵々町』にしようと思ったんだろう?

 それが一番の謎かも知れない。

 

 と、言うわけで事後のごたごたはまだ片付いてないし、メディアは連日のようにこの大事件を報道しているけど……。


 でも、もう、少なくとも、僕らオカルト同好会の関心はそこにはなかった。




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