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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter1 黒魔術と新興宗教
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 学校に到着すると、早速、下駄箱(げたばこ)付近の一階の廊下でいつもの聞きなれた女性の声が響いてきた。

「ふん! 何が美しさよ! この宵々町一の美少女を差し置いて! アンタ達なんて、ホモのナルシスト集団のくせに! ヘ―ンだ! 今に見てらっしゃい!」

 まるで小学生の言い合いのようだけど、ここは確かに高校の中です。

 ホモのナルシスト集団というのは喧嘩相手の男子生徒三人組のことらしい。

 理由はいつも三人でいるから、らしいけど、勿論、偏見(へんけん)です。

 声の(ぬし)は僕の一個上の先輩で幼馴染みでもある鹿島(かしま)(もみじ)先輩。

 耳より少し長い明るい茶色のオカッパ頭……あれ何て言ってたかな?

 ミディアムボブ? だったかな?

 そんな髪型で、制服のスカートはパンツが見えない程度の短さだ。

 そんな短いスカート穿()いてるにも関わらず、喧嘩相手の男子生徒三人組と別れて怒りのままにズカズカと大股(おおまた)で歩いてくる先輩は、女子力がちょっと低い気がする。


「どうしたんですか? モミジ先輩……」

 いつものことだと分かっているけど、一応、声を掛ける。

「どうしたもこうしたもないわよコバン! あのミス(けん)のヤツら、超ムカつくわ!」

 人の怒りの形相(ぎょうそう)を見るのは、本日で二度目だ。

 最近の人はちょっとキレやすいのかなぁ……。

 もう少し心にゆとりを持とうよ、なんて。

「あのナルシスト、オカルト同好会は美しくないなんて抜かすのよ! 何よ美しさって! オカルトに美しさも(くそ)もないっての! ほんっとミス研のヤツらムカつくわ!」

 ミス研というのは、ミステリー研究会のことで、僕らのライバルに当たるクラブなのだ。

 そして、言い忘れてたけど、僕らは『オカルト同好会』というクラブで活動しています。

 部長は一応、僕で、部員はモミジ先輩の二人だけ。


 ——何故、僕が部長なのかというと、少し話が長くなりますが、聞いてください。




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