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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter1 黒魔術と新興宗教
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 翌日、僕らの事件は本物の新聞に載っていた。

 『お手柄(てがら)高校生!』みたいなノリで。

 先を越された所為(せい)か、昼休憩に完成して貼り出した僕らの怪奇新聞は大好評だったもののイマイチ新鮮味(しんせんみ)がなく、僕らは満足できなかった。

 流石にミイラ写真は不味(まず)かろうと染みのついた畳の写真と事件の真相を書いたけど。

 そもそもこれじゃオカルトじゃなくてミステリーやサスペンスの分類だよ。

 因みにミイラの写真はまだ現像してない。

 今から写真部に取りに行くつもりニャ。

「日暮センパーイ! 写真取りに来ましたニャン!」

 僕はふざけた口調で写真部の扉を開けた。

 すると中には(すで)にモミジ先輩と加枝留くんがいた。

「ちょっとコバン! これ見てよ!」

 現像して乾いたばかりの写真をモミジ先輩は僕に見せた。

 そこに写っていたのは当然、ミイラなんだけど、それともう一つ、ある物が写っていた。

 それは、押入れの壁に描かれた謎の紋様。

 三角形を三つに重ねて作った星型とその上に赤と黒の渦巻を塗りつぶしているマーク。

 何所かで見たような……見覚えのあるものだった。

「これって……イコンモールの?」

「そのようですね」

 加枝留くんも僕と一緒に覗き込んで言った。

 このマークってそもそも何なんだろう?

 何か意味があるのかな?

「調べてみる価値あるかもね!」

 モミジ先輩が悪戯を思いついた悪ガキのような満面の笑みで言った。

「イコンモールに行くわよ!」

 はあ……こうして僕の放課後はまた部活動に捧げる羽目になったのニャ。

「……と、その前に、あのキツネ野郎に会いに行くわよ! 昨日の文句も言わなくちゃ気が済まないわ!」

 モミジ先輩はガニ(また)でドシドシと一年生のいる階まで歩いて行った。

 ああは言ってるけど、桔音くんの力をまた借りようと思ってるんだろうな。

 正直、桔音くんがいないと不安だし。

 そして僕らは桔音くんを探して校内を歩きまわり、廊下を歩く人に片っ端から、彼が今、何処にいるのか知らないかと聞きだした。

 すると購買部で見掛けたという情報を得て、そのまま購買部に向かった。

 正直、まだ帰宅してなかったことに安堵(あんど)した。



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