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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter4 未知との遭遇 
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 シンラくん救出の作戦を立てる為、僕ら四人は隠れた寝台の下でコソコソと話し合った。

(まずはあの異星人達をこの部屋から全員移動させる必要があるニャ)

(でも、あんな化け物みたいな奴ら、どうやってよ?)

 モミジ先輩は恐怖に顔を引き摺らせて言った。

(ここから少し離れた別の場所で何か音でも立てて注意を引くのはどうでしょう? 運が良ければ全員移動してくれるかも知れません……)

 加枝留くんの提案に僕らはウーンと唸った。

 多少のリスクは伴うが非力な僕らには実際その手しか無いように思える。

 異星人全員が移動する確率なんて低いけど、考えてる時間もないのだ、上手く行くことを願うしかない。

(じゃあその手で行こう。でも役割分担はどうするニャ?)

 音を立てに行く人、シンラくんを助ける人、間でサポートする人を決めなければならない。

(流石にシンラくんを助ける役は僕か加枝留くんのどちらかが良いと思うのニャ……)

  床に脱ぎ捨てられたシンラくんの服を見て僕は言った。

(……そうね。)

 当然、卯月さんとモミジ先輩が声を揃えて頷いた。

 我が仲間ながら情けなさが込み上げてきた。

(じゃあシンラ君の救出は猫宮くんにお願い出来ますか? 僕が音を立てに行ってきますので……)

 加枝留くんなら何でも上手く行きそうな気がして僕は彼の言うとおり信頼して任せることにした。

(分かった、それならお願いするニャ)

(鹿島先輩と卯月さんも僕に着いて来て下さい。状況に応じて指示を出しますので……)

(分かったわ!)


 役割分担が決まったところで作戦を簡単に説明するとこうだ。

 まず、僕はこのまま、ここに残る。

 寝台の下に身を潜めて決して奴らに見付からないようにしなければならない。

 加枝留くん達は今からここをコッソリと抜けて船内を探索し、安全で逃げ道となりそうなルートと隠れられそうな部屋を確保し、そこを合流地点に決めて、そこから加枝留くんが単独になり合流地点から離れた場所で何か大きな音を立てて囮になる。

 異星人の注意を引くことに成功し奴らがこの部屋から移動したら僕は急いでシンラ君の拘束を解いてここから脱出し、間で伝達役になった卯月さんかモミジ先輩のどちらかと合流し案内を受ける手筈だ。


 一か八か……果たして上手く行くか、緊張するニャ。




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