プロローグ#2
時間と気力がある時はどんどん投稿していこうと思います。
現場は3人の家族が暴走車にはねられたことにより騒然としていた。
そこに更に大声で発狂する少年が現れたので必然的に周囲の目は少年、神木 宗馬に向く。
我に返った僕は周囲の人々が僕に注目している事に気付き、急いでその場を後にしたのだった。
僕はおばさんの家に帰ってきたが、自分が間接的に人を、家族を殺した事で頭がいっぱいだった。
深い罪悪感と絶望感を感じ、自分を責め立て恨んでも憎んでも僕の幸運は消え去らない。
そして気づいた。
この先僕が必ずしも誰かを恨んだりしないとは限らない、いや恨んでしまうだろうということに。
僕が生きていれば必ず誰かが死ぬ。
そんな理不尽な事はあってはならない。
この悲しみを、絶望を無罪な誰かに与えながら、僕だけが幸運に生きているなんてのは絶対に耐えられない!!!
そして僕は決意した。
この世から居なくなろうと。
僕は決意が揺るがない内に包丁を手に取り、死の恐怖に震える手で、自らの腹に包丁を突き刺した。
「ぐうぅッッ...!!!」
みるみるうちに血が溢れ、血が抜けていく感覚と共に、僕は意識を失った。
数日後___
僕は目が覚めた。
目の前には白い天井があり、僕はベッドに寝ている状態だった。
そう、僕は死ねなかったのだ。
医師から聞いた話では僕が気を失ってすぐに、偶然姉さんが帰宅したらしい。
そこに血だらけで僕が倒れていたから大急ぎで救急車を呼んで、僕は一命を取り留めたのだそうだ。
姉さんは僕を恨んでいるとはいえ見殺しにすることはできなかったようだ。
包丁の刺さったところも奇跡的に致命傷を免れていたとのことだ。
「...そうか、生半可な傷では僕の幸運が邪魔をして死ねないのか。」
僕はそう一言呟いて、歩けるようになるのを無心で待った。
そして2日後の夜___
歩けるようになるまで回復した僕は、今度こそ確実に死ねるように、病院の屋上へ向かった。
幸いこの病院は古く、自殺防止用の柵が低い。
これなら僕でも頑張れば登って越えることができた。
そして今度こそ確実に死ぬために、アスファルトに落下するように位置を調整する。
さて、あとは飛ぶだけだ。
...あとは飛ぶだけなのに、ここにきて足の震えが止まらない、2度目の自殺でもやはり死ぬのは怖い。
僕の家族も死の恐怖に震えながら逝ったのだろうか、それとも苦痛は一瞬で終わったのだろうか。
おそらく前者だろう、遺された遺体には火傷の跡が多く残っていた。
つまり火あぶりにされ、苦しさに悶えながら逝ったのだろう。
それに比べれば僕の痛みは一瞬だ。
覚悟を決めろ。
向こうで僕が殺した人達に謝らなければならない。
トンっ...
そしてアスファルトに激突する寸前に、僕の意識は再び消えた。
後日、その病院の近くにいた人々から幽霊の目撃談が噂された。
「少年が屋上から飛び下りたのが見えたのに、落ちた先には何も無かったんだ...」
やっと異世界転移できました汗
どんな所に行くのでしょうか...!!