一人会話のみのメモ
わたしの言葉は、誰にも届かないのかもしれないわ。
「それじゃあ、やめるというのかい?」
いいえ。それでもやめない……いや、やめられないの。
「どうして?」
だって、わたしのなかで轟く言葉が、胸を突き破ってしまいそうだから。
それに……わたしは、わたしの言葉を通して、わたし見つけなくちゃいけないし、これを読んだだれかも、自分を見つけなくちゃいけないから。
「それは、誰のためにやっているの?」
わたし自身のためよ。これを受けて誰かがどうのこうのっていうのは、そうなってくれればいいっていうお願いごと。
第一は、あの日おいてけぼりにしてしまった、わたしを見つけることなの。わたしは一つにならなくちゃいけない。ちゃんと謝って、受け入れあって、縫い合わせなくちゃ。
いろんなわたしがいて、はじめてわたしだから。それを知るために、見つけるために、わたしは言葉を紡ぐの。
「そう。じゃあ、これもその一つなんだね。」
そうよ。こうやって言葉を探しているうちに、わたしはわたしに出会うの。
「……ずっと、待ってたんだよ。」
ごめんなさい。今まで目を背けていて……。でも、もう一人にはさせないわ。わたしは、あなたというわたしと一つになりたい。
拒むことはもうしない。今までそうやって、あなたというわたしを傷つけてきたことを知ったから。
「ちゃんと、抱きしめてくれる、よね?」
ええ。もちろん。むしろ、わたしの方からお願いするわ。
抱きしめさせて。
「……わたしの方こそ、ごめんね」
……それなら、お互い様なのかもしれないわね。ごめんなさい。これからも、よろしくお願いするわ。
「うん。こちらこそ、よろしく。」