体育祭か、上半身裸になってエッサッサ? とかいうやつをやらされた記憶がある。この世界でやると……色々と大変な事になるな。
最近セブン○レブンで山かけ麦ご飯ってのが売っててね。
トロロとか納豆とかオクラとかネバネバしたもの好きだから思わず買っちゃうんだよねー。
気がつけば3日同じもの食べてた。
準備も滞りなく進み、ついに体育祭本番の日となったわけだが……。
「えー、であるからして、体育祭というのはですね……」
校長が挨拶ってのはどうしてこう無駄に長いのかな? ここまで来るともはや様式美だよな。
開会式の校長の挨拶を聞き流しながら、心のなかでそう呟く。
前日に一生懸命考えて来たのだろうか、所々笑いどころはあったが、それでも大半はつまらない話だ。
なので、そんな挨拶をまじめに聞いている生徒などおらず、半分近くの生徒が上の空な状態だった。
だが、もう半分の生徒はこれから熱い戦いに備えて、闘志をたぎらせていた。
ぶつぶつと呟いて自己暗示をかける者。挨拶中だというのに、バレないようにこっそり筋肉を鍛えている者。
いまさら鍛えたところで意味はないと思うけど。疲れるだけだろ。
ふと左に視線を向けると龍之介の姿が目に止まった。身長がデカイのでよく目立つ奴だ。
龍之介も一部の生徒の例に漏れず、目を閉じて集中力を高めて……いや、あいつ寝てるな。小さくお舟を漕いでるし。
立ったまま寝るって、器用な奴。
けど、皆やる気なのはいいんだけど、怪我人とかでないだろうな?
いや、愚問だな。龍之介と来栖さんがいるんだ。怪我人は出るに決まってる。
そうだよ。他人の心配してる場合じゃないよ。
この体育祭をどう生き抜くか考えなきゃ死ぬ。
俺がそんなことを考えていると、長かった校長の話も終わり、体育教師が注意事項を話し始めた。
「生徒の皆は頑張るのはいいことですが、張り切りすぎて怪我をしないように気を付けてください」
無理だと思うよ。
そして体育教師による注意事項の連絡も終わり、とうとう体育大会が始まり生徒達が各々、四つに分けられたチームのテントに向かう。
うちの体育祭はクラスごとに四チームに別れて、競技の得点によって優劣を競うというスタンダードな方式だ。
まず最初は定番の徒競走からみたいだ。
そういえば、男がどれくらい運動できるのかよく観察したことなかったな。体育は龍之介が目だってばっかりだったし、球技大会は来栖さんのオッパイしか見てなかったし。
丁度いい機会だ。見せてもらおうか、この世界の男の性能とやらを!
「位置について」
その声に応じて、各々構えをとる。
「よーい」
スターターがそう言ってから、少し間を置いた後火薬の炸裂する音が周囲に響き渡ると同時に、一斉にスタートを切る選手達。
その瞬間、競技に出ていない他の選手達は一斉に応援やら野次を飛ばし、体育祭は一気に盛り上がりを見せる。
そんな応援を受けながら、選手達はほぼ横並びでスタートし、そのまま横並びの状態で走っていたが、カーブに差し掛かった辺りで徐々に差が着き始め、一組の子が頭一つ分飛び出し、そのままゴールした。
それを見て思わず一言。
「うわっ、この世界の男……足遅すぎっ!?」
そう、この世界の男は、俺が走ればぶっちぎりで一位取れる程に足が遅かった。
これ……あれじゃね? 俺大活躍できるんじゃね?
できるね。俺の時代来たよこれ。
「綱奪いに参加する生徒は、集合場所に集まってください」
おっと、早速俺の出番が来てしまったらしい……さて、ちょこっと大活躍してキャーキャーと黄色い声援を浴びてくるとしようかな。
「ん、お前も出るのか」
龍之介が居た。
集合場所に龍之介が居た。
いや、まだだ。まだ慌てる状況じゃない。
説明しよう。綱奪いとは13本の綱を間に挟んで両チームが互いに向き合い、太鼓の音の数に合わせて両チームから一人ずつ立ち、笛の音で一斉に綱を右から順番に奪い合って行く。そういうルールだ。
太鼓の音が一つなら一人。四つなら四人といった具合に、全員で一斉に奪い合うわけじゃない。
つまり、場合によっては龍之介とは当たらない場合も十分あり得るのだ。
「それでは入場お願いします」
徒競走が終了し、綱奪いの種目が始まる。
俺のチームの対戦相手は……おいおい、いきなり龍之介のチームと対戦ですか。
綱を間に対面するのは龍之介のいるクラス。いきなり魔王と当たるなんて、ちょっとゲームバランスおかしいですよ。
だが、まだだ、まだあわわわわ慌てるときじゃじゃななないい。
「それでは始めます」
審判をしている女の子がそういうと、太鼓がひとつ叩かれる。
一番最初に行くのはもちろんこの俺だ。ちょっと女の子からの黄色い声援集めてくるぜ。
心のなかでそう呟きながら立ち上がり、前を見る。
おっと、龍之介が立ち上がっていますね。
……知ってた。こうなるだろうなって心のどこかではそう思ってた。いままでのは全部フラグなんだろうなって、心のどこかでは気づいていたんだ。
だがな、たとえ魔王が相手であろうと……俺は女の子からの黄色い声援を一身に集めてみせるぜ!
そんな俺の決意を感じ取ってか、女子生徒は二度目の太鼓を叩こうとする手を下ろし、代わりにホイッスルを口に加える。
さあ行くぜ龍之介……俺の必勝法を教えてやる。
風を裂くような鋭いホイッスルの音と共に、一気にスタートダッシュを切る。
「先手必勝だー!」
龍之介が綱を手にする前に自分の陣地まで持っていけば、力勝負をせずに勝てると踏んだ俺は、開幕全力で駆け出し綱を確保しに向かう。
五十メートル走のタイムはほぼ互角。正直やれる可能性は限りなく低いが、それでもやらねばならぬのだよ!
俺は全身前例を込めて走り込み、龍之介よりも少し早く綱に手をかける事ができた。
勝った!
そう確信した俺は綱を素早く引き、龍之介にとられないようにするためにコンパクトに綱を折り畳む。
そして意気揚々と戻ろうとしたとき、龍之介に襟首を引っ張られる。
「わわっ」
バランスを崩したところに足をかけられ、そのまま転びそうになる俺の足と首に素早く手を回し、軽々と持ち上げる龍之介。
いわゆる、お姫様抱っこと言う奴だろう。その状態のまま俺を龍之介の陣地へと運んでいく。
その瞬間割れんばかりの完成が巻き起こる。
やめて……俺の望んでる歓声は、こういうのじゃないからっ!
本当……やめてくださいお願いします。
「くっ、覚えてろよ龍之介」
この恥の借りは必ず返してやるからな。
「ほう、楽しみにしておこう」
余裕たっぷりといった表情でそう返す龍之介。
覚えとけよ……。
海回なかったから、代わりに水着有利置いとく。
下はこむさんからの頂き物。
そろそろ絵を纏めた方がいいかな?
でさ、オクラとかのネバネバってムチンっていうんだけど○液の主成分なんだってね。
じゃあ、オクラ擬人化したら大変な事になるな。
常に準備オーケーな子の完成だ。
納豆とかも擬人化すると色々凄そうだな。マメだし。
ヌタウナギに至っては全身性感○だな。
あ、でもトロロの擬人化はするなよ? トロロ食べられなくなるから。
さて、今日の晩飯はカルビ弁当にするかな。




