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脱ボッチ計画 ~失敗する未来しかみえねぇぜ!~

K君「この間さ、散髪行ったんだけどさ『大学生ですかー?』って聞かれてさー、その時思わず『いえ小学生です』って答えちゃったよ」

俺「なんで……」

K君「いや、逆サイドを付こうとおもって」


会話のキャッチボールならぬ、会話のサッカーボールですか……

なにその新手のコミュニケーション

文化祭へ向けて着々と準備は進んでいった。文化祭前日の今日はい丸一日使って設営準備に取りかかる。


 みんな和気あいあいと準備しており、いい雰囲気だと思う。まぁ、悪ノリも多くスムーズに準備は進まないが。


「フタエノキワミ、アーーーーッ!」

「こら、遊ぶな」

「あんっ……ああっ……」


 喘ぎ声エロいなおい。危うくエクスカリバーが覚醒しちまうところだったぜ。


「しかし、俺以外に男共の姿が見えんのはどういうことで?」


 教室には女子しか居らず、男子は一人も居なかった。おかしいな……十数人はいた筈なんだが。


「さあ? 他の仕事してるんじゃないかな? まぁ、設営は力仕事だし女子に任せてれば大丈夫だから、有利君もそっち行って大丈夫だよ」


「んー……他に準備あったけ?」


 教室の設営すれば終わりだよな……食べ物は当日に用意するし。なんかあったっけ?


「ないの?」


「と、思うけど……サボりか?」


 女の子が頑張って準備しているというのに、女の子に任せっきりでいいのかよヒモかよ。


「流石に全員サボるのはないんじゃないかな?」


「それもそうだな……ちょっと探して様子見てくるわ」


 まぁ、べつの仕事見つけてそっちをやってるならやってるで一応確認しとかないといけないし。ってか、同じクラスなんだしこれを気に仲良くなれればいいな。なんか色々話してみようかな。脱ボッチだぜ。


 俺は立ち上がってクラスの野郎共を探しに向かう。


「あいつ、最近かなりウザいよな」


 渡り廊下を曲がったところで、近くの教室からそんな声が聞こえてきたので、立ち止まって聞き耳を立てる。


 ってか、この声はうちのクラスの野郎共じゃないか。なんだ陰口か?


「わかるわ、女子に媚び売ってさ」

「マジでクソビッチだわ……なんとかならねーかな」


 ひでー言われようだな、男の影口って基本は褒め言葉が多いんだけど……

 流石はあべこべ世界、悪口のオンパレードだな。


「無理だろ、あの来栖さんと仲いいし、手をだしたら僕らが危ないよ」


 ん? てか待って、これ俺の悪口じゃね? おうコラ、喧嘩売ってんのか……文句あるなら正面切って言いやがれ。


「健人君が脅されたって話本当なのかな?」


 あれ? そんなやつ脅した覚えないぞ……そもそも誰だそいつ。まぁ、だれでもいいや。

 っていうか悪口ばっかだな……もっと褒めるところあるだろ。頭いいとか、運動神経いいとか、顔がいいとかさ。


 ここまで評判が悪いと仲良くなるの難しいな……。


「あ、そうだ、面白いこと思い付いた……あのさ、あいつのラインのIDをさ、出会い系のサイトに登録するってのはどうよ?」


 ……おい、おまえら、なんて……なんて事を思い付きやがる!


 よし、やれ! 


 美人なお姉さまとお知り合いになれる可能性あるってことだろ。おおいに歓迎だぜ!


「面白いじゃん、やろうぜ! たしか、グループラインにアカウントがあったよな」


 おう、あるぞ。非常口のアイコンのやつや。


「有利君なにしてるの?」

「うおおう!」


 教室のドアのそばで聞き耳を立てていると、後ろから奏ちゃんに声をかけられ、驚きのあまり大きな声をだしてしまう。

 それで俺がいるとバレたのか、教室の中からもガタガタと物音が聞こえてくる。


 おい……これ、あとで気まずくなるやつやんけ。


「あ、あのね有利君」


 不意に意を決したように切り出す奏ちゃん


「ん?」


「あのね、よかったら私と一緒に文化祭回らない? 私午後から空いてるからさ」


「いいよー、俺も午後から暇だから、じゃあ、教室遊びいくわ」


 俺は軽く返事を返す。いいね、デートみたいで。


「うんっ、じゃあまたね」


 奏ちゃんは嬉しそうにうなずくと、そのまま走り去っていく。


「おー、じゃーねー」

 

 俺は走っていく奏ちゃんに手を振りながらそう答える。

 ……さて、と。

 奏ちゃんが居なくなると、俺は意を決して教室のドアを開ける。


 教室の中にはクラスの男共全員が内装の飾付けを作っていたらしく、折り紙なんかが床に散らばっている。


 全員気まずそうに、俺と目を合わせようとしない。


「あー……うん、飾付けつくってんのね、お疲れさん……」


 やべぇ、この後なんて言おう……


「あ、あの……」


 俺がこの空気をどうやって変えようかと考えていると、ひとりの男子がおそるおそるといった風に話しかけてくる。


「ほ、ほんの冗談で、べつに本気でこんなこと思ってる訳じゃないから……えっと……」


 なんでこんなに低姿勢なんだ? 俺ってもしかして怖い人って思われてんのか? 「てめぇら全員覚悟しとけよ」とでも言ったほうがいい?


「ご、ごめん! 本当、ごめんなさい!」


 青ざめて土下座する男子、他の男子も全員青ざめている。


 俺口に出してたーーー! 状況最悪じゃねーか! い、いかん、なんとかして誤解を解いて仲良くならねば……。


「大丈夫、今のは冗談だからさ、俺は別に怒ってないし、折角同じクラスだから、みんなと仲良くしたいんだよ……だからさ、仲良くしよう?」


 と笑みを浮かべながらそう言う


「は、はい……」


 男子は、ひきつった笑みを浮かべながらうなずく


 うん、なんとか誤解はとけたみたいだな。まぁ、あとは積極的に話しかけて仲良くなっていければいいな。


「じゃあ、まあ、そういうことだから……終わったら戻ってきてね」


 俺はそう言って教室を出る。


◇◆◇◆


 有利が去った後の教室


「なかよくって……あれだよな、逆らったら来栖さんを使って脅すってことだよな?」

「絶対そうだろ……」

「ヤバイって……絶対裏でもっとヤバイ奴らとつるんでるって」

「ああ、俺らの学校生活終わったかも」

「……どうしよう、転校しようか」


 仲良くの意味はねじまがって伝わっていた。

  


ポケモンGoを深夜に開いたらさ、近くにゼニガメが居たから捕まえに外出たんだわ。

だけどあまりにも暗くてさ、足元なにも見えなくて溝に片足突っ込んで怪我した。


皆は、夜出歩くときは懐中電灯を持って出歩きなよ。


あ、ゼニガメは捕まえたぜ。


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