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観覧車ってよ……以外とつまらんよな。一人で乗ってきたけど、瞑想して終わった。

よくレビュー一覧に乗ってる作品がある。


しかし、よく見ると、同じ人が何度もレビュー書きなおしてるだけだったりする。

なるほど、その手があったか……ってバーロー



だが……まぁ、熱心なファンも居るもんだな。

俺はイラスト描いてくれるようなファンが欲しいわ。




「悪い、待たせたな」


龍之介と合流すると、俺はベンチに座って携帯をいじっている龍之介にそう言う。


「いや、気にするな」 


龍之介は、そう言うと携帯をポケットにしまって立ち上がる。


「ほら、オレンジジュースでいいか?」


俺は、そう言いながら抱えているコップを一つ渡す。


「悪いな、いくらだった?」


「200円」


三つで600円だったから、一つ200円で間違いない筈だ。……間違いないよな? 


「後で渡す」


龍之介はそう言うと、俺からコップを受け取りストローに口をつける


「おう」


「さて……最後に観覧車でも乗っていかないか?」


と、おもむろにそう言う麗奈さん


「観覧車か、定番だなっ」


俺は麗奈さんにそう言う。


あれだよね。観覧車……適当に恋バナとかするやつだろ?


俺は恋バナとか何ももってねえけど。


「それに……この観覧車はなんと二人乗りなのだよ」


と、どや顔でそう言う麗奈さん


「「!?」」


その言葉に反応する俺と奏ちゃん。


「(有利君と二人きりになれるチャンス!)」

「(一人あぶれるっ! そして多分、俺があぶれるっ)」


考えている事は全く別の事だったが。


「というわけでどうだろう……ここはじゃんけんで決めては?(王子と二人きりは私が貰おう)」


と、麗奈さんがそう提案する。


「あいよ」


「ん」


そう返事する来栖さんと龍之介。


「……そうだね。そうしようか(悪いけど、有利君の隣は私よ)」


「(これ……マジで俺が一人のパターンになりそう)」


五人で輪を作り、二人組に別れる為にじゃんけんをする。


「では、最初はRock」


おい……その掛け声は……


「じゃんけんRock!」


その合図で皆一斉にじゃんけんの手を出す。



◇◆◇◆


「……つくづく縁があるな」

「そうだね」


向き合うようにして座る俺と恵。


「…………」

「…………」

「…………いい景色だな」

「…………そうだね」


……コイツと二人の時は殆ど話すことはないが、不思議と居心地は悪くない。俺はその静かな空間を、観覧車が一周するまで楽しんだ。


◇◆◇◆


「……なんであんたと」

「それはこちらの台詞だ」


互いにそっぽを向いて全く目を合わせようとしない私と麗奈。


「私の予定では今頃有利君と……」


あそこでグーではなく、チーをだしていれば、有利君と狭い個室でイチャイチャとできたかもしれないのに……。


なんでよりにもよって、この人と一緒なのかな。


「バカを言うな、私の方こそ王子を口説けるチャンスだったというのに」


「そんなことさせないよっ! その前に私が絶対に落として見せるから!」


悪いけど、あなたには有利君は渡さないから。

あなたに渡したら、一晩で有利君の貞操があんなことやこんなことになるに決まってるもの。


絶対に有利君は渡さない。有利君は私が守って見せる。


「私の方がふさわしいという事を思い知らせてやろう」


「絶対に負けないから!」


キッと麗奈を睨み付けてそう言う私。


「いいだろう、望むところだ!」


それを嘲笑うかのように、上から目線でそう言う麗奈。





何だかんだで……いいライバルなのか?



◇◆◇◆


「…………やっぱり俺がボッチだった」


別に寂しくないもん。知ってたもん。こうなることは。


俺さ……この世界に来てからさ、ボッチ耐性が上がった気がする。

だってさ、もう……一人でもスゲー平気だもん。ボッチ最高だぜ! 誰にも気を使わなくていいしな! ひゃっほーーーーーーーーい!






…………はぁ、泣きたいわ。何が楽しくて一人で観覧車に乗らにゃアカンのや。


「暇や」


最後に観覧車は……失敗だったな。ジェットコースターを最後にするべきだった。全然定番の展開になってないじゃないか……誰だよ、観覧車は定番だねとか言った奴。バカ野郎め。


……言ったのは俺だよばか野郎!


「もういいし、一人で恋バナでもしてるしー」


……ってそれただの独り言! 変な人やん!


◇◆◇◆


「あー、楽しかったな」


遊園地から家帰ってきた俺は、ベッドの上に寝転びそう呟く。


地獄への直通コースターに、プレイヤーにダイレクトアタックをする殺人エアホッケー、お化け屋敷に、ボッチの観覧車……


ん? あれ? おかしいな、楽しい思い出がねーぞ。観覧車に至っては悲しい思い出だ。


…………うん、多分気のせいだな。あれらが強烈過ぎて、他の楽しい思い出が埋もれてしまってるんだよ。……ダメじゃねぇか!





観覧車のお話を書こう! 

しかし、観覧車の話ってどんなのにしよう……。

っていうか、観覧車って皆で乗ったときどんな話するっけ?


うーん、わかんないな。よし、行ってみよう。取材だー! 初取材だー! なんかプロっぽいな……テンション上がってきたぞー。


◇◆◇◆


「って、一人で観覧車に乗ってどうすんだよバカ……」


その結果が今回のお話。

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