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プールで泳ごうにも、この時期のプールはまだ冷たい

チミチャンガも好きだが


今日はフランクフルトの素晴らしさについて語ろうと思う。


どんな食べ物も、(食べ物界の)天になど立っていない……

チミも、チャンガも、チミチャンガさえも

だが、その耐え難い天の座の空腹も終わる。



これからは



フランクフルトが天に勃つ

強盗事件の翌日。


雨が降ったらしくリビングの床がびしょ濡れだった。


窓が割れてるからな。まぁ、窓ガラスは今日変えるらしいけど。


何でも、防弾ガラスにすると姉ちゃんは言っていたが、流石にそれやりすぎだと思う。


そこにお金使わなくていいから、もっと別のところにお金を使えばいいのに……


それよりも学校だ。今日はやっと泳げるからな。何度この日を待ちわびたことか。


4月終盤と水は冷たいが、泳げるのなら問題ない。


俺は、今一度水着の有無を確認し、家を出て学校に向かう。





「明日からゴールデンウィークです」


朝のホームルームでそう告げる斎藤先生。


そうか、もうゴールデンウィークか……。


「ちなみに数学は宿題は出さないそうですよ。休み明けに丸つけなんか出来るか……だそうです」


斎藤先生がそう言うと、クラスが一気に歓声につつまれる


数学……マジか、宿題ないのか。最高だな! でも、職務怠慢だな。


「ですが、変わりに国語の宿題を多めに出すと言っていましたよ」


その瞬間、歓声が一気にブーイングに変わる。


「文句があるなら、国語の時間に直接どうぞ。先生に言われても知りません」


なんだよ、混沌たる暗黒の……うっ……頭が……


◇◆◇◆


「ねぇねぇ、ゴールデンウィーク皆でどこか行かない?」


昼休み、屋上で龍之介と弁当を食べているところに、奏ちゃんが来栖さんを連れてやって来てそう言う。


「どこか……けど俺ら部活あるじゃん」


「五月二日は休みだよ」


そうか、この日は部活は定休日か。


「龍之介は?」


こいつも部活に入ってた筈だ。空手部に。


「先輩に休むと言えば休める」


「そうか」


……それでいいのか? 


まぁ、こいつ位強いと部活の練習くらいサボっても、大して影響無さそうだけど。


「じゃあ、遊びに行こうか……どこ行く?」


「遊園地」


そう言って、遊園地のチケットを四枚財布から取り出す奏ちゃん。


予定聞く前から行く気満々かよ……まぁ、いいけどさ。


「では、私も参加させていただこう」


「うわっ!」


何処からともなく現れる麗奈さん


「げっ……」


そして露骨に嫌そうな顔をする奏ちゃん。


「また会ったな……確か、奏といったか」


「西條麗奈さん……残念ですが、遊園地のチケットは四枚しかないので、ご遠慮ください」


「抜かりない、私もそのフリーパスチケットは持っているさ」


そう言って財布から遊園地のチケットを取り出す麗奈さん


「しかも二枚な!」


「何でだよ」


二枚持っている事に、思わずツッコミを入れる。


「無論、王子を誘うために決まっているではないか。

遊園地だけではない、遊園地が嫌だと言われた時の為に、水族館や動物園などデートスポットのチケットは二枚揃えている!」


ブレザーをガバッと開き、内ポケットに収まっているチケットを見せる麗奈さん


おお……随分と用意周到だな。けど、いくら来られても、今のところ俺に結婚の意思はないからな?


しかし、俺はチケットよりも少し透けている下着に目が行くのはなぜだろう。


ピンクか……いいよね。ピンクはさ。


「くっ……発想のスケールで負けた……!」


悔しそうに量膝をついて地面を殴る奏ちゃん。


え? なんで悔しそうなの? 


「奏とやら……これが格の差だ」


それをドヤ顔で見下ろす麗奈さん。


なに? 何の勝負してたの?


「くっ……けど、本番では負けないから」


そう言って、麗奈さんを睨みあげる奏ちゃん。


「当日も格の差というものを教えてやろう」


それを見下ろす麗奈さん。


二人の間に火花を散る。




「二人は一体何の勝負をしてんだ?」


龍之介に小声で尋ねる


「俺に聞くな」


まあ、そうだよな……お前に聞いても、わかるはずないよな。


◇◆◇◆


昼は妙な戦いがあったが……気を取り直して部活に行こう。


俺は荷物を持って部室へ向かう。


「お、更衣室が広くなってる……しかも、埃っぽかったのに、なんか綺麗になってる」


部室に入ると、物で一杯だった。部屋がスッキリと整理されており、掃除までされていた。


そっか、コースロープをプールに張ったから、その分スペースができたのか。


掃除は……ついでにしてくれたのかな?


後で礼を言っておこう。


俺は荷物をロッカーいれて、水着に着替える。


ラッシュガード……本当だったらこれは別に着なくてもいいんだが、あべこべになってる今は必須なんだよな。 


着心地は良いんだけど、抵抗が増えて泳ぎにくくならないかな


とは思いながらも、着なかったらそれはそれで騒ぎになっても困るので、ラッシュガードを着用してプールサイドに出る。


「こんにちわー」


プールサイドに出ると、城之内先輩と、知らない女の人が二人居た。


……多分、奏ちゃんの言ってた三年の先輩だろう


俺に気づいた先輩の一人が、俺の方へ歩いてくる。


「……ファンです、握手してください」


おっとりした雰囲気の黒髪黒目の先輩は、俺の目の前で止まると、右手を差し出してそう言う。


「……あ、はい」


俺は、戸惑いながらもその手を握る。


「バカかアンタは」


俺が戸惑っていると、もう一人の来栖さんとはまた違った、クールな雰囲気の三年が握手してくれと頼んだ人の頭を、ビート板で叩く。


「痛い……なにすんのよぉ」


涙目になりながら、叩かれた頭を押さえてそう言う先輩


「いや、アンタが何してんのよ」


「私はただ、ファンだから握手を……」


「アホか……まず自己紹介をしなさい……ごめんね、こいつ君のファンで……私は一之瀬 (いちのせつぐみ)で、こっちのどんくさそうなのが」


「月島 七海(つきしまななみ)よ」


一之瀬先輩に、月島先輩


「空条有利です」


「知ってる。君は三年でも結構有名だからね……練習でわからない事があったら気軽に聞いてくれ」


「聞くなら私がおすすめですよ」


そう言って立ち去る二人。


けどごめん、多分、聞かなくてもわかると思う。


「頑張ろうね、有利君……(ようやく水着姿が拝めた……脳内保存しておかなければ)」


奏ちゃんが更衣室から出てくると、俺のところに歩いてきてそう言う。


「そうだな」


「そろそろ始めるか……二年はあと二人どうした?」


ストレッチをしていると、部活開始時刻になり一之瀬先輩が姿の見えない二年の先輩方の行方を城之内先輩に尋ねる


「体育委員の仕事で遅れるそうですよ。球技大会の打ち合わせって言ってました」


体育委員も大変だな……俺は絶対にやりたくない。


「そうか、じゃあ先に始めるか……とりあえず、今日は一年がどれくらい泳げるか試してみようか」


おお、タイムトライアルか。いいね、好きだぜそれ


「じゃあ、軽くアップをして……五分後にやろうか」


「「はーい」」


俺と奏ちゃんは、そう返事をしてプールに入る。


まだ少し冷たいが……まぁいいや。


やはりまだ少し冷たかったが、俺はあまり気にせずにアップをして始める。


……やっぱ、ラッシュガード着てるからか抵抗があるな。


まぁ、気にしようとしなければ気にならない程度なので問題ない。


その後、俺は無心で軽く400mほど泳ぎ、アップを切り上げる。


「有利君は綺麗に泳ぎますね」


プールから上がると、ストップウォッチを持った城之内先輩がそう話しかけてくる


「そうですか? あまり、フォームは気にしたことはないんですけど」


自由に泳いでるだけだから、綺麗に泳ごうとかは意識してなかったが……そうか、俺は綺麗に泳げてたか。


「はい、とても綺麗なフォームでしたよ」


「どうも」


俺はそう礼を言うと、軽くストレッチをする。


「それじゃあそろそろ測るよー」


一之瀬先輩にそう言われ、コース台の上に昇る俺と奏ちゃん。


「よーい……ドン」


その合図で台を蹴って水に飛び込む。




余談だが、奏ちゃんには勝てなかった。

奏ちゃん、ちょっと速すぎません?






あの、笑える所は必要かなって思って、ちょっと書いてみたんだけど

誰かわかるかな?


挿絵(By みてみん)



そう、城之内烈火先輩だよ。


一応言っておくけど……ネタだからな?

本当はね、奏ちゃんは胸丸だしでもいいかなと思ったんだ。

そもそもこの世界の女子が胸も覆うタイプの水着かというと、胸が水の抵抗になるから押さえつけてるんだよな。


だから、ペッタンこの奏ちゃんは、わざわざ押さえつける必要がないんじゃないかな……と思ったわけよ。


けどな、流石にそれはノクターンだよな。と思ってやめた。


次回はネタ回だ。

一発ネタだけど。

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