表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/74

これより隠密行動を開始する。ダンボールの準備は出来ているか?

数年前のある日、友人のK君は掲示板に刺さっている画鋲をいじっていました。

私は何をしているのか気になり、彼に「何をしているんだ?」と尋ねました。

すると、彼は真顔でこう言うのです。


『この画鋲が……奇跡を起こす』


彼は一体、画鋲どこにそのような期待をかけていたのでしょうか?

私には、未だにわかりません。



◇◆◇◆


さて、ここの風呂は露天風呂らしい。


露天風呂……ということはだ。


風呂で定番なものと言えば?


のから始まる~? の~ぞ~? 

そう! 覗きだっ! オーマイガッ!


しかも露天風呂! 外の景色を眺められるが言い替えれば、外からもよく見えるということ。


すなわち……比較的に覗きがしやすいので、覗き魔も多分いるだろう。


だが、外から覗くのは所詮は素人……知らんけど。


覗くなら、外からではなく中から。


露天風呂というのは大体、木もしくは竹柵でしきられている……多分。


しかも、林間学校でよく使われる施設だ。


バレないように何処かに覗き穴があるに違いない。俺は歴代の先輩方を信じる。


「いざ出陣!」


俺は脱衣所で服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて、いざ洗場(せんじょう)へと繰り出す。ほう、竹柵か。よいぞよいぞ。


早めに来て正解だ。やはり誰もいないな。


これで俺は自由に行動ができる。フッフッフ……『計画通り』


これを見越した上での戦略的撤退だったのだよ……ごめん、嘘……。


しかし、焦るにはまだ早い。一先ずゆっくりと風呂を楽しもうではないか。


俺はお湯を頭からかぶり、体を洗うと湯船に浸かる。


俺の予想では覗き穴は低い位置、そして隠れて見えにくい所にある筈だ。


つまり、入り口からもっとも遠い隅の方にある!


俺は湯船にから上がり、めぼしい場所を探す。


「……見つけたっ!」


俺の予想していた所に、一本の竹が小さく欠けており、そこから女湯を覗くことが出きる。


よし、それじゃあさっそく……失礼しますって誰も居ねー!


覗き穴から女湯を覗いたが……誰もいなかった。実に残念でならない。すまん、オカズの提供は出来なかった。


そうだよな、男子も誰も居ないもんな……。女子もまだ居るはずないか……。


今はまだ飯食ってる頃だもんな。


「仕方がない……誰か来るのを待とう」


男どもが来はじめたら、女の子も風呂に来ている頃だろうからな。


そしてコンタクトを落としたと言って、探す振りをしつつ覗こう。


……



…………



………………



…………



……


アカン、誰も来んわ。


そろそろ逆上せそうなんだけど、誰か来て。



「……ほう、良い景色をじゃねーか」


俺の願いが通じたのか、龍之介が来た! ということは……隣には同じ班の来栖さんが来ている確率が……


ナイスオッパイの持ち主……パイオツカイデーなチャンネーの来栖さんが……


これは……期待できますなぁ!!


いや、まて……まだだ……今行ったら不自然だ……


先ずは女湯に人の気配があるかどうか……聞き耳を立てるんだ。


『おおー! 広いね!』

『そうだな』

『さっそく』

『先ず洗え』


ふむ、奏ちゃんと来栖さん……来ているな。


それと他にも結構来ているようだ。男湯にもちらほらと男がやって来ている。


あと3分……いや、5分は待とう。体を洗っている今は背中しか見えない。湯船に浸かる頃合いを見計らうんだ。


「おう、まるで温泉みてーだな。ここは」


体を洗ったら龍之介が湯船に入ってくる。くっ、こいつの筋肉が羨ましいっ!


「そうだな」


さて……そろそろ行くか。プロジェクトN始動!


空条有利……行きまーーーーす!


「あっ、やべぇコンタクト落としたー(棒)」


「ん? お前、目いいだろ。裸眼で1.2あるって言ってたなかったか?」


いきなり見破られたっ! ま、不味い……攻め込んだつもりが、逆に嵌められていた……


ど、どうする……どうする俺……


はっ、そうだ


「か……」


「か?」


「カラコン……だよっ」


我ながら、これはないわ。


「カラコンか……つか、お前使うんだな。んで、どの辺におちた?」


いや、納得すんのかよ! そうか……あべこべだから、男がカラコンしててもおかしくないのか! おかしくないのか? どうなんだろう? わかんない。


何はともあれ、ピンチは脱した。後は自然に遂行するのみ。


「えっと……どこかに転がって行ったのかなー? こっちかなー?」


俺は不自然にならないように、そっと湯船を出て四つん這いでありもしないコンタクトを探しながら、覗き穴へと向かう。


まってろ俺のオッパイ! 今から会いにいくからね!


……あれれ~? 覗き穴が塞がってるぞ~?


覗き穴の側までくると、穴が何かに塞がれているのに気づく。


はて? なぜだろうか……と、思いながらじっと穴を見つめる。


「…………」


「…………」


うむ…………目が合ってしまった。


いや、何で塞がれているのかと思ったら……女の子が男湯を覗いてたわ。


俺、ガッツリ目が合っちゃったよ。


俺も相手も驚いてすぐに顔を背けたから、誰が覗いてたかは知らんけど……まぁ、俺の顔は見られたな。


けど、あれだよ。俺はまだ覗いてないからな。穴をじっと見つめてただけだからな。


未遂だから大丈夫。


しかし、考えてみれば、あべこべだもんな。覗くのは男じゃなくて女の方だよな。


はぁ……あの覗き穴、もう使えないな。女子に知られてるし。



俺はすっかり意気消沈し、湯船に戻る。


「コンタクトあったのか」


湯船に戻ると龍之介がそう聞いてくる


「使い捨てだしもう良いかな……って」


カラコンが使い捨てかどうかは知らんが……そう答えとく。


「なあ、龍之介……男はカラコンするのか?」


「俺はしねぇけど、クラスには何人かいるんじゃねーか?」


男も……カラコンするんだな。


「そうか……俺もうカラコンしないわ」


もとからしてねぇけど。


「そうか……(なるほど、高いコンタクトを壊して落ち込んでるのか)」



オッパイ拝みたかった! 俺のオアシスにも潤いが欲しいー!


エロビデオは男ばっかし出てるんだもん、女の子が出てるエロビデオもっと増やせよ!




プロジェクトN……失敗。





おまけだよん。

◇◆◇◆


???side


非常にまずい。私は取り返しの付かないことをしてしまった。


あの……温泉に入ったらなんか穴が空いてるなーって思って


なんとなく覗いてみたのだ。


そしたら本当に男湯が覗けてしまって……


ヤバイと思ってすぐにやめようと思ったのだが……


けれど、そしたら有利様が四つん這いで近づいて来て……それで上半身とか上半身とかがあらわになっており……


洒落にならないほどに刺激的で


気がついたら、食い入るように見てしまっていた。


すると、彼とバッチリと目が合ってしまって、とっさに顔を反らしたのだが……


やはり気になり、もう一度だけ覗いてみたのだ。


そしたら、どことなく落ち込んだ様子の彼が湯船に戻っていくのが見えて


私の安易な行動で有利様にトラウマを植え付けてしまったにちがいないと思った次第だ。


私は一体どうやって謝罪すれば良いのだろうか……。


おい、この新キャラは誰だ? って思ってると思う。


安心しろ、俺も同じことを思ってる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ