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グーグルマップを使ってな!

迷子になっても大丈夫……そう、グーグルマップならね


◇◆◇◆


「山を案内する筈だった斉藤先生が倒れてしまったので、代わりに私が案内します。それじゃあ、一班から付いてきてください」


斉藤先生……助からなかったか。南無阿弥陀仏。


「ん、お前らお揃いのリュックだな」


気付いたか龍之介。なかなかやるな。


「おう、w羨ましいだろ? ほれほれほれ!」


俺はリュックを龍之介に見せつける。


「いや、別に……猫耳フードか、可愛いじゃないか」


「うるせーよ」


鼻で笑うんじゃねーよ! 俺だって好きで買ったんじゃないやい。流れで買っちまったんだよ。

まぁ、けど何気に気に入ってるんだけどな…………。


有利sideend


奏side


「あんた……奏って言ったっけ?」


同じ班の来栖恵さんが話しかけてくる。


「はっ、はいっ! そうです来栖さん」


朝に何度か話したし、バスの中でも隣同士だったから大分仲良くなったとは思うけど、二人きりで面と向かって話すと緊張する……。


「怖がらなくてもいい、なにもしないよ。それと恵でいい、タメ語でもな」


「えっと、うん、わかったよ……恵……さん」


ごめんなさい。呼び捨てはまだ怖いです。


「まぁ、それでも良いや……それより、随分と可愛らしいリュックだな。あんたの趣味か?」


と、私の背負っているリュックを指差さしてそう言う恵さん。


やっぱ、女子がこんな派手なリュックは変だよね……。恵さんも他の人もシンプルで格好いいリュックだし、こんな派手なリュックの人は男子ばっかりだもんね。

龍之介君はシンプルなのだけど。それと一部の男子も。


「いや、これは趣味じゃなくて……その、有利君と一緒に買いに行って……それで、流れで同じものを……」


「仲いいんだな……付き合ってるのか?」


「付き合ってはないよ……今はね」


ここでうんと返事したくなるのを、喉元でグッとこらえてそう言う。


「そ、そうか……(今はって言い方が怖いな)」


奏sideend


有利side


「おう、俺らの番だぜ……で、女の子二人はどこいった?」


「……ん、あそこ居るぜ」


少し離れた所を指差す龍之介


「おう、ホントや……おーい! 二人とも行くよーっ!」


俺は、少し大きな声を出して二人にそう言う


「ごめんごめん」

「悪い、二人で話してたらはぐれてた」


二人がそう言いながら合流してくると、登山を始める。


「……こういうイベントってさ、何故か必ず登山あるよな」

「沢登の場合もあるよね」


まじか、俺は沢登の方がよかったな。


「まぁ、登るだけで費用もかからないしな」


「どうせなら修学旅行みたいにパーっと使えばいいのに」


「修学旅行といえば、今年からハワイに行くらしい」


「マジか、スゲーな」


来栖さんの言ったハワイと言う言葉に食いつく龍之介


「修学旅行か……俺行ったことないから楽しみだな」


俺、中学の時修学旅行行ってないんだよね。


「中学の時になかったのか?」


そう聞く来栖さん


「いや、あったんだけどさ……俺その頃事故にあって骨折して入院してたんだよね」


「それは御愁傷様だな……」


気の毒そうにそう言う来栖さん。


「いや、全然気にしてないよ。変わりにグーグルマップのストリートビューでエア修学旅行してたから。病室で」


「エア修学旅行……」


「お前、そんなことしてたのか」


「ちなみにグアムだぜ! セレブだろ!」


笑い話なんだけど、笑ってもらえません?


「有利君……あの、次は行けるといいね」


やめろお前ら。そんな哀れむような目で俺を見るんじゃない!

笑い話なんだから、笑ってくれよ! 俺がスベったみたいじゃんか! お願いします。笑ってください


俺だって修学旅行いけなかったのショックなんだからな! 

それを笑い話として話したのに、哀れられむってもうどうしようもないじゃない!


「お願いだから笑ってよ。ここは笑うところだ」


どうした、笑えよベジータ……。俺が悲しくなるだろ。


「……け、けど、ハワイに行けるなんて二年が楽しみだね」


気を使って話題を反らしてくれる奏ちゃん。

その気遣い……心に染みます。

個人的には笑って欲しかったけどな。


「そうだな。次は行けると良いな」


奈良や京都はともかく、ハワイは逃せないな。絶対に行かねば。

……待って、これフラグだったりしないよな?


「事故にあわないように気を付けてね」


うん、それもあるけど、俺らが二年になるまで、この小説が続いてないと無理だからな。


「けど、ハワイって実際どういう所だろうな」


顎に手をあてながらそう言う龍之介


「そういえば、アタシもアメリカにあるって位しか知らないな」


来栖さん、それは知らなさすぎじゃないかな。

かく言う俺もあまり知らないけどさ。


「行く前に調べとかないとな。ストリートビューで」


「修学旅行の予行演習かよ」


「俺は二年生を追いかけるぜ。グーグルマップを使ってな」


「お前のそのグーグル推しはなんなんだ」


グーグル先生は偉大です。なので、これを書籍化してください。

ま、出版は手掛けてないから無理か。



その後も、だらだらと喋りながら登り、頂上からの景色を一通り楽しんだ後に下山した。


って、結局登山の話なにも書いてねぇじゃん!

グーグルマップ『何をお調べになりますか?』

司令官『敵の本拠地』

グーグルマップ『西方向におよそ、50km先です』

司令官『よし、主砲を西方向50km先に向けて標準! ってー!』


って言うチート小説を思い付いたけど、面白くなさそうだから書かない。


このネタ使いたい人がいたらどうぞご自由に。


投稿時間さ

12時と19時と23時と……どれがいい?

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