人は皆……自分の都合の良いように物事を解釈するんだ。名付けて『歪曲現実』
俺のスタンド能力は『歪曲現実』
現実を自分の都合の良いように解釈する能力
追記
ジャンル別の日刊ランキングで4位だってよ。
◇◆◇◆
「帰るか」
部活も終わり、鍵を職員室に返すとそう呟いて駐輪場に戻る。
なんか……すっげー色々聞かれて疲れた。オタサーの姫ってのはあんな感じなのか。
いや、そこまでちやほやはされてないか……?
「あ、有利君。今帰り?」
駐輪場に着くと、鞄を荷台にくくりつけている奏ちゃんの姿があった。
「おう、今帰るとこだ……どっち方向?」
「あっち……割りと近所にあるんだよね」
「そうなのか……じゃあ一緒に帰ろうか」
「えっ?」
と、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になる奏ちゃん。
そんなに驚くことか?
「どしたの? ……ああ、勘違いされるかもって? 大丈夫だろ。殆ど帰ってるし」
部活が終わる時間が押したせいで、殆どの生徒は帰ってしまっている。
まだ練習しているのは野球部くらいだ……なぜこう野球部だけ頑張るのやら。
練習は量より質だ。沢山頑張ればいいってもんじゃないと思うんだけど。
「あ、と……有利君は嫌じゃないの? 付き合ってもない女子と一緒に帰ったりするの」
「いや、別に……友達だし別に変じゃないだろ?」
まあ、周りが勘違いするかもしれないが、誰も居ないしな。
「あ、友達……まぁ、そうだね。じゃあ帰ろっか」
というわけで、二人並んで自転車を押しながら帰る。
「いつもあんな感じなのか? 先輩たちは」
「そうだね。割りといつもあんな感じかな。それで、いつもは早く終わったら大富豪とかしてる。もしくはそのまま帰るか……けど、あんな感じ」
「あはは」
やっぱ時間をもて余すもんな。泳がないとさ。
「けど、来週から泳ぎ始めだから、今週までかな。こんなに楽なのは」
「来週からなんだ……じゃあ用意しとかなきゃな」
「そうだね……あ、私ここなんだ」
と、とある家の前で立ち止まる奏ちゃん。
「そっか……ってか本当に近いのな」
学校から徒歩で五分くらいじゃん。
「まぁね……あ、家まで送ろうか? もう大分暗いしさ」
日は既に落ちかけ、大分辺りも暗くなりつつあるからか、そう行ってくれる奏ちゃん
「いや、別にいいよ」
女子に送られるのは格好がつかんしな。
「そっか……じゃあ、明日ね」
と、手を振る奏ちゃんを背に、自転車に乗り自宅まで真っ直ぐ帰る。
「……大分遅くなったし、怒られるかな?」
思っていたよりも帰りが遅くなってしまったので、心配をかけていないかと不安になる。
「帰りたくなくなってきたな……って、うおっ」
なにかしら小言を言われそうだ……と思っていると、いきなり目の前にロングコートにサングラスとマスクを着けた女性が出てきて、俺は驚いて急ブレーキをかける。
危ないだろ……ってか、何者だ?
そういえば、ここら辺で露出魔がでるってニュースがやってたけど
まさか……だよな…………よし、バッチコイ!! さあ、来い!
「……ワタシの裸を見てーーーっ」
ガバッとコートを開き、一糸纏わぬ姿を晒す女性
よっしゃ来…………あぁ………ダメだこれ……萎えた。
「そういうのいいです」
俺は一糸纏わぬ姿をさらしている女性をスルーして、普通に帰宅する。
俺さぁ、露出って、てっきりきれいなお姉さんだと思い込んでたんだよ。
だからさ、バッチコイって感じだったわけさ……けどさぁ……もうさぁ……
オバサンじゃん……ただのオバサンじゃん。絶対四十後半だよぉ。
オバサンの裸を見せられてさぁ、俺の期待は裏切られたしぃ、別に見たくもないもん見せられたしぃ……もう俺のテンションはドン底よ。
通報はしない。俺も最初は期待してたからな。
…………そうだよな、考えてみれば、前の世界でも露出魔って高確率でおっさんだもんな。
早く気づけばよかった。
◇◆◇◆
「ただいま」
「おかえりお兄ちゃん。遅かったね……って、何かあった?」
家に帰るとエミが出迎えてくれる。エミは俺の様子を見ると少し心配そうに尋ねる
「どうしてだ?」
「なんか、すっごいがっかりしてるから」
がっかりしてたか……間違いじゃない。
「ああ……まぁ、色々あった」
綺麗なお姉さんだと期待したら、とんだオバサンだったんだ。
「そうなんだ……それより、ご飯もうできるよ」
「おう食べるわ」
俺は部屋に戻らずリビングに向かうと、荷物をソファの側に置くと、そのままソファに座る。
「有利ちゃんおーそーい。おねーちゃんは心配したぞっ」
と、姉ちゃんが俺に後ろから抱きつきながらそう言う。
「あ、姉ちゃん。俺水泳部入った」
昨日言おうと思ってたが、言いそびれてしまったので、今思い出したように言う
「……んー、有利ちゃん、おねーちゃん、なにか聞き間違いかな、水泳部に入るって聞こえたんだけど」
「入るじゃなくて、もう入った」
「いや、あのね……別に部活動は個人の自由だけどさ、そういうのはあらかじめおねーちゃんに一言くらい言ってくれてもいいじゃない」
「ごめん」
「しかも、よりにもよって水泳部なんて……水着とか恥ずかしくないの?」
「いや、それは全然大丈夫」
「そう。まぁ、もう入っちゃったなら仕方ないけど……いろいろ気を付けてね」
もう少し反対されるかと思ったが、ものわかりのいい姉で助かった。
「ご飯できたよ」
エミが皿を並べながらそう言う
「おう。手伝うわ」
と、俺はソファから立ち上がってエミを手伝いに行く
はい。二日目終了!!! シェアッ!
挿し絵いれさせて。線がガタガタだから遠目で見るように
私の裸を見てーの所の、有利の反応。
外人4コマのパクりや。
読み方はディストレーションリアルとかでいいんじゃね?
それよりさ、さっき自分の書いた小説読み返したんだよね。
誤字修正もかねてさ。
いや、マジ面白いなこの小説。誰が書いたんだろうな、こんな面白いもの。
……なんだよその反応。言いたいことあるなら感想欄で言えよ。