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部活に入る必要あっただろうか……別にマネージャーでよくね? だって、全国大会目指すようなスポーツ小説じゃないし

まあ、俺ちゃん水泳部だったから……部活書くなら水泳部が一番やりやすいと思ったんだ

◇◆◇◆



「いやー、スマンね。ここしばらく男子部員が居なかったもんだからさ」


と、顧問が男子更衣室の鍵を開けてながらそう言う。


「おおう……」


俺は、部室の中に入って驚く。様々な物が放置され、自由なスペースは殆どない。


だが、よく考えてみれば、男子部員が居ないから部室は使われていないのは当然で、空いたスペースを有効活用するために、今は使われないものが保管され、物置のような状態になるのも至極当然だ。


わかる人にはわかるだろうが、コースロープが大半を占領している。


コースロープは、水につかってるから脆くなりやすいんだ。だから、泳がないオフシーズンはプールから取り外して、別の場所に保管するんだけど、これが以外と場所を取るんだわ。


お陰で男子更衣室の空きスペースはほぼゼロ。


だが、幸い、男子部員は俺一人だけ。ならばあまりスペースが空いていなくとも問題ない。


「大丈夫ッスよ。着替えれんことはないんで」


「そう。じゃあ私は職員会議があって部活には顔が出せないけど、終わったら鍵は職員室の私の机の上にでも戻しといてくれたらいいから」


そう言って鍵を預けて校舎の方に戻っていく顧問。


「あ、有利君早いね」


「ん、奏ちゃん……他の人は?」


「一年は私と有利君だけだよ。先輩は二年生は三人、三年生が二人いるけど、三年生は今日はなにかあるみたいで休み。二年生の先輩はもうすぐ来ると思うよ……あ、来たみたい」


と、丁度三人組の女子がやって来る。


「チーッス……って、あれ? 男要るじゃん! なんで?」


と、真ん中にいるショートヘアの一番元気そうな先輩が俺を見るなり、そう聞いてくる。


「どーも、新入部員の有利です」


「有利……あ、知っとる! なんかめっちゃビッチで有名な子やろ」


……おう、初対面の奴に喧嘩売られたのは初めてだ。まぁ、散々言われてっけどな! 昨日と今日でもう大分言われ慣れたわ。


「先輩、失礼ですって」


奏ちゃんいいぞもっと言ってやれ。


「あ、ごめんごめん。私は坂本美穂だよ。よろしくね」


こいつ馬鹿そうだ。


「私は近藤裕子」


水泳で色素が抜けたであろう金に近い茶髪を後ろで一纏めにした、ややつり目のクールそうなお姉さん……って感じだな。


「城之内烈火」


分かりやすく、赤の混ざった茶髪に、茶色の目……眼鏡姿が可愛いが、あんまり似合ってない。そばかすとかあったらいい感じだな。地味っ子みたいで……

けど、地味な子、あまり話弾まないから苦手なんだよな。もっと話したいけど、なかなか弾まない。


あと、城之内烈火って……城之内ファイアー!! って感じの名前だな

……ごめんなさい。


「さて、紹介終わったし……折角新入部員が来たんだし、部活なんかしてないで親睦を深めようぜ」


いきなりサボり発言をする。馬鹿そうな先輩……坂本先輩だったかな。


というか、部活しろよ。俺は体を動かしたいんだよ。


「美穂……せめて部活はしよう。どうせウエイトなんだしすぐに終わるんだからさ」


と、俺の言いたい事を代弁してくれる近藤先輩。


この人はいい人だ。ちょっと怖いけど、いい人だ。


「えー、けど外周もあるじゃん」


「美穂ちゃん、たった3kmじゃない」


そう言いながら文句を言う坂本先輩の背中を押して、更衣室に入っていく城之内先輩。


さて、俺も着替えよーっと…………着替え終わった。


「……ここで待ってりゃいいか」


俺は更衣室の前に座り、女性陣が出てくるのを待つ。


「あ、有利君早いね」


と、少し待っていると、奏ちゃんがストップウォッチを持って出てくる。


「うん、まーね。じゃぁ行こうか」


俺は立ち上がって、奏ちゃんにそう言う。


「あ、待って、先輩達ももうすぐ……」


「走るのだーりぃー」


奏ちゃんが言い終わる前に、面倒くさそうに出てくる坂本先輩


「美穂、皆思ってるからわざわざ言わなくてもいいよ」


いや、俺は早く走りたくてウズウズしてるぞ近藤先輩。


だから早く行こうよ。


「じゃ、行こっかー」


と、城之内先輩の一言で皆校門まで歩いていく。


校門から学校の周りを三周走るのだが、一周1kmなので三周で3kmになる。

この練習を外周と呼んでいる。


「じゃあ、適当にアップしたら走るよ」


練習を仕切るのは城之内先輩らしい。俺は学校指定ではない私物のジャージを脱いで、軽く体を動かす。


「……それじゃ、行くよー。よーいドン」


皆がアップを終えると、その合図で外周を走り始める。


おお、皆速いな……男子並みだ。


って、そういえば龍之介が女子の方が筋肉のバランスがいいとかで、力が強いって行ってたな。


「……合わせて走ろうと思ったけど、普通に走ったんでいいや」


男子が俺一人なので、皆に合わせて少しゆっくりのペースで行こうと思っていたのだが、それだと逆に俺が置いていかれているので、少しペースを上げる。


「わっ……有利君、あまり合わせなくても大丈夫だよ。自分のペースで走ったんで」


「大丈夫だよこれくらいなら」


「そうなんだ……運動出来ないのかと思ってた……」


と、意外そうに言う奏ちゃん


「それだと水泳部には入らないんじゃないかな?」


運動オンチには水泳は一番無理だと思う。何せ全身使うからな。バランス感覚も必要になってくるし。水泳が出来るやつはどんなスポーツも出来るって言うくらいだしな。


「そっか……言われてみればそうだよね……いや、龍之介君が凄いからさ」


と、苦笑を浮かべながらそう言う奏ちゃん。


「うん、流石にあんな筋肉ダルマと比べられたら目立たないけどさ」


龍之介のせいで俺が霞んでるんだよ。そうだよ。あいつが居なけりゃ俺だってもっとスポーツ出来そうなイメージが定着してたはずだ。


「というか、いいのか? のんきにお喋りしてて……前と大分差が空いてるけど?」


先輩方と並ぶように走っていた奏ちゃんだったが、いつのまにか大分差が開いてしまっている



茶道部とかさ、どんな活動してるのか想像すらできん。

Disってるわけじゃないぜ。

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