閑話休題3
「父上の政治的な立場と母上の政治的な立場が真っ向から対立する形になったのは分かった。
しかしおじい様は何ともこう、底意地が悪いというか今だから言える事だがな。」
「私もその点には同意いたします。ですが王子、元より女王陛下は政治に関心が薄く、王配フェリペ様か前王配フェルナンド様のどちらかが実権を握るのは必至でしたぞ。その上で何方がカスティーリャにとってマイナスに働かないで済むかを考えると、官僚その他の延臣たちは当然フェリペ様ではなく今までイサベル様を支えておられたフェルナンド様を望むでしょう。」
「そうだな。近隣諸国はとまかくとしてボルゴーニャなどから官僚が起用されては困るものな。同じ外国でもまだアラゴンの方がマシと言えばマシかな、言葉もほぼ同じだしな」
「王子の父君であらせられたフェリペ様だけではなくて兄君カルロス様が此方に来られても同じ問題が起こる気が致します。実際に亡くなられたフェルナンド様は会った事もないカルロス様ではなく王子、貴方を後継者に望んでおられたわけですから」
「ところで何故、女王陛下として申し分なかった母上が政治から離れて1人Tordesillasに居られるのだ?」
「まあ其処は今から説明しますから。年寄りを苛めるのはおやめくだされ」