ホームレス☆魔法少女
私は魔法少女、芹沢=VERθ=はるな!
平行次元魔法世界エンターライズから追放……じゃなくて修行のためにこの地球日本国岐阜県岐阜市にやってきました! 目指すは最高至高の魔法使い「エンシェント▽ハイマスター」!
さて、私の住んでいるところですが……とんがり屋根のおうちでもなければ、魔法学院の宿舎でもない。なんていうか、壁が無くて、屋根と足元はコンクリートで、天井からはこの世界の乗り物の移動する音がする……そう、ここは河川敷! 大きな橋のその下なのです!
え、なんでこんなところに住んでるかって? それはね、この世界に持ち込めたのは身につけている「オルタナティブ・エンハンスド・ドレス(要するに魔法少女の服)」と、この「エンチャントスティック(要するに魔法の杖)」だけ。この世界のお金なんか1円も持ってなかったから、マンションの一室はおろかボロアパートの一室すら借りられなかったんだよ。テヘッ☆ 何か、セイカツホゴとか言うものがあるらしいけど、あれはこの国の人のための措置みたいだし、そもそも私には「カッサンドラの呪い」がかかっており、誰にも信用されないんだ。ヒドイ話だよね~こんな可愛いオンナのコが誰にも相手にされないなんて。マンガやアニメとかだったら、カッコいいダメな男の子や優しい女の子の家に居候して美味しい夕ゴハンを毎日ごちそうになったり、一緒に学校行ったり出来るもんなんだけど、現実って厳しいよね……ぐすん……
魔法で何とかならないのかと思う人もいるけど、私はまだ見習いクラスの魔法使いだから、マジカルエナジー(魔力)も低いし大した魔法なんて使えない。まあ宅急便のアルバイトをする黒い服の女の子よりは多分マシだと思うけど、今のところ移動のための「エアライド(飛行能力)」と、河原で(竹竿を使って)釣った魚を焼くための「フレイムトーチ」を使うくらいしか役に立ってないのが現状なの。
そんなわけで、いくら魔法を使えてもこのビンボーな状況を何とかする術は、全く持っていないわたし。はやく故郷に帰りたいな……とりあえず、明日はダメモトで職安に行ってみようと思います!
頑張れワタシ!
目指すは史上最強のホームレス魔法少女☆
……ふぅ……