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◇国宝級始めました!

 

主人公的には、限りなく実用品かつ駄目にしたところで大して痛くもないのですが…。


 

「ね?ほら、ほら?」

 種類の違うポーションを、ひたすらアイテムボックスから出しては入れ、出しては入れ、出しては入れ…いい加減納得してよ、もうっ!

「ねえわー」

「無くてもいいから、そんなものだと思って」

 さし当たり、アイテムボックスを異空間に収納してます的な定番の言い訳で説明する事にして、実演して見せたものの…なかなか信じてくれなくて一苦労。

 説明しないという選択は却下、今後コソコソと隠れて物の出し入れするなんて面倒くさい事をする気は無いのですよ!

「因みに、どのような魔法を使えばそんな事が…?」

「さあ?…こういうものだとして使ってるから、原理とか詳細は知らないんだよね」

「あのー…」

「こういうもの!…って認識できたら使えるの、説明は無理だから」

 どっちかって言うと、私も知りたいよ。

 でも、使えるものは使えるんだし…ここは徹底的にすっとぼけますよー。

「さて、とりあえず着替え出さないと」

 座りっぱなしだったベッドから立ち上がって、ここら辺りにと思いながらアイテムボックス内の物を選択…アイテムボックス内の表示のスクロールからアイテム選択まで全部思うだけとか、超便利だね。

 そして、足元にポンと現れたのは、宝箱っぽい木の箱が一つ。

「衣装箱ですか?」

「ううん、【収納ボックス】」

 蓋を開ければ予想通りの空箱…まあ、私には蓋の裏にアイテムボックスと同じようなウィンドウ見えてるんだけど。

「空箱の前でゴソゴソしてるエルフってシュールだな」

「それは言っちゃダメ」

 アイテム名【収納ボックス】、最大数が200個のアイテムボックスの収納量を拡張するのがコレ。実は課金アイテムの最たる物で、コレ自体は無制限に購入可能。まあ、コレを200個購入してアイテムボックス埋めて喜ぶのはただの馬鹿だけど。

 この【収納ボックス】1個あたり100個のアイテムが収納可能で、記名機能を使えば自分だけにしか使えなくなるから防犯もばっちり。難点と言えば、アイテムの出し入れの際には収納ボックス自体を取り出して出し入れする必要がある事くらいかな。

 私はアイテムの種類毎に10個ほど持ってるけど、ゲーム内では多い方だった。

「うーん…こんなものかな……」

 セット装備ばかりが入っている収納ボックスから一つを選ぶと、靴を含めた装備一式がきれいに畳まれた状態で箱の中に現れた。

 …ふと思ったけど、箱に入らないサイズの物ってどんな感じで出て来るんだろ?…後で広い場所で試そう、うん。

 

「…えっと、何?」

 装備を取り出したら妙に視線を感じ、振り返るとカリナとフィーリーが期待に満ちた目でこちらを見ていた…。

「「それ見せて!」下さい!」

「…良いけど」

 迫力に圧されて出した装備一式そのまま2人に…別に嫌悪感とかそんなのは無いけど、別に珍しい装備でも無いので気分的にはビミョー。でも、ここで断るとブーイングの嵐なんですね、わかります…だって中身的には同性だし

 それはさて置き、カリナの方はシーフで鑑定のスキル持ってるだろうからまだわからないでもないんだけど…フィーリーは、何でだろう?

「何か、スマン……」

「いや……」

 謝りたくなる気持ちはわかるけど、だからってどうしようもないよね。

 カリナはやっぱり鑑定してるっぽい、フィーリーは…ああ、なるほど、作り自体に興味があるのね。

「あ、でも、あんなに興味を持たれるのは予想外?」

「ああ、そりゃ…」

 何だか気まずそうに頭を掻くゼン。

「カリナが言うには、アンタの身に付けてた胸当てとか鑑定できなかったらしくてなぁ…鑑定出来ないのは城の宝物庫見学した時以来なんだと。フィーリーの方は貴族でも纏えない上質な素材の衣装だってんで、作りも含めて興味があるらしい」

 …何だか、知らないうちに地雷ばら撒いてない、私?

 た、確かに最初着ていたのは上級者向け装備の中でも比較的レアな物ではあったけど…一応、生産可能な装備よ?今出した装備に至っては中級者向けの物だから、比べ物にならないくらい防御力も付与効果も残念な物なんだけど…。

 

「ダメ、やっぱり見えないー!!」

 ばふっと持っていたシャツをベッドに置いてがっくりうなだれるカリナ。…それは多分、鑑定スキルのレベルが足りてないんじゃないかと。

「なぁ…アレ、服だよなぁ?」

「ん?ああ、うん、鎧の分類じゃないのは確かにね」

 軽鎧より更に軽量のローブとかの分類だから、鎧じゃないねー。まあ、初心者向けの革鎧と比べて、余裕で防御力は倍以上あるけど。

「そうじゃなくてだなぁ…」

「もー、何で見えないの!これ、只の服じゃないわよね!?」

「ああ、そう言う意味なら【学舎の衣:法】だけど?」

 そう言ったら4人全員に首を傾げられた…え?あれ?コレ、ひょっとしてこの世界に存在して無い物だった?

「聞いたことねぇな」

「学舎…って事は、何処かの学校の制服ですか?」

「流石にそれは無いと思うけど…」

 見た目は確かにベストタイプの学生服だけど、着るのにLv.300必要な学生服とかは流石に無いわー。

「それもコレも鑑定できたらわかるのにっ!」

「詳細知りたいの?【学舎の衣:法】装備可能Lv.300、付与効果は【魔法習得速度UP】…だけど?」

 防御とかのステータス系は端折って言ったけどだいたいこんなもの…流石に中級者向け装備、付与効果の地味な事ったら。習得速度UPって言ったってせいぜい習得までの規定回数が1割ほど減るくらいだから、便利と言うには効果微妙なんだよね…。

 

 …で、何で皆さん凍ってらっしゃる?

 

 

 

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