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◇見知った荒野にて said:???

視点が変わります。

 

キャラ名はまだ出てきて無いので伏せていますが、キャラがキャラなので文章がやたらと崩壊しているのは仕様です。

 

今回はBLを臭わせる表現があるかもしれませんが、下ネタ程度なのであえて警告は致しません。

 

 

「マジかよ……」

 普通、ベヘモットなんてのは腕利きの冒険者が十数名寄ってたかってようやく倒せるモンだ。それが魔法の一撃、剣の一閃であっさり…だぜ?

 ぱっかりと、馬鹿みたいに大口開けて驚くのもしょうがねえだろ?

「本当に、大丈夫だったわね……」

「そーだな……」

 あの笑顔はこの結果を確信してたってこった…当の本人は何故かぶっ倒れてるけどな。

「…あ!あの人助けてあげないと!」

 真っ先に我に返ってフィーリーが駆け出したが…今更、そんなに急いで助ける必要あんのか?

「そうね…起こしてあげないと、窒素するかも」

「ああ、そっちか」

 倒れた拍子に、顔面からベヘモットの血溜まりに突っ込んでらぁ…そりゃヤベェわな。

 何とも言えない脱力感を味わいつつダラダラとカリナの後を追えば、真っ先に到着していたフィーリーが金髪を抱き起こして丁寧に顔や髪を拭っていた。

「この人、凄い美人…」

「美人なのか?」

 カリナのどこかうっとりとした呟きに反応しちまったのは仕方ねえ、男のサガってヤツだ。

「男性ですけどねー」

「男かよ」

 そしてフィーリーの容赦ない一言に夢も希望も失った筈だった…が、視界の端に映った顔に思わず二度見したね。

「…男?」

「どう見ても男性でしょ?」

「男の人ですよねぇ?」 女二人が声を合わせて男だと言ってるが…コレが男だってんなら、俺ぁちょっとばかり俺の中の世の男に対する認識変わるぜ?

「このツラなら、俺ぁ男でもイケる…気がする」

 思わず握り拳で言ったら、三人分の冷たい視線が降り注いだがな。

「サイテー」

「ゼンさん、不潔ですっ!」

「ゼン、下品ですよ」

 ようやく今になって追いついて来たロズまで…ひでぇな、ヲイ。

「だってな、そこら辺りの貴族のお嬢様よかよっぽどか美人だぜ?」

 ごくたまーに貴族からの依頼で屋敷に出向くからそこのお嬢様の顔見る機会はあったが、この兄ちゃん並みの美人は見た記憶がねぇ。

「それは同意するけど、さっきのはサイテー」 俺の最低評価覆らず…ちっ、残念。

「美醜以前に、その方がエルフだって事気にしませんか?」

 溜め息混じりにロズに突っ込まれて初めて気が付いた、確かにコイツの耳エルフ特有の尖った耳だな。

「こんな間近でエルフ見たの初めてだわ…エルフが美形って本当なのねー」

 関心したようにカリナが頷きフィーリーも興味津々…何か違う気がしないでもないが、そんなものなのか?

「いえ…だから美醜じゃ無く……」

「美人のエルフ兄さんで良いじゃないか、本人気絶してんだから誰も何にも言いやしねえって」

「はあ…まあ、ゼンさんがそう言うなら……」

 そこら辺はこだわっても仕方ねぇし?な?

 

「まぁ、さしあたり、どうするかなぁ…」

 セオリーはあるんだか、一応確認の意味でぐるりと見回す。

 金髪の兄ちゃんは、起きる気配は無し…と。

「予定通りフォグまで行ってギルドに報告…が妥当でしょうね」

「まぁな」

 ベヘモットの素材はかなり良い値段するはずだが、このデカブツの解体は俺ら4人の手には余る…ギルドに頼むべきだろう。

「じゃあ、さっさと行きましょ。血の匂い嗅ぎ付けて他の何かに集まって来られても困るものね」

 その提案に皆一様に頷いて…さて、問題は……。

「ゼン、この人お願いね」

 カリナがにっこりと俺の肩を叩く。

 恩人を放置していくなんて選択は無い手前、一緒に連れてかなきゃならんが…俺かよ。確かに、この中で一番力があるのは俺だがよ。

「だが、このまま背負うってのは…」

 多少はフィーリーが拭ってくれたとは言え、身に付けているもの一式見事に血みどろだ。このまま背負ったら間違いなくこっちまで大惨事になるし、何より確実に街に入るの止められて無駄に面倒臭ぇ事になる。

「あの…これ敷き布ですけど、使えますか?」

「おっ、ナイス。ありがたく使わしてもらうぜ」

 気を利かせたフィーリーが荷物から畳んだ布を引っ張り出してくれたから、ありがたく使わせてもらって手早くエルフ兄さんを素巻きにする。

「それじゃ背負えなくない?」

「…おっと、しまった」

 何も考えず腕までグルグル巻きにしちまったが、確かにこの状態じゃ背負えねぇな…。

「考えなさいよ」

「うるせえなぁ…」

 仕方ないから両腕で抱え上げた…いわゆる姫抱きとかいう体制だが、肩の上に担ぎ上げんのは苦しいだろうから仕方ねぇ。

 …頼むから、今は目覚めてくれるなよ……?

「カリナ、先頭行ってくれ。ロズ、一応後ろの警戒頼まぁ」

「先頭ね」

「了解です」

 自然とフィーリーが俺の横に付くような並びで、一度本来のフォグへ続く街道に戻った。

 

 良く考えたら、俺らがベヘモットに出くわしてから一時間も経ってねえのな。

 まさかベヘモットを後ろに張り付かせたまま街道を下る訳にもいかなかったから街道を逸れた事自体は意図的にだが、それがまさかこんな事になるとはなぁ…。

 しかし、住処の森に引き籠もっ…もとい、隠れ棲んで人間に関わりたがらないはずのエルフが何でこんな木どころか雑草すらまばらな荒れ地に居るんだ?

 訳ありなんだろうな…いや、訳ありじゃないはずの方がねぇよな。


 エルフだろうが何だろが、ベヘモット一刀両断は明らかに普通じゃねぇよ…。

 

 

 


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