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◆始めたら終わりまで said:ゼン

 

 

内容が…まあ、ちょっと、アレなので指定入れますよー。もやっと気持ち悪い感じです、ハイ…。

ゼンは意外と博学さん、大きなフラグを一つ回収できましたー。

 

 


 

「ギルドで手頃な依頼見つけたんだけど、行ってきて良い?多分、一晩くらいかかるとはおもうんだよね」

「おー、行って来い。お前なら、止めねえよ」

「む、何か匙投げられてる気分…まあ、いいけど。じゃあ、行って来るねー」

 足取りも軽く部屋を出て行くリーンを見送って、もう一度だらっとベッドに身を投げ出す。

 悪いが、今日はもう付いて行く気力なんかねえよ。

「おや?さっきリーンさん出て行きませんでしたか?」

「いい依頼見つけたから行って来るとさ」

 入れ違いに戻って来たロズが俺の答えを聞いて、僅かに眉を歪ませた…俺がだらけきってるせいじゃねえよな?

「…記憶無いようには見えませんね」

「むしろ、無いからこそ…なんじゃねえか?」

 眠気のままに欠伸して、枕に乗っかるように体制を変えるとヤケに深刻そうな雰囲気のロズと目が合う。

「エルフが人間と距離を置くようになって約400年…でしたか」

 距離を置く、なぁ?ずいぶん気を使った言い方だが、「嫌悪するようになって」で良いんじゃねえか?

「ま、人間の自業自得だからなぁ……」

 

 エルフがそんな状態になったのは、約500年前に起こった世界規模の大戦からの一連の流れが原因だ。そこから急激に人間の王国が各地に成立し今に至り繁栄を続けているものの、逆にエルフやドワーフと言った古い種族がそれ以降衰退したせいで一般にその大戦を『神代の終わり』なんて呼んだりする。

 まー、コレくらいは普通に学校通ったヤツなら習うから、大抵知ってらぁな。

 大戦自体は…世界規模だったから、当然人間同士の争いの範囲にはおさまらなかった。エルフはもとより獣族、オーガ、ドワーフ…あらゆる種族が巻き込まれる事になったし、種族によっては当然ながら酷い扱いを受けたヤツらもいた。だが、それに関して言えば、容姿に優れハンパない魔法のキャパもあり生活も人間と大して変わらないエルフはある意味重宝されたって事だから、その時の扱い云々は原因じゃねえ。

 原因の発端は、大戦の末期にどこぞやの国が使った広域殲滅魔法の乱射による世界規模での魔力の枯渇だ。大気中は言うに及ばず大地からも魔力を吸い上げたせいで、その後100年に渡って世界的に魔力枯渇状態に陥ったってんだから…威力はそれこそ阿呆な威力だったんだろうさ。

 ただ、大戦中の記録類は殆どが国の機密扱いになってるからな、俺らじゃこれ以上の事は知りようがねえんだが。…知った所で胸糞悪い現実を思い知るだけだろうから、知りたいとも思わねぇがよ。

 

 それでだ、魔力枯渇の余波で各地に異常気象が頻発、ついでに地力も枯渇、自然災害や飢饉で戦中以上の死者が出てそもそも戦なんかしてる場合じゃねえってなったワケだ。当然人間にとっては自業自得…だが、真に被害を被ったのはむしろ人間以外の種族だったんだな、これが。

 

 エルフが森と共に生きる種族だってのは常識だが、その最たる特徴は森の木々や植物と意志の疎通が出来る事だ。

 地力の枯渇によって次々と森の木々が枯れていく事態に、ある者は枯れゆく木々の悲鳴に病み、ある者は森を守ろうと魔力を使い果たし、次々に命を落として行ったんだと。それで、元々が人間と比べて数の少ないエルフはますます数を減らし、同時に人間に対する嫌悪感を強めて人と関わらないようになっていった…ってのが、一般に知られてるよりちっとばかし詳しい事情だな。

 

 だからと言って、全く行き来が無い訳じゃないんだが…。一般人がエルフを目にする機会なんてのは、王都で祭りの時に招待されたエルフのお偉方の道行きくらいのモンだから、ますます近寄りがたさが増すっていう悪循環に陥っちまってらぁな。

 そもそも、どっちがエルフのスタンダードなのかは俺じゃ判断つかねぇんだけどな?

 

 そんな訳で、仮にも500年以上生きてあの最悪の時代を経験したはずのエルフが、人間とこんな和気藹々としていられる筈がねぇんだよ…本来は。

 

「本当に、リーンさんと一緒にいて良いんでしょうか、私達は……」

「さぁな?だが、本人が望んで、俺らにも異存は無かった。それで良いじゃねえか」

「ですが……」

 はぁ、またぐるぐる悩んでんのか、ロズのヤツは…半端に頭の良い奴はこれだから、全く。

「今更あーだこーだとリーンの前では言ってやんなよ、悲しむぜ?」

「そう…ですよね」

 まあ、記憶が無くて心細いのはそうなんだろうな…常識が無いってのを指摘すると微妙に挙動不審になるからなぁ……。「良いじゃねえか、少なくとも有り得ねえ逸材だぜ?俺ぁギルドのSランクなんざ初めて見たな」

「それは、まあ…Sランクの持ち主なんて、学院でも1人だけでしたから」

 それは多分、名誉のSだと思うんだが?リーンの場合は実力でSだぜ?

「ある意味俺らのパーティーランクは良い誤魔化しになったな、独りきりでSランクってのは記憶が無い状態では負担にしかならんだろうからなぁ」

「それは、確かに……」

 Sランクともなると色々恩恵があるらしいが、その分厄介事が増えるのは目に見えてるしな。加えて、エルフって事自体が既に激しく有利不利のある種族だ。

 両方合わされば二重苦どころじゃねえぞ?

 

「んなワケでもあるし、もちっと軽く考えようぜ。気ぃ使うなら、リーンのフォローする方面で気ぃ使ってやれな?」

「…そうですね、つまらない事で悩んでました。…リーンさんには内緒にしてくださいね?」

「おう」

 言わねーよ、うっかり言ったら俺も恥ずかしさで悶絶できらぁ。

 

 

 ま、最終的に良い方にオチて来てくれればそれで良しでいいじゃねえか、なぁ?

 

 


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