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月の冒険譚  作者: 和音
第一章 新たなる世界
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村案内

「あれ、ここは?」

私が目を覚ますとよく分からない空間にいた。アンナの家で眠っていたはずだが、もしかしてまたどこかに飛ばされたのだろうか?周りは暗くてよく分からない空間だった。

魔物に気をつけながら私は暗い空間を歩いていく。アンナもいないしもしかしたら今までのことは夢だったのかもしれない。そう思うほどに真っ暗で不安になる空間だった。

「って、そこにいるのはもしかして女神様?」

私が周りを彷徨いていると女神様がどこからともなくやってきた。何故ここに女神様がいるのだろうか?

「ごきげんよう、月さん。いや、今はルナさんでししたか。」

私がルナと名乗ったことはすでに知っているらしい。

「こんにちは女神様。ここはどこなの?」

「ここはあなたの夢の中ですよ。私はルナさんが異世界でちゃんと生活できてるかが心配で仕方なくて。」

「まだ異世界にきて少ししか経ってないけど。」

「それでも私、心配で。」

その心配っぷりはまるでお母さんの様だ。どうしてそこまで心配するんだろうか?

「まあ、大丈夫だよ。なんとかなるから。」

「それならいいのですが。それと私のあげたスキルは活用してますか?」

「まだ使ってないよ。どんなスキルなの?」

「それは使ってからのお楽しみです。それでは引き続き異世界生活を楽しんでください。」

女神様は本当に不思議な存在だ。一体何者なのだろうか。

「そういえば女神様ってなんで私をこの世界に連れてきたの?」

「それは内緒です。しかし、いつか話す時が来るかもしれませんね。」

女神様はそう言うと、微笑みながらどこかに消えていく。相変わらず女神様は何を考えているか分からない。

「引き続き新しい世界を楽しんでください。それでは。」

女神様はそれだけ言うとどこかに消えてしまう。それと同時に私の視界もぼやけていく。結局何も分からないまま私の意識は無くなっていった。

「ルナさん、ルナさん起きてください。」

どこからともなく音が聞こえる。これはアンナの声だ。アンナの声を聞いて私は一気に現実に戻される。

「ふわー、おはよう。」

私が起きるとアンナは私に飛びついてきた。何かあったのだろうか?

「よかった、やっと起きましたね。心配したんですから。」

「あれ、もしかして私ずっと眠ってた?」

確かに昨日はいっぱい歩いて疲れたけどそんなに寝てたの?その割にはあまり疲れが取れてないんだけど。

「もう午後の一時ですよ。しかもルナさん、ずっとうなされていたので私心配で。」

そんなに眠っていたのか。あの神め。もし次夢の中に出てきたら文句を言わないといけない。

「ごめんアンナ、迷惑かけて。」

「いえ、無事目覚めてくださったのでよかっです。とりあえずご飯を作ったので一緒に食べましょう。」

「うん、じゃあ顔洗ってくる。」

「はい。では一階で待ってますね。」

アンナとは出会ってからお世話になってばかりだ。昨日だってふかふかのお布団で眠れて幸せだった。

私が顔を洗って一階に行くと食卓にはすでにアンナがご飯を並べて待っていた。そこには絶対に二人では食べきれない量のご飯が並んでいた。

「えへへ、いつもより多めに作っちゃいました。」

「うわあ、すごいね。どれも美味しそう。」

私の世界では食べたことない料理がたくさん並んでいて楽しみだった。

「はい、早速食べてください。ルナさんのお口に合えばいいんですが。」

私は早速ご飯を食べることにした。

私はアンナが作った料理を口に入れる。アンナは私が食べているところは恐る恐る見ていた。

「あの、お味はどうですか?合わなかったら食べなくてもいいので。」

「ねえ、この料理美味しすぎるよ!アンナって料理上手なんだね。」

アンナの料理はどれも美味しくて満足だった。食べたことのない味ばかりだが癖になるような味が多く、とても美味しい。これが異世界メシか。

「喜んでくれて何よりです。料理はもっとあるのでどんどん食べてくださいね。」

「そういえばアンナって一人暮らしなの?」

私はご飯を食べながらアンナと会話する。アンナのことをもっと知っておきたかった。

「いえ、妹がいますよ。今は病気で寝込んでますが。」

そう言えば昨日もそんなことを言っていた気がする。

「じゃあ、家事とかはアンナが全部やってるの?」

「はい、妹の世話をしながら家事もしてますよ。」

「そっか、アンナは偉いね。」

「いえ、そんなことないですよ。」

「いや、すごいよ。家事をしながら妹の看病もして。」

家事をしたことがない私にとってはとても凄いことだと思う。

「そ、そんなことより今日は予定とかあるんですか?」

私が褒めると、アンナは顔を真っ赤にして話を逸らす。

私は今日の予定について真剣に考える。

「うーんそうだなぁ、とりあえず村を巡ろうと思ってる。あとステータスとか知りたいなあ。」

私はすぐにでも自分のステータスが知りたかった。

「それなら私が案内しますよ。任せてください。」

「それは助かるよ。それじゃあ案内は任せるね。」

「はい。それじゃあご飯を食べ終えたら、すぐに準備して行きましょう。」

私とアンナで今日の予定について詳しく考えていく。

私とアンナはすぐにご飯を食べ終え、外に出ることにした。









私達は家を出てとりあえず村を回ることにした。

「最初はどこに行きますか?ルナさんの行きたい所に行きますよ。」

「うーん、そうだなぁ。最初はステータス画面を見てみたいかな。」

どんなステータスでも正直構わないがどうせなら強い方がいい。空とか飛べたら楽しそうだからそういった魔法が使えたらいいな。

「そうですか、それなら最初に教会に行きましょう。」

どうやら教会でステータスを測れるらしい。私とアンナはとりあえず教会に向かう。アンナが言うにはこの教会はかなり古くからあり、とても有名な教会らしい。教会に向かってる途中に村のいろんな人から見つめられてむずむずする。

「いろんな人に見つめられるんだけどなんで?」

「この村にはよそから人が来ることが滅多にないのでみんな物珍しさで見てるんでしょうね。あと、ルナさんはとっても可愛いですから。」

確かにこの森に来るまで草原しかなかったしここら辺は相当田舎なんだろう。そんな田舎に来る人がいないのも当然か。

「そっか、なんか恥ずかしいなあ。」

「まあ、害はないので大丈夫ですよ。」

「そうだけどさあ、やっぱ気になるよ」

そうは言われても周りの目線はどうしても気になってしまう。昔からこういった人の目線は恥ずかしいと思ってしまうのだ。

「まあ、すぐに慣れますよ。」

私達は人に見られながらも話しかけられることはなく、なんとか教会まで無事に着くことができた。

「ここが教会かあ。思ったよりも大きいね。」

「そうですね、ここの教会はかなり大きい方だと思いますよ。それでは入りましょう。」

私はアンナの後について行く。中では不思議な格好の人がたくさんいた。真っ暗な服に変な帽子を被っている。これが教会の正装なのかもしれない。

「失礼します。ステータスを測りたいのですが大丈夫でしょうか?」

私とアンナが尋ねるとかなり歳の取った老人がでてきた。

「おお、アンナよ。ここに来るなんて珍しいじゃないか。今日はどうしたんだ?」

「はい、ちょっとルナさんのステータスを見て欲しくて。」

アンナがそう答えると老人は私の方を見る。やはりこの村に人が来るのは珍しいことなんだな。

「おや、君は誰だ。この村では見ない顔だが?」

「えっと、ルナさんは私を助けてくれた恩人でステータスを知りたいとのことなのでここに来たんです。」

「なんと、アンナを助けていただいたは。そう言うことなら、喜んで歓迎しようじゃないか。奥の部屋に入ってスタッフのシスターに話しかけるといい。」

「ありがとうございます。それではまた。」

「ああ。それとアンナ、ナミの調子はどうだい?」

「ええ、まだ一応なんとかなってます。」

アンナはそう言って顔を暗くする。ナミというのはアンナの妹だろうか。

「そうか。まあ、困ったことがあれば私を頼ってくれ。」

それだけ言って老人は元いた場所に戻る。よく分からないが優しい人の様だ。

私とアンナはお辞儀をし、奥の部屋に向かう。

「あら?アンナがここに来るなんて珍しいわね。」

「今日はルナさんのステータスを見て欲しくて。」

「あら、あなたは?見たことない顔ね。」

「ルナです。ステータス画面を見たくて。」

「いいわよ。この水晶に手を翳してね。」

私は水晶に手を翳す。私が手を触れた瞬間、水晶は光だして何やら文字が映し出された。お姉さんは水晶に映し出された私のステータスを見て目を開く。

「嘘でしょ?そんなことあるの?」

「どうしたの?もしかしてすごい低かった。」

「いや違うわよ。これを見てよ。ありえないレベルでステータスが高いのよ。しかもスキル欄が全て???になってるのよ。」

アンナもそれを見てびっくりする。しかし私にステータスの凄さは分からない。

「こんなこと普通ないの?」

「ええ、普通はこんなことあり得ません。」

私はステータスをよく分からず疑問に思う。

「しかもレベル1でこのステータスって訳がわからないわよ。」

「この水晶が壊れてるとか?」

「いや、それはないと思うんだけど。貴方何者なの?」

シスターは疑いの目で私を見ていた。私が別の世界から来たということはあまり口外しない方がいいとアンナに言われたため、私は適当に誤魔化すことにした。

「まあ、とりあえずステータスが分かったから今日はいいや。ありがとう。」

よく分からないけど女神様は相当ステータスを高くしてくれてるみたいだ。あとはスキルについて知りたいかな。???と言われてもよく分からない。

「まあ、それならいいけどまた何かあったらここに来ていいからね。」

私達はお姉さんにお礼を言って外に出た。

「ふう。結局スキルの正体は分からなかったなあ。」

「でもステータスだけでも分かってよかったじゃないですか。それにしてもあんな高いステータスなんて

初めて見ました。道理であんなすごい魔法を放てるわけです。」

「うーん、まあいっか。それじゃあ次行こっか。」

その内分かるだろうし、今は楽観的でいいか。

「そうですね。それじゃあ次は服屋さんに行きませんか?」

「いいけどアンナ服買うの?」

「いや、私じゃなくてルナさんの服を買おうと思って。」

「いやいや、大丈夫だよ。私お金持ってないし。」

「いえ、お金は私が払いますよ。それにルナさん、この世界に手ぶらできましたよね。」

そう言われると確かに服とかは必要な気がする。だけどそれをアンナに払わすのも少し気が引ける。

「お金は心配しなくて大丈夫ですよ。それより早くお店に行きましょう。」

少しテンションの高いアンナに引っ張られ私はお店へと向かった。












店の中に入るとたくさんの服が並んでおり、私はとても悩んでしまう。

「ルナさん、この服着てみてください。後これも。」

さっきから私はアンナに言われた服を着続けていて着せ替え人形のようになっていた。

「うわあ、ルナさんがとっても可愛いからどの服も似合って迷います。」

私は興奮しながら服を選び続けるアンナを見てため息をつく。昔から私は親の決めた服しか着てなかったから服に興味はなかった。

「なんか、もっと着やすいやつないの?パーカーとかさ。」

「ぱーかーとはなんですか?」

どうやらこの世界にパーカーはないらしい。パーカーが1番着やすくて心地いいのに。

「どれにしようか迷います。どうしましょう?」

「あーもう早く決めてよ。私はどれでもいいからさ。」

私はそう言ったがアンナはあれからずっと悩み、最終的に三着も買うことになった。

「服を買ってくれるのはありがたいけど、三着も買わなくていいのに。」

「これは私がやりたくてやったことですから。それとルナさんがどの服も似合うのが悪いんですよ。」

それはあまりにも理不尽すぎる気もするがまあいいか。

「これでだいたい終わったけどもう帰る?」 

気づけばかなりの時間が経っており、とても楽しい一日だった。

「あの、最後に薬屋に行ってもいいですか。」

「うん、いいよ。」

私とアンナは薬屋に行くことにした。

「いらっしゃいませ。ってアンナちゃんじゃない。薬ならもう用意できてるよ。」

「ありがとうございます。これお金です。」

もしかしてアンナってこの村だとアイドル的存在なのだろうか?やたら話しかけられる気がする。

「それでナミちゃんは今どんな状態なの?」

「それがこの前から一回に飲む薬の量が増えてきて。最近は咳も多くなってるんです。」

「そっか、それはまずいね。」

お店の人の表情で妹の病気がどれほどのものかだいたい分かる。

私は悲しんだ顔をするアンナを見て助けたくて仕方なかった。

「ねえ、なんとかする方法はないの?」

「あら、あなたは?」

「私はアンナの友達だよ。いい薬とかないの?」

「まあ、あるにはあるんだけど。」

お姉さんは苦々しい顔をする。しかし私とアンナはそこに食いついた。

「ナミを助ける方法があるんですか?」

「教えてよ、お姉さん。なんでもするからさ。」 

私達が問い詰めるとお姉さんはため息を吐く。

「一応言っておくか。二人は神秘の遺跡って知ってる?」

私には分からなかったが、アンナは知っているのか驚いていた。

「ねえ、アンナ。神秘の遺跡って何?」

「えっと、この村のずっと奥にある遺跡でかなり遠い上に、かなりレベルの高いモンスターしかいないんです。それでたくさんの冒険者が死んでいるとか。」

どうやら相当危険な場所らしい。でも私はアンナの助けになりたかった。

「なるほど。それなら私が行くよ。そこにいけばアンナの妹の病気が治るんでしょ?」

アンナには助けてもらったしどうせ私は旅する予定だったから構わなかった。それに結構強いらしいし。

「あなた本気で言ってるの?普通の人には無理だよ。」

「大丈夫、私結構強いから。だから神秘の遺跡の場所を教えてよ。」

私がそう言うとアンナが止めに入る。

「ルナさんにそこまで迷惑はかけられません!」

「いいよ。アンナにはお世話になったし、困ってる人は見過ごせないから。それになんか楽しそうじゃん、誰も踏み入れない場所って。」

私は決めたんだ。自由気ままに誰にも邪魔されない旅をするって。私は本気の目で言うとアンナも覚悟した顔つきになる。

「それなら私も一緒に行きます。ルナさんだけには迷惑をかけられません。」

「でもアンナは攻撃魔法を使えないんじゃ?」

「回復魔法ならそれなりに使えます。絶対にルナさんのサポートをして足手纏いにはならない様にします。」

アンナは私を手を握って強い眼差しで私を見つめる。

最初は置いて行こうと考えたがアンナの熱意に負けた。

「まあ、そう言うことなら一緒に行こっか。」

私がそう言うとアンナは顔を明るくする。

「はい。頑張ります。私攻撃は出来ませんがサポートはかなり出来ますので。」

「それじゃあ最初は準備に取り掛かろっか。」

「そうですね。色々準備しましょう。」

私とアンナお互いに微笑み合う。

ここから私とアンナの二人旅が始まるのだった。

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