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月の冒険譚  作者: 和音
第一章 新たなる世界
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二人の魔人

「ハアハア、とりあえずここならバレないよね?」

「ああ、とりあえず次の作戦を考えるぞ。このままでは魔人にやられてしまう。」

何とかヴィースから逃げているがこのままではいずれ見つかってしまう。早くこの遺跡から出ないと行けないのにいくら探しても入り口らしき所が見つからなかった。

というかここがどこかも分からない。緊張のあまり視野が真っ暗になる。

「私達もうおしまいですよ。このままじゃ私達全員ここで死んでしまいます。」

アンナはすでに諦めており、正直私とキリノも死を覚悟していた。しかし、このままやられる訳にはいかない。いざとなったら前のように宝玉の力を使えばいい。

「二人とも諦めてはダメだ。とりあえずまだ進める道はある。魔人に見つからないように少しずつ進むぞ。」

私とアンナは静かに頷いて遺跡の奥へと向かっていった。正直この先に出口があるのか分からないし、どこかへ誘導されてる可能性すらある。

「どこにいる?早く出て来たほうが身のためだぞ。」

突然どこからかヴィースの声が聞こえる。しかし私達はヴィースの問いに答えることはなく、ただひたすらに走り続けた。

「そうか、ならこちらも力ずくでいくぞ。」

そう言ってヴィースが拳を振るった瞬間壁が全て吹き飛び私達の姿が露わになる。

「そこにいたか。早く宝玉は渡せ。」

「嘘でしょ?そんなことある?」

あまりの力技に開いた口が塞がらない。いくらなんでも強すぎる。これが力の魔人か。

「今なら助けてやると言ってるんだ。大人しく宝玉を渡したほうが身のためだぞ。」

「嫌だ。貴方達魔人の言うことなんて信じられない。」

どんな理由があってもこの宝玉は渡さない。これはロイドからもらった大切な宝玉なのだから。それに魔人の手に渡ったら大変なことになる気がする。

「そうかならここからは容赦はしない。後悔しても無駄だ。」

「それでも宝玉は絶対に渡さない。二人とも目を瞑れ。」

キリノは再び手榴弾を投げつけて辺りを爆破させる。すごい音と共に大量の煙で辺りが見えなくなった。というかなんでそんなに手榴弾を持ってるのだろうか?

「チッ、小賢しい。」

「二人ともまだ走れるか?ここからは全速力で行くぞ。」

キリノは私達の手を掴んで奥の入り口へと向かっていく。しかし私達の体力も長くは持たないしこのままじゃ全員殺されてしまう。

「このままでは埒が明かないですよ。爆弾も効いてないですし、やはり私達全員死んでしまいます。」

「アンナの言う通りだよ。こうなったら宝玉を使うしか。」

この状況をひっくり返せるのは宝玉しかない。宝玉に秘められた力をまだ理解してないがこの前もそれでどうにかなったしもう一度使うしかない。

しかし私が宝玉に力を込めようとした時、アンナが私の手を握った。

「それはダメです。宝玉にはどんな力があるか分かりませんから。」

アンナは必死に私の目を見つめて訴えかけてくるが死ぬよりはマシだと思う。他にこの状況を切り抜ける方法なんてあるのだろうか。

「そんなこと言ったてこのままじゃどうしようもないよ。」

しかしアンナには何か策があるようだった。

「それよりも今はもっといい作戦があります。キリノさん爆弾を上に投げてください。」

アンナの指示に従ってキリノは再び爆弾を取り出すと、今度はヴィースではなく天井へと投げつけた。

バゴーンと大きな音を鳴らして天井を崩すと、そこから大量の機械が現れる。

「カーーン」

機械はヴィースを見つけた瞬間すごい勢いでビームを放った。いくら魔人でもこの火力はかなり効くはず。

「ビンゴです。ここを守る機械なら魔人を放っておくとは思いません。今のうちに進みましょう。」

まさかさっきまで苦戦してた機械の力を借りることになるとは。これで少しは時間が稼げる。アンナはやはり頭がいい。

ヴィースが機械と戦ってる内に私達は奥の方へと向かった。

こんな所で絶対に捕まる訳にはいかない。




天使のような機械は無数のビームを力の魔人に放ったが、力の魔人には一切聞いておらず力の魔人の攻撃で天使のような機械は一発で壊れてしまう。

大量に現れた機械は全て壊れ、力の魔神だけがそこに立っているのだった。

「チッ逃げられたか。だがここまではあいつの作戦通りだ。魔王様の為に早く宝玉を奪ってやる。」











「えっとここは?」

私達はあれからとりあえず走って出口を探していたが気づくとよく分からない空間にいた。

神殿のような場所で奥には大きな木があり、とても神聖な場所のようだ。外見からは想像できないほどの広々とした空間に私は驚きを隠せない。これも空間魔法なのだろうか?

この先に道はなさそうだし、もしかしてここは行き止まりなのだろうか。

「なんだか神聖な場所みたいですね。とりあえず周りを探索してみましょう。何か手掛かりがあるかもしれません。」

このまま戻るよりはここにいたほうがいいと判断した私達はこの場所の探索をすることにした。ヴィースが来るまでに何かいい方法を見つけなくては。

私達は一番最初に目に入る大きな木を探ることにした。木には何か文字が刻まれており、もしかしたら何か大事なことが書かれている可能性がある。

「ねえ、ここ何か書いてあるけど二人とも読める?」

しかし私は木に書いてある文字が読めなかった。この世界の文字はなぜか読めるのだがこの文字は私の知らない文字のようだ。

「ふむ、これはおそらく古代の文字ですね。この大樹が月に照らされた時、大樹は剣となるだろうと書かれています。」

さすがアンナ。ここまで博識だと少し怖いまである。

「ですがこれが何を意味するかはよく分かりませんね。」

月の光って言うけど遺跡の中じゃ月の光なんて当たらないし、大樹が剣になるというのもよく分からない。

何かの暗号の可能性がある。

「うーん、よく分からないけどこれはそこまで重要そうじゃないよね?他に何かないかな。」

他にも何かないか探すが特に重要そうなものはなかった。これ以上通路もなさそうだしこのままではヴィースに見つかってしまう。

「何かいい方法があればいいのですがここには状況を返せるものはなさそうですね。」

「やはりあの魔人と戦うしかないのか?」

すでに諦めているアンナと銃を構えるキリノ。こうなったら私も覚悟を決めないといけない。

「待ってください。何か音がしますよ。」

私達が警戒していると入り口から何やら足音のような音が聞こえる。もうここまで来たのだろうか。私とキリノは戦闘体系に入る。

「あれ?お姉ちゃん達ここにいたんだね。」

しかしそこにいたのはヴィースではなく迷子になっていたソフィーちゃんだった。ソフィーちゃんが無事そうで良かったがなんでこんなところにいるのだろうか?ここまで来るのはかなり危険なはずだけど。

「ソフィーちゃん、ここまで無事でよかったよ。怪我はない?」

「うん、大丈夫だったよ。でも途中で巨大な人がいて怖かった。」

涙目になるソフィーちゃんをアンナは抱っこする。私達はとりあえず休むことにした。

ソフィーちゃんが言った巨大な人というのはおそらくヴィースのことだろう。おそらくヴィースはすでにこの近くまで来ているはずだ。

「ねえ、このままじゃどうしようもないよ。何かいい方法はないかな?」

私はアンナに助けを求めるがアンナも半分諦めたように首を横に振る。

「出口は見つからないですし、このままではおそらく魔人にやられてしまいます。」

「とりあえずこの部屋から出るしかなくないか?ソフィーと合流できたし薬草も手に入れた。後はここから出るだけなんだ。」

「キリノの言う通りだよ。とりあえずここから出て出口を探そうよ。」

残された時間は少ないがヴィースも私達を見つけるのに苦労してるはずだ。それならこんな所で止まってるよりは早く出口を探したほうがいいと思う。

「それもそうですね。今すぐにここを出ましょう。」

作戦会議も終えて私達はここを出ようとしたが入り口の前にはヴィースが立っておりすごい形相で私達を睨みつけていた。

「やっと見つけたぞ。覚悟しろ。」

これが絶望というやつか。

「さあ宝玉を渡せ。これ以上逃げ場はないぞ。」

「絶対に宝玉は渡さない。アンナ、ソフィーを頼む。」

キリノはヴィースに向けて銃を連発するがあまり効いてるようには見えなかった。キリノもヴィースの攻撃を交わしながら銃を撃ち込んでいるがこのままでは体力に限界のある私達が不利だ。

キリノに続くように私も炎の魔法で応戦するがやはり効いてる様子はない。このままでは私達が負ける。どこかで隙を見つけて逃げるしかない。

「そもそも何故そこまでして宝玉が欲しいの?」

「全ては魔王様の為。お前達人間には関係のないことだ。」

再び私に拳が迫ってくるが私は冷静に動きを読んで攻撃を全て交わした。一発でも当たったらダメという緊張感が私の動きをより洗礼させる。

私はこの状況でどうにかひっくり返せないか思考を巡らせた。魔人に弱点はないのか?どうにか隙を作る方法はないのか?考えても考えてもやはりいい策は思いつかなかった。

「お前の理由なんてどうでもいい。私達には関係のないことだ。」

キリノは再び爆弾のようなものを取り出して地面に投げつけると爆発ではなく大量の煙がでて周りが見えなくなる。

「ふん、また小道具か。小賢しい。」

「みんなまだ走る余力はあるか?今のうちに逃げるぞ。」

私達は今の隙にこの場から去ろうとしたが気づけば腹部辺りが血まみれになっており、私はその場で倒れるしかなかった。

「ルナさん大丈夫ですか?」

「え、どうして?なんで血が?」

突然の激痛に何も考えることができない。ただ痛みだけが私を襲う。状況を把握できずにいると私の目の前にナイフを持ったソフィーちゃんが現れる。

「アハっ、本当に人間ってバカで哀れよね。簡単にアタシのこと信じちゃってさ。」

ソフィーちゃんはそう言って私の手を足でぐりぐりと踏みつける。ソフィーちゃんがどうしてこんなことをしてるか分からない。

「ソフィーちゃん?急にこんなことしてどうしたの?早く一緒にここを出ようよ。」

私は苦痛のあまり顔をしかめるがソフィーちゃんは満面の笑みだった。

「残念、貴方はアタシの策にハマったのよ。アタシは知の魔人ソフィア。全てはこの宝玉の為よ。」

ソフィアは私の懐から宝玉を取り出すと再び私の手を踏みつける。まさか他にも魔人がいるなんて。

「そんな、信じてたのに裏切られるなんて。」

「アハっ、これだから人間ってば面白いわよね。もうアンタらに用はないわ。」

ああ、ここで私は死んでしまうのだろうか。私は私を覚悟したがその前にキリノがソフィに銃を構えた。

「うるさい。ルナから離れろ。」

キリノはソフィアに向けて銃を放つが、銃弾がソフィアにたどり着く前に全て凍って砕けてしまった。

「いいわ。アタシが相手してあげる。アタシ達魔人の力を味わうことね。」

「そうだ。お前ら人間に勝ち目はない。」

まさかこんな所で二人の魔人に会うとは。私は痛みと恐怖でその場に縮こまることしかできなかった。

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