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月の冒険譚  作者: 和音
第一章 新たなる世界
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予期せぬ展開

「おい、起きろ二人とも。早く起きてここを出るぞ。」

キリノに体を揺すられて目を覚ますとそこはよく分からない空間だった。とても近い距離にキリノの顔があってドキッとしてしまう。キリノはやっぱり顔がいい。

「ひえっ、急にどうしたの?」

私が慌てて離れると、キリノも動揺して私から離れる。キリノも顔が赤いし少し気まずい気分だ。

「ああ、すまない。二人が気を失っていたから顔色を伺おうとしただけだ。」

もしかして私また気絶してた?前回の月の塔と同じようなトラップにかかるとは少し恥ずかしい。

「それで、ここは一体どこなの?」

困惑を隠せない私に対してキリノはいつも通り落ち着いていた。

「ここは多分地下の遺跡だ。二人が気を失ってる間に少し周りを見てきたんだが魔物だらけでとても危険だ。何よりいつあの機械が現れるか分からないからな。」

私も周りを見回すが確かにとても暗く不気味な空間だった。そういえば天使のような機械に追われた後、突然床が開いて下に落とされたんだ。何で二度も罠にかからないといけないのか。

「んっ、もしかしてこれも魔人の罠なのかな?魔人は宝玉を狙ってるようだし。」

「どうでしょう、これは遺跡の罠の可能性もありますよ。それよりも今優先すべきはこの場所から脱出することです。」

「ああ、二人とも目が覚めたことだし早く作戦を練るぞ。」

ちょうど起きてきたアンナも話に加わり、私達はここから出るための策を練ることにした。早くここを出て薬草を取らねば。

「というかソフィーちゃんは?」

よく見るとソフィーちゃんだけこの場にいなかった。もしかして魔物に襲われたのだろうか。私の中に不安がよぎる。

「それが私が目を覚ました時にはもうすでにソフィーの姿はなかった。だから早くここを出てソフィーを探しに行かなければならない。」

「ええっ、あんな小さい子を一人にするなんて危険すぎます。早く見つけないといけませんよ。」

アンナの言う通り早く見つけないと危ない。ソフィーちゃんは今頃一人だし泣いてるかもしれない。早くここを出なきゃだがどうすればいいか分からない。

「とりあえず探索するしかないんじゃないか?私達なら大丈だろう。」

何という脳筋。だけどそれしか方法がない気もする。

「その通りですね。魔物に気をつけながら進みましょう。」

キリノは武器を持ち遺跡の奥へと進んでゆく。キリノは本当に頼もしくて助かる。

私達は暗い道を進みながら上に行くための通路を探す。流石にどこかに上に行く通路はあるはず。私達は通路を探すためにここら辺を探索する。

「それにしてもあの機械は何なの?突然襲ってきたけど。」

あの機械は明らかに私達を排除しようとしてたし、あれも魔人が仕掛けた罠なのだろうか。

「あれはおそらくこの遺跡を守るために作られた機械ですね。この遺跡に侵入してきたものを全て敵と見做して攻撃してくるんです。」

さすが何でも知ってるアンナ。こういう時はアンナが頼りになる。

「そもそもこの遺跡って一体何なの?魔物や仕掛けだらけだし怖いんだけど。」

「私も詳しいことは知りませんがこの遺跡は大昔の救世主が作り上げた遺跡らしいですよ。」

「はえー、また救世主関係の建物なんだね。」

塔といいこの遺跡といい救世主関係の物って多いんだな。それじゃあ塔と遺跡は何か関係があるのかもしれない。

「ここまで罠が仕掛けられるということはそれほどすごいものが隠されてるのか?」

「どうでしょうね。秘宝があると言うよりはこの遺跡自体が秘宝と言うべきですかね。」

「それってどういうこと?」

「さっきも言った通りこの遺跡は未知です。全てが謎に包まれているこの遺跡を守るために罠が仕掛けられているのだと思います。」

確かに周りを見ても独特な壁画や変な生き物など見たことの無いもので溢れている。そんな未知を守るための機械と言う訳か。私からすればいい迷惑だけどね。

「へー、そんな遺跡を作るなんて救世主はすごいね。」

救世主は魔人にも対抗できる人類にとっての要。それほどの実力者が作った遺跡と考えるとこれだけ罠が仕掛けられてるのも納得だ。

「ええ、ですが今の私達にとっては最悪ですけどね。今もそのせいで死にそうですし。」

アンナはとても絶望したような顔で空を見上げていた。何事かと思い見上げるとそこには先ほどと同じ天使のような機械がおり、私達を見て目を赤くしている。ああ、これはまずいな。

「ど、どうしよう、またさっきみたいに逃げる?」

「いえ、多分これ以上逃げるのは危険かと。」

私とアンナはパニックのあまり正常な判断ができずにいた。

「はあ、なら行くぞルナ。」

キリノは銃を構えて私も魔法を詠唱する。遺跡に来ても結局戦う目になるのか。

「カーーン」

天使のような機械の放つビームを交わしならが私達は攻め続ける。

「ルナ、この機械は火力は高いが動きは単調だ。敵の攻撃を避けつつこちらの攻撃だけ通して行くぞ。」

「うん、二人で合わせていこう。」

私が風魔法や水魔法で妨害しキリノはただひたすらに銃を撃ち続ける。キリノは冷静な判断で合理的な選択を取る。しかし一切攻撃が効いてる様子はなくこのままでは私達の方が先に体力が無くなってしまう。

これは何か裏があるはず。まず普通に倒すことは無理な気がする。というか今まで戦ってきた魔物と比べても明らかに強いしこの機械を作った救世主って何者なのか。

「ルナさん、キリノさん。多分あの天使は普通には倒せません。あの輪っかを狙ってみてください。」 

「分かった、それなら簡単だ。」

「カーーン」

「無駄だもう遅い。」

キリノはいつも通り静かに回り込むとそのまま何度も銃を撃ち込みヘイローを破壊した。あまりの速さに私は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。それにアンナの助言がないと危なかった。それにしてもアンナはなぜヘイローが弱点と分かったのだろうか?

「カラカラカラ。」

ヘイローの無くなった機械はボロボロと体が崩れて一瞬で動かなくなってしまった。機械の顔はぐちゃぐちゃでなんかグロい。

「やったぞ、本当にあそこが弱点とは。それにしても遺跡を守ってるだけあって本当に強いな。」

「二人とも流石です。このまま早くここを出ましょう。」

私達は上に繋がる廊下を探して再び行動に移る。しかし扉を開けた先に待っていたのは無数の天使のような機械だった。私達にとっては絶望でしかない。

「ど、どうしましょう。一旦逃げますか?」

「ああ、このままじゃまずいな。」

「うん。今すぐ逃げよう。」

アンナとキリノも冷や汗をかいてこちらを見つめてくる。いくら倒し方が分かってもこの数は無理だ。あの強さの天使がたくさんいるとなると今は逃げるしかない。

とりあえず私達は全速力で無数の機械から逃げるのだった。










「ふう、なんとか逃げきれたね。」

「もう疲れました。まさかこんなに敵がいるとは。」

私達は機械から逃げてよく分からないところまで来ていた。まさか機械がかなりの強さな上に、複数体いるとは思わなかった。神秘の遺跡は思った以上に攻略が難しいらしい。この遺跡を作った救世主は何者なのだろうか?

「おそらくあの機械は魔力で作られたものです。それをあの数、あの強さ、そして長い間維持させているということは救世主とはとんでもない強さを持っていたのでしょうね。」

私にはよく分からないがどうやら魔力であの機械のような生命体を作ることができるらしい。まあ、それ相応の魔力が必要なのだが。

「とりあえずこれで追ってはいなくなった。今の内に出口を見つけるぞ。」

私達はここがどこだか分からなかったがとりあえず敵のいない方向へと向かった。それにしてもここはさっきの場所より暗いし不気味だ。本当にこんな場所に出口があるのか不安でしょうがない。

「むっ、ここら辺は草木が多いな。もしかしたらここに薬草があるんじゃないか?」

確かにキリノの言う通り周りには遺跡なのに大量の草や木があった。まさか罠の先にこんな場所があるなんて思いもしなかった。

「ええ、今すぐ確認します。」

アンナは鞄から何かの本を取り出していつになく真剣な表情で薬草を調べていた。

これが私達の薬草なのか私はドキドキしながら見つめる。ただもしこれが本当に薬草ならこれで私達の冒険はおしまいだ。寂しいような嬉しいような何とも言えない気持ちになってしまう。ここまでの冒険はとても楽しくて二人がいなくなると寂しくなってしまう。だけどこれでアンナの妹が助かるならいいことだ。

「はい、間違いありません。これは正真正銘私達の探していた薬草です。」

どうやら本当に私達の求めていた薬草らしい。これで目的を達成されたし後はここから脱出するだけだ。意外と簡単なものだ。

「良かったねアンナ。これで妹を助けられるね。」

「はい、二人のおかげです。これでやっとナミの病気を治すことが出来ます。」

アンナは私達に抱きついて涙を流す。私もアンナが嬉しそうで良かった。

「本当によかったよ。みんなで頑張ったおかげだね。」

私達の誰か一人でも欠けていたらここまで来ることは出来なかったと思う。ここまで来れたのはみんなの力があったからだ。

「私も嬉しいよ。後はソフィーを見つけてここを出るだけだな。」

ここを出れば私達の目的は全て達成される。まあ、ここを出るのが難題なんだけど。

「とりあえず更に先へ進みましょう。必ず出口はあるはずですから。ってあれは?」

ここから出ようとした時突然大きな音が鳴り響き、天井が崩れて誰かが落ちてきた。この魔力の感じはまずい。嫌な予感しかない。

「やはりここにいたか。俺は面倒ごとは嫌いなんだ。さっさと宝玉を渡せ。」

突如私達の前に力の魔人ヴィースが現れる。やはりこの魔人は宝玉を諦めてはいなかったか。正直こんなところで会いたくなかった。早くここから逃げないといけない。

「宝玉は絶対に渡さない。」

「そうか、力ずくで奪うだけだ。」

ヴィースは一瞬で姿を消して私の前に現れる。私は感覚で何とか避けるがあまりの速さに私は死を覚悟した。

「ひっ、死ぬかと思った。二人とも早くここから逃げるよ。」

「ああ。二人とも下がれ。」

キリノは懐から手榴弾を取り出してヴィースに投げつける。キリノってばそんな物騒な物持ってたんだ。

手榴弾がヴィースに当たると同時にものすごい音と共に遺跡が爆発した。

「チッ、待て。」

「今の内だ。早く逃げるぞ!」

私達は全速力で走った。私達はここで死ぬわけにはいかない。とりあえず遺跡の出口を探しつつ、ヴィースから逃げる方法を探すしかなかった。

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