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月の冒険譚  作者: 和音
第一章 新たなる世界
16/24

目的地へと

「いやー、嬢ちゃん達のおかげで助かったぜ。まさか魔人と遭遇するとは思わなかったからな。」

あれから私達は数時間塔の中を彷徨って何とか出口に辿り着くことができた。それにしてもあの魔人は強いし塔の中は複雑だしもうクタクタだ。

「本当ですよ。まさかこんな所に魔人がいるとは思いませんでした。二人が無事か心配だったんですからね。」

アンナは涙目で私を睨んでくる。相当怒ってるようだ。アンナにその目で睨まれと私は何も言えなくなる。

それにしても力の魔人、あれは本当に強すぎる。今の私じゃ絶対に太刀打ちできないような圧倒的な力を持っていた。ありえない速度にありえない火力、キリノが来るのが遅かったら死んでいたかもしれない。そんな強さの魔人が後六人いるとなると恐ろしい限りだ。

「私も二人が心配で仕方なかったよ。とりあえずこれで神秘の遺跡に行けるね。」

これでやっと目的地である神秘の遺跡に向かうことができる。ここまで長かったがこれでアンナの妹の病気が治せる。私はここまでの旅に思いを馳せる。短いようで長いような旅路はいろんなことがあって本当に楽しかった。もちろん危ないこともたくさんあったが仲間がいたからここまで来ることができた。旅というのは本当に楽しく仕方ない。

「はい、遂にここまで来れましたね。ここまで来れたのは皆さんのおかげです。早く遺跡に向かいましょう。」

アンナはかなり緊張しているがまあここまで来れたんだし遺跡も楽勝だろう。私はアンナの腰に手を当てて優しく声をかける。

「大丈夫だよアンナ。私達は頑張ってここまで来れたんだし、私達ならこの先も余裕だよ。」

「ああ、私達が力を合わせれば何でも出来そうな気がするよ。」

「ふふっ、二人の言う通りですね。私も覚悟は出来ています。早く遺跡へと向かいましょう。」

そう言ってアンナは優しく私とキリノを抱きしめる。アンナの体はとても暖かくて安心する。まるでお母さんだ。

「私達は準備万端だがロイドはこの後どうするんだ?」

ロイドは私達の会話を静かに聞いてるだけだったがこの後どうするつもりなんだろうか?

「確かに。どうせなら私達についてきたら?」

ロイドがいたら心強いしどうせならきて欲しかったがロイドは首を横に振った。

「いや、俺はやめとく。まだ、仲間の遺品を回収してないからまた塔に登って回収したいんだ。それとこれはルナにやるよ。」

ロイドが何かを渡してくるから何かと思えば月の宝玉だった。

「いやいや、そんな物貰えないよ。だって最初に見つけたのはロイドだからロイドの物だよ。」

ロイドは私に宝玉を渡してくるがこんな貴重すぎる物貰えるわけない。それに私が宝玉を持ったらなんか光始めるし。私が持ったら変な厄災が起こるかもしれない。

「いや、俺が持ってても意味ないしこれはルナが持っておいたほうがいいと思ったんだ。だから貰ってくれ。」

「いやいや、これはロイドが仲間と一緒に登って手に入れた物なんだから私は受け取れないよ。」

「いいから持ってけって。それよりお互い時間がねえしここらでお別れだな。」

ロイドは無理やり私のバックに宝玉を詰めるとそのまま塔の方へ向かう。強情だけどそういうことなら大事に持っておこう。それにしてもロイドとは短い間だったけどこうやって一緒に旅ができてよかった。

「分かったよ、だからまた今度絶対に会おうね。死んだりしたらダメだからね。」

私はロイドは睨みつける。ロイドはすぐに死のうとするからヒヤヒヤするよ。

「そうですよ。ロイドさんは命を軽く見ないでちゃんと長生きしてくださいね。」

アンナも私同様睨みつけてロイドは何とも言えない顔になる。

「悪いな、そこはちゃんと気をつけるよ。嬢ちゃん達こそ遺跡は危険なんだからなんかあったらすぐに引き返せよ。」

「もちろんだ。次会う時まで私達は死なないようにするさ。」

「ああ、お互い無事なことを祈るぜ。それじゃあ俺はもう行くから嬢ちゃん達も気をつけてな。」

私達は別れの挨拶をしてそれぞれの目的地へと向かった。ロイドは塔に私達は遺跡へとお互いの目的のために次へと進む。どうかロイドとはまたどこかで会えますように。

「それじゃあ、神秘の遺跡へレッツゴーだね。」

「はい、急いで向かいましょう。」

「ああ、ワクワクしてくるな。」

私達は覚悟を決めて神秘の塔へと向かうのだった。












「ふいー、もう疲れたよ。早く遺跡につかないかな。」

塔からかなりの距離を歩き私はすでに限界だった。ここら辺は魔物も多いからかなり疲れる。

「もうすぐ着きますから頑張ってください。それともっと引き締めていかないと危ないですよ。」

アンナは呆れた様子で私を見るが疲れるものは疲れるんだもん。

「アンナの言う通りだ。ここから先は命に関わるからな。」

「それはそうだけど流石に疲れたよ。」

「ほら、見てください。あれが神秘の遺跡ですよ。」

私がぶつぶつと文句を言っていると大きな遺跡が見え始める。あれが神秘の遺跡か。思ったより大きいしなんか神々しい遺跡だ。

「うわあ、なんか大きいしすごいね。」

「ここの中に薬草があるんだな。それにしてもアンナが探してる薬草ってどんな物なんだ?」

よく考えてみればアンナの妹の症状とかよく分からないし薬にどんな効果があるかも聞いていなかった。でも遺跡にある薬ということはかなりすごい物なのかも。

「神秘の遺跡には数百年に一度生える木があると言われています。その木の葉っぱを食べたものはたちまち元気になるそうですよ。」

「それが私達が探してるものなんだね。」

「はい、それゆえに神秘の薬と言われていますね。そもそもこの遺跡にはたくさんの未知なものがあります。だからこの遺跡は神秘の遺跡と呼ばれているんですよ。」

アンナは神秘の遺跡についてわかりやすく説明してくれる。未知なものと言われるとどうしても少しワクワクしてしまう自分がいる。

「なら早く遺跡の中に入ろうよ。私、楽しみで仕方ないよ。」

「ですからルナさんはもっと危機感を持ってください。さっきも言った通りここには未知の生物もたくさんいます。気を引き締めていかないとどんな目に遭うか分かりませんよ。」

「本当にルナは能天気だな。ってあそこに誰かいるぞ?」

キリノの指差したところには小さな女の子がおり、何やら泣いている様子だった。何でこんなところに小さい子が?とりあえず私達は小さな女の子に優しく話しかけた。

「ねえ君、こんなところでどうしたの?」

「うぅ、お姉ちゃん誰?私迷子になっちゃったの。お母さんに早く会いたいよう。」

小さな女の子は涙目で私をじっと見つめる。周りをみるが人らしきものはいなかった。女の子は綺麗な白髪に赤と青の目のいわゆるオッドアイでとても可愛らしい女の子だった。とりあえず私は落ち着かせるために優しく声をかける。

「私はルナ、この遺跡に旅しに来たんだ。もう泣かないで、私がお母さんを探してあげるからね。それと名前を教えてもらえるかな?」

小さな女の子はつぶらな瞳で私を見つめる。こんな可愛い子をここに置いてくとはどうなっているのか。

「うん、私はソフィー。昨日からお母さんにここで待っといてって言われたけどお母さんが全然帰ってこないの。うわーん。」

ソフィーちゃんは突然泣き始めると私に抱きついてくる。

「大丈夫ですよ。お母さんは迷ってるだけで必ずソフィーちゃんの元へ帰ってきますよ。」

再び泣き始めるソフィーちゃんをアンナは優しく慰めるが正直な所ソフィーちゃんは親に捨てられたんじゃないだろうか。まあ、そんなこと本人の前じゃ言わないんだけど。

「それは大変だったな。だがどうする?このまま置いていく訳には行かないがこの子を遺跡に連れていくのも危ないぞ。」

キリノの言う通りソフィーちゃんを危険とされる神秘の遺跡に連れていくのは危ない気がする。どうしたものか。

「嫌だ、私一人になりたくない。お姉ちゃん達について行きたい。」

駄々をこねるソフィーちゃんに私達はどうしたらいいか分からなくなる。

「ですがここから先は危険なんです。どんな魔物が現れるかも分かりませんし。」

「私これ以上一人になるのは嫌だよ?お願いお姉ちゃん。」

そんなに可愛い顔でねだられるとどうしても断れない。まあ、一人にするよりは私達と一緒にいた方が幾分かマシかもしれない。遺跡の外だって決して安全な訳じゃないし。

「そう言うことなら一緒に行こう。だけど絶対危ないことはしないでね。」

「うん、ありがとうお姉ちゃん。」

「いいのか?ここから先は危険だぞ。」

「そうですよ!ルナさんはいつも楽観的なんですから。」

二人に攻められるがこうするしかないじゃん。こんな可愛い子を一人にしておく方が危険だ。やっぱり小さい女の子は可愛いな。

「はあ、しょうがないですね。そう言うことなら全力で守りますよ。」

「ああ、私達が守るから早いところ薬草を取って撤収しよう。」

「そうだね。それじゃあ早速遺跡の中に入ろうよ。」

「やったあ、私楽しみだな。」

何とか二人にも許可を貰えたことで私達はソフィーちゃんを守りながら遺跡へと入るのだった。それにしても遺跡はとても大きく神秘的で私は少し緊張していた。










「えへへ、アンナお姉ちゃん大好き。」

「ふふっ、そんなにくっ付いたら歩きづらいですよ。」

「むっ、私にくっついてもいいんだよ。」

私はソフィーちゃんを抱っこしようとするが一切アンナから離れようとしない。アンナってば何て羨ましいのだろうか。

「アンナお姉ちゃんの方がいい。」

ソフィーちゃんはそう言ってずっとアンナにくっついていた。アンナは確かにお母さんみたいに優しいけど少しは私にくっついてくれてもいいのに。

「それにしてもここが神秘の遺跡か。思った以上に大きいな。」

キリノは私達の会話を無視して遺跡の周りを調べていた。キリノは子供に興味ない感じなのかな?

神秘の遺跡は想像してたよりも暗くとても大きな場所だった。月の塔もだけど明らかに外で見たより広いし何か魔法でもかけられてるんだろうか?とりあえず私達は炎魔法で周りを明るくして進んで行くがこの広さだとかなりの時間がかかりそうだ。薬草がどこにあるか具体的な場所も分からないし一つずつ探していかないといけない。

「本当ですね。早く見つかるといいのですが。もし見つからなかったらどうしましょう。」

アンナは不安そうな顔をするが私はアンナの手を握ってアンナを見つめる。アンナとはここまで頑張ってきたんだし今更諦める何て選択肢はない。

「アンナ、私達なら絶対に見つけれるよ。そのためにここまで頑張ってきたんだから。」

「ああ、私達みんなの力でここまで来たんだから臆することはないぞ。」

アンナとキリノと私の三人で手をかざした。二人といると何でもできる気がした。

「ふふっ、二人は本当に頼もしいですね。二人がいてくれて本当に良かったですよ。」

「ああ、私達は仲間だ。」

「うん、だから後少し頑張ろうよ。」

私が見つめるとアンナも恥ずかしそうに、だけど覚悟は決まったようなとてもアンナらしい表情をしていた。私もここまでこれて本当に嬉しいしここまでの道のりは本当に楽しかった。まあ、かなり大変な目にあったんだけど。

「それじゃあ最初はあちらの通路を行きましょうか。」

「うん、それじゃあそっちから探そっか。」

遺跡の中にはたくさんの通路があったが最初は一番右の通路から行くことにする。

「待て、気をつけろ何か来るぞ。」

私達が遺跡の奥へと向かおうとした時ガシャンガシャンと何やら機械のような音がする。これは一体何なのだろう。

「とりあえず何かが来てもいいように身を守りましょう。」

「うん、ソフィーちゃんは私の後ろに隠れてて。」

「う、うん。」

私達が警戒していると突然空中から機械のような見た目の天使が現れる。天使のような機械は私達を見つけると目を赤く光らせビームのようなものを放ってくる。

「カーーン」

「うわあ、突然何?これは一体何なの?」

私は間一髪でビームを交わしたが当たっていたらひとたまりもなかった。機械っぽいがこれも魔物なのだろうか?

「多分ですがこの遺跡を守るガーディアンでしょう。今戦うの危険です。とりあえず逃げましょう。」

「ああ、今すぐ逃げるぞ。」

キリノは機械に向かって何度か銃を打つがあまり効いてる様子はなかった。

「キリノさん、この機械は魔力を吸収します。今は攻撃しない方がいいです。」

私はソフィーちゃんを抱っこして機械の天使から逃げる。

「ヴィーーン」

私達は全速力で逃げるが天使のような機械は私達をずっと追いかけてくる。このままじゃキリがない。私達は急いで奥の部屋は入ろうとした。

しかし、そう思った瞬間突然床が開き私達は下へと落とされる。またこれ?この展開前もあったと思うんですけど?

私達は再び遺跡の奈落の底へと落とされるのだった。

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