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月の冒険譚  作者: 和音
第一章 新たなる世界
14/24

離れ離れ

「ここの扉の先がボスモンスターのいた場所だ。何があるか分からないから注意しろよ。」

私達は塔を登りあと少しの所まで来て体を休めていた。ここから先は何があるか分からないから気を引き締めていかないといけない。

「もちろんだ。準備はとうにできているぞ。」

「それなら今から扉を開けるからな。覚悟しろよ。」

ロイドはそう言ってドアを開ける。私は覚悟を決めて部屋の中へと進んだ。

「むっ、何もいないな。拍子抜けか?」

私達は覚悟を決めて部屋に入るがそこにはモンスターなどいなくただポツンと土台があるだけだった。とりあえず何もいなくて安心する。

「まあ、ボスモンスターは前来た時に俺たちが倒したしな。ボスがいないなら宝玉を返してこの部屋を出ようぜ。」

ロイドは台座に近づくとポケットから宝玉を取り出した。しかしロイドが宝玉を土台に戻そうとした瞬間、突然背後から寒気がする。今までのモンスターとは比べ物にならない気配にゾッとする。

「ルナ、危ない。」

キリノはそう言って銃を撃ち、部屋中にパンッと大きな銃声が響き渡った。私はびっくりして後ろを見るとそこには大きなドラゴンがいた。これがロイドの言っていたドラゴンか。

「嘘だろ?あのドラゴンは俺達で倒したはずだが。」

ロイドはドラゴンを見て絶望する。ドラゴンは巨大なな口から炎を放つが私とキリノは同時に魔法を放ち防いだ。早くこのドラゴンを倒さないとまずいことになる。

「大丈夫ですかルナさん?」

「ぐっ、このままじゃまずいよ。」

さっきはなんとかドラゴンの攻撃を防ぐことができたが動きが早く少しでも当たったらただじゃ済まなそうだ。

というかキリノが銃を撃ったはずだが効いてる様子はなくピンピンしていたしこのドラゴンかなりの強敵だ。

「ロイド、守りをお願い。みんなでやれば勝てるはずだから。」

「お、おう。嬢ちゃん達も絶対に死ぬなよ。」

「もちろんだ、行くぞルナ。」

ロイドは守りの体制に入り、私とキリノは攻撃の体制に入る。後ろではアンナが回復してくれるから準備万端だ。

「グギャア。」

ドラゴンは炎を吐くがロイドが炎を受け止め、その間に私の炎とキリノの銃でドラゴンを攻撃する。

「ギュルァァァ。」

「なっ、効いてねえのか?」

しかしあまり攻撃は聞いていないのか変わらず炎を放ってくる。

私はドラゴンの攻撃を全て避けて、もう一度全力で魔法を放った。

「グギャア。」

しかしドラゴンの攻撃が止まることはなくこのままでは私達の体力の方が先になくなってしまう。

「このままじゃまずいよ。どうにか方法はないの?」

「一つだけあるぜこの状況をひっくり返すアイテムがな。」

ロイドはそう言ってポケットから宝玉をだす。

「それって宝玉?」

「ああ、宝玉にはとてつもないパワーが秘められていると聞く。これを使えばもしかしたら。」

「いけません!宝玉はあまりにも未知の力です。何が起こるか分からないのに使うのは。」

「いや、今はこれしかねえ。」

アンナは止めようしたがロイドはそのまま宝玉使った。すると突然ドラゴンが巨大な光に包まれもがき苦しむ。そして私とキリノはその瞬間を見逃さなかった。

「ギュルァァァ。」

「今だ。行くぞルナ。」

「うん、任せて。」

私はキリノと共に再びドラゴンに特攻する。私の炎とキリノの銃が何度もドラゴンを攻撃する。先ほどまでのドラゴンとは打って変わって私達の攻撃にもがき苦しんでいた。私はドラゴンの体全体を燃やし尽くしてキリノは頭部を何度も銃で撃ち抜いた。 

「ギュアァァァ。」

するとドラゴンは大きなない声と共にドサッと倒れる。まさか宝玉にはこれほどの力があるとは。

「すごいです。これが宝玉の力なんですね。」

戦いが終わるとアンナはすごい勢いで私に抱きついてくる。アンナの手はものすごく震えていたし怖かったんだろうな。

「おいおい、まさかこんなにうまくいくとはな。後はこの宝玉を戻して帰るぞ。」

ロイドは宝玉を見せびらかして豪快に笑う。本当に宝玉がなかったらどうなっていたことか。

しかしロイドが宝玉を戻そうとした時、突然の揺れが私達を襲った。グラグラと揺れが起き私は立つので精一杯だった。まさか新しい敵でも来るのだろうか?

「なんだこれは。新たな敵か?」

「とりあえず気をつけろよ。何何起こるか分からねえからよ。」

私達が警戒していると突然この部屋の床が空き、私達は下へと落ちていった。突然の出来事に私は何も考えれなくなる。

「きゃあ、誰か。」

「大丈夫かアンナ?私が助ける。」

私達四人はどんどん下へと落ちていく。嘘でしょ?このままじゃ落下して死んでしまうんだけど。まだやりたいことたくさんあるのに。

「おい、嬢ちゃん俺の手を掴め!」

私が何も出来ずにいるとロイドが私に手を差し出した。よく分からないがとりあえず私はロイドの手をぎゅっと握りしめる。そうだ、私はまだこんな所で死ぬわけにはいかないんだ。

しかしそこで私の意識は途切れるのだった。









「ん、ここはどこ?」

私が目を覚ますとそこは大きなダンジョンのような場所だった。そうだ、確か私は落下した時ロイドの手を掴んですぐに気絶したんだった。

「やっと起きたか。痛むところはないか?」

辺りを見回すとロイドが私を守るように横にいた。もしかして私が気を失ってる時ずっと守ってくれたのだろうか?

「怪我とかはないよ。それよりここは一体どこなの?」

とりあえず私はここがどこか知りたかった。あまりに暗くて不気味で不安になる。

「それが俺にも分からねえんだ。こんな場所に前は来なかったからよ。」

私はここが一体どこなのか知りたかったがロイドもここがどこかは分からないようだ。

「というかなんで私達は助かったの?それにキリノとアンナはどこにいるの?」

周りを見ても二人はおらず私は心配で仕方がない。

「落下する直前に俺の防御魔法で衝撃を弱めたんだ。それと落下した時に二人はいなかったが大丈夫なことを信じようぜ。とりあえず今はここを出ること優先だ。」

私は二人が心配で心臓バクバクだがキリノがいるし大丈夫なことを信じよう。それよりもここから出れるかが心配だ。

「どうやってここを出るの?」

「ああ、大分深くまで落ちた見たいでかなり上らないといけないがとりあえずはあっちの道を進んでいこうぜ。」

ロイドが指差したところには階段があり、それ以外に通路らしきものは無かった。上を見る感じ割と上らないと行けないようで嫌になる。

「そういうことならすぐにここを出よう。早く二人と合流したいし。」

「ああ、今すぐ行くぞ。」

私達は気合いを入れて階段を登り始めるのだった。










「それにしてもなんで突然地面に穴が空いたんだろう?訳が分からないよ。」

唐突に奈落に落とされた私は目的地を探しながらもブツブツと文句を言う。せっかくドラゴンを倒せたのにこんな罠があるとは思わなかった。

「それは多分この宝玉を使ったからだろうな。」

ロイドはそう言って宝玉をポケットから取り出す。確かにさっきよりも光が薄い気がする。

「宝玉ってそんなに危険なものだったの?」

「ああ、俺も宝玉の力は知らなかったがここまでとは思わなかったな。まあ宝玉のおかげでドラゴンを倒せたんだからいいじゃねえか。」

確かに宝玉に助けられたけどそのせいで今私達は苦労してると考えたら何とも言えない。それに宝玉がこれほどの力を持っているなら早いうちに元の場所に返さないともしかしたらもっと酷い目に遭うのかもしれない。

「それとあのドラゴンが復活してたのも気になるんだよな。間違いなく俺らが倒したんだけどな。」

ロイドはそう言って頭を悩ませる。いくら不思議な塔とはいえ一度倒した生き物が復活するなんてことあるのだろうか。そういう生態のドラゴンという可能性もあるが。

「別のドラゴンとかじゃなくて?」

「いや、あれは間違いなく俺らが倒したドラゴンだ。もしかしたら誰かがドラゴンを復活させたのかもな。」

「そんなことできるの?」

「本来は無理だがかなりの実力者であればいけるんじゃないか?もしかしたらこの塔にはあのドラゴンよりもヤバいのがいるのかもしれねえ。」

一度死んだ生物を生き返らせるなんてかなり無法だと思うのだけど。それにあのドラゴンよりもヤバい存在など考えたくもない。

「それにしてもロイドはよくこの塔から生きて帰れたよね。ロイドってすごく強いんだね。」

私は褒めたつもりだがロイドは黙って何も言わなくなってしまった。もしかして変なことを言ってしまったのだろうか?

「いや、俺は強くねえよ。強いのはあいつらで俺はただ仲間を守るだけだ。」

「でも、ロイドはタンクとしてすごい優秀だよ。」

「どんなにつよいタンクでも仲間を守れなきゃ意味ねえんだよ!」

「・・・ロイド。」

声を荒げるロイドに私は何も言えなくなる。だってロイドはずっと苦しい思いをしてきたのだろうから。今の私が何を言ってもロイドには響かないと思う。だけどロイドは強いしそれは誇ってもいいとは思う。さっきだってロイドがいないと死んでたかもしれない。

「悪い、ルナには関係なかったな。全部俺が悪いんだ。」

「やめて、そんなこと言わないでよ。自分をあまり責めないでよ。」

ロイドは自分が思うよりずっと強い。だからそんなことは言わないで欲しい。

「すまない、だがあの日仲間を失ってから俺は怖くて仕方ないんだ。ずっと自分を責め続けたし、死にたいと思ったことは何度もある。俺はこれ以上何かを失うのが怖いんだ。」

だからロイドは塔に一人で行こうとしてたのか。もしかしたら本当はあそこでみんなの後を追うつもりだったのかもしれない。

「大丈夫だよ。ロイドは強いし私達だって強いんだから。みんなで守り合えばいいんだよ。」

私達は仲間だ。みんなで守り合えばより最強なんだから。

私が真剣な眼差しでロイドを見つめているとロイドの顔が次第にいつもの表情になっていく。

「ハハっ、本当にルナは面白えな。確かにルナの言う通り俺は考えすぎなのかもな。」

ロイドが笑ってくれてよかった。ロイドとは出会ったばかりだけどそれでもすでに大切な仲間だ。

「そうだよ。だから今は余計なことなんて考えなくていいよ。」

「そうだな。こっからは大急ぎで向かうぞ。」

ロイドは再びやる気に満ちた顔をなり階段を進み始める。ロイドが戻って本当によかった。

宝玉を戻して二人と合流して早くこの塔を出てみせる。









「ん、ここはどこでしょう?」

私が目を覚めるとそこはよく分からない遺跡のような場所だった。確か私は塔から落ちたはずだけど怪我は一切なく周りには誰もいなかった。他のみんなが無事ならいいのですが。

「ああ、やっと起きたか。怪我はないか?」

私があたりを見回してると入り口のような場所からキリノさんが出てくる。キリノさんは足と腕が怪我しており少しよろけていた。私は急いでキリノさんの元へと向かった。

「キリノさんこそ怪我してるじゃないですか。何かあったんですか?」

「ああ、私達が穴に落ちた時アンナを抱えてなんとか着地することができたがその時に少し怪我してしまったんだ。まあこれくらい大丈夫さ。」

キリノさんは平気そうな顔をしているけどこの高さから私を抱えて降りたならかなり痛いはず。私を庇って怪我したことに私はモヤモヤとする。

私はキリノさんの言葉を無視して無理やり服を脱がして回復魔法を唱えた。

「お、おい。別にこのくらいの怪我は大丈夫だ。それに少し恥ずかしいぞ。」

キリノさんは顔を赤くしてもじもじするけど私は無視してキリノさんの体を治した。とにかく大切な仲間に怪我を負ってほしくなかった。

「関係ありません。怪我人は黙っててください。私を庇って怪我をしたなら尚更ですよ。」

私が回復魔法を唱えるとキリノさんの傷は徐々に消えていく。深い傷じゃなくて安心する。

「すまないな。アンナは本当に回復魔法が得意だな。」

ルナさんやキリノさんは危機感が欠如してると思う。二人とも若くて可愛いのだからもっと体に気を使うべきなのに。それに人は一度死んだらおしまいだ。本当は軽々しく魔物とも戦わないで欲しい。

「それとここはどこなのですか?ルナさんとロイドさんがどこにいるのかも分かりません。」

周りを見渡してもルナさんとロイドさんの姿はなかった。あの二人も危ないところがあるからちゃんと無事か心配だ。やはり月の塔はあまりにも危険な場所だから早く出なければいけない。

「私達はかなり深くに落とされたようでここはおそらくこの塔の最深部だろう。周りを少し探索したが通路は一つしかなく、あそこを進むしかないようだ。」

キリノさんが指を指したところは確かに通路がありそうでそこを登れば上に行けるようだった。まあ、罠の可能性もあるけど。

「あと、二人のことも探したが見つかりはしなかった。とりあえず今は二人で探索しよう。」

キリノさんはそう言って立ち上がると私に手を差し出した。キリノさんはかっこよくて本当に立派な人だ。私もキリノさんやルナさんのようなカッコよくて逞しい人になりたい。

私はキリノさんの手を掴んで立ち上がる。私は絶対にみんなを死なせない。もう二度と人の死ぬとこなんて見たくないから。

「はい、急いで二人と合流してここを出ましょう。ここはかなり危ないです。」

勘だがこの塔にはあのドラゴンよりヤバい何かがいる気がする。

「そうだな、私が先に進むから私の後をついて来い。」

そう言って走るキリノさんをわたしは後ろから追いかける。もしキリノさんとルナさんが酷い目にあったら私は絶対に耐えられない。

だって二人は私の恩人だ。私の妹は体が弱く医者も私も少し諦めていた。なのにルナさんは危険な旅に恐れることなく私の妹のためにここまで来てくれた。二人は私と一緒に旅をしてくれて私にいろんな景色を見せてくれた。ルナさんとキリノさんはいつも私を守ってくれたからそんな二人を私も守りたいと思った。

だから二人が傷つくなんてそんなの私は耐えられない。

「アンナ、危ない!」

「きゃっ。あれは。」

私達が階段を登っていると大量のコウモリのようなものが私達に襲いかかる。まずいこのままじゃやられてしまう。

私は思わず目を瞑ったが体に苦痛が走ることはなかった。恐る恐る目を開けるとそこには大量のコウモリの死体があった。そこには銃を構えるキリノさんの姿があった。

「アンナには指一本も触れさせない。」

なんとキリノさんが私を守ってくれていたのだ。あまりにカッコよくて少しドキッとしてしまう。

「あ、ありがとうございます。キリノさんは本当に強いですね。」

「ここは敵がかなり強いようだ。ここからはお互い守りながら行くぞ。」

キリノさんは本当に頼もしい。この調子で二人に合流して早くこの塔を出てしまいたい。

私は覚悟を決めて階段を登り続けるのであった。

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