#11 砥石...種類多くね?
更新途絶えており申し訳ありませんでした。
私自身、”小説を読もう”作品が好きでして、好きな作品の連載再開に気を取られてしまいました。orz
これからも不定期になるかもしれませんが、なるべく週2話ぐらいのペースで進められたらと思います。
一気に読みたい!という思ってくださる方がおられましたら、半年後ぐらいにまた見に来てくれる嬉しいです。
(物語の展開自体も、結構ゆっくり?書いていく予定ですので、、、展開が遅いのはウケが悪いですかね?)
「水減し?」
「それは後から見せながら説明するわい。じゃ早速お前の研ぎを見せてもらおうか。昔、店で仕込んでやってからしばらく見てねぇからな…サボってねぇかお手並み拝見だな」
鍛鉄は真剣な雰囲気から一転して少しおどけた雰囲気を出した。
鋼太が5つの頃、『店を継ぎたい』と言い出した。いつかはそうなって欲しいと考えていた鍛鉄ではあったが、簡単な世界ではないので自分から勧めることはなかった。それなのに、だ。
当然踊り出したいほど嬉しかったが所詮は子供言葉。軽く流していたのだが中々諦めない様子だったため、5年ほど経った時に研ぎ方だけは店で仕込んでいたのだ。
「…なんかじっちゃんの前で改めてやるっていうのも緊張するな。ちなみには道具はどこにあるんだ?」
「研磨に使う道具は大体ここだな。好きな様にしていいぞ」
そう言いながら指差した先に馴染みのある道具ばかりがあり…でもなかった。砥石の中に、その辺の石を切り出した様な見た目をしているものが多くある。
「じっちゃん、砥石に番号書いてねぇのもあるんだけど。素材もその辺の石みたいな感じだし、なにこれ」
「あぁ、そうだったな。お前には天然砥石を使わせたことなかったなぁ。砥石は表面の粒度毎に種類があるのは知ってると思うが、その前段階に大きく分けて2種類の砥石が存在する」
「2種類?」
「"天然砥石"と"人造砥石"だ。天然砥石は地表から切り出しただけのもので、1つとして同じものは存在しないと言って良いほど品質にばらつきがあるのが特徴だな。人造砥石はお前さんが使い慣れてるやつだからな、説明はいらねぇだろう」
いくつかの砥石を一緒に触りながら、見た目の観察、表面の滑らかさや粒子の細かさなどを説明する鍛鉄。
「若干指の引っかかり方が違う気がするけど…あんま分かんねぇや。いきなりこれを使って見ろってこと?」
「いや、使いたかったら止めはしねぇが、使い慣れてる普通の砥石でいいだろ?道具に使われてるウチは一人前じゃねぇよ」
そう言いながら引き出しを漁っていた鍛鉄が、一本の古い包丁を取り出し机の上に置いた。
「研いでもらうのはコイツにするかね。むかーし昔のご先祖様が鍛えたと言われている包丁だが、持ち主が死んじまって引き取り手がいなかったやつだ。
今で言うところの刺身包丁に近いが…身幅が厚めだな」
「うげぇぇぇ。刺身包丁あんまり好きくないんだよな…。刃を研げばいいってだけじゃなく、刃全体もバランス良くカッコよく仕上げなきゃいけないし...」
「おぉ、よく覚えてるじゃねぇか。まぁ元の形さえイメージできてりゃ、どんなモノでもやることは一緒だ。いかに均一、無駄なく力を入れないか。余計なとこを削ら…」
「わーってるって。無駄に削ると寿命が縮む、慎重にな、だろ?」
その言葉を聞いた鍛鉄はニヤッと笑う。
鋼太は手際よく桶に水を張りながら、鍛鉄から受け取った包丁を鞘から抜いて状態を確認する。少し錆びているのを確認し、粒度の異なる4種類の砥石を水の中に沈める。
砥石から気泡が出なくなったのを確認しながら、座布団を用意したりタオルを準備したりする。
準備が完了したところで、1番荒い砥石を設置しその上に獲物を乗せる。
「刃は意外と鋭いんだけど、意外と錆びてるから荒砥から使ってスタートする予定。大事なもんかもだけど良い?」
「任せるぞ。どーせ使ってないし、研磨後はお前にやろうと思ってたからな」
その言葉を聞いたあと、鋼太は呼吸を整える。口から息をゆっくり吐き、鼻からスーッと息を吸う。これをしばらく繰り返した後、ゆっくりと研ぎを開始した。
ズッズッズッ…という音と、時々水を手で汲む音のみが部屋に響く。砥石を変え、再び砥石と包丁が擦れる音が響く。
時々全体のバランス、切先や鎬地の形状、刃の角度や鋭さを照明の光を当てたりしながらチェックする。
途中で鎬地から刃までのカーブや光沢を見ている時に不思議な感覚になった。
使ったことのない2つの天然砥石がどうにも気になってしまう。
作業が進めば進むほどムズムズするような感覚になり、集中が損なわれる。
怒られる可能性もあるが...
「…なぁじっちゃん。この2つ試しに使ってみてもよい?なんか仕上げに良さそう」
「ん?…別にいいぞ?」
意外なほどすんなりと許可をくれた鍛鉄に驚く鋼太であったが、確かに昔も何だかんだと無茶苦茶なことでも挑戦はさせてくれた。
道具を粗末に扱うこと以外は『失敗も経験だ』と寛容だったことを思い出した。
鋼太は2種類の天然砥石を桶に入れた。
番手の大きい砥石での研磨が概ね終了。刀身全体のバランスや刃の鋭さを確認した後、天然砥石での研磨を開始した。
初めての天然砥石の使用ではあったが、不思議と手に馴染む様な感覚。
研磨途中で刀身の状態を確認すると、鎬地部分の黒さや光沢が強調された様な出来になっていた。さらにもう1つの砥石で鎬筋から刃までのラインを研磨すると刃文の白さが強調され浮き出るような仕上がりになった。
「...っと。こんなもんかね」
想定よりも時間は要したが、2つの天然砥石を使った研磨が終了した。
大した力作業ではなかったにも関わらず、鋼太の額には大量の汗が浮かんでいた。
『…まだまだ若いのぉ。だが、筋は.........』
そんな幻聴がどこからか聞こえた気がした。
どこかで日本刀の部位/名称の説明が必要ですね。。。
閑話・幕間などで検討します。分かりづらくて申し訳ありません。




