“思い当たる、浮気の節があるでしょ!” と俺は彼女によく言われる!
“思い当たる、浮気の節があるでしょ!”
俺は彼女によくこの言葉を言われる。
しかし? 俺には思い当たる浮気の節はない!
そもそも、俺から彼女の事を好きになり告白して付き合ってもらった。
あれから1年! 俺はずっと彼女に尽くしてきた。
彼女が欲しい物ややりたい事は俺が彼女のサポートをしてきたし
俺は彼女の事しか見ていないし考えいない!
・・・それにも関わらず、彼女は俺にこう言うんだ。
『私に隠れて浮気とかしてない? “思い当たる、浮気の節があるでしょ!”』
『またそれ? なんなんだよ、浮気なんかする訳ないだろう!』
『“浮気防止よ! こうでも言わないと浮気するかもしれないじゃない!”』
『何が浮気防止だよ、いい加減にしてほしんだけど......。』
『佑丞って? “案外、モテるでしょ!”』
『はぁ!?』
『私の女友達とか皆、佑丞の事! “私と付き合ってなかったら付き合いたい
って言ってるぐらいだからさ。”』
『えぇ!? 本当なの?』
『・・・ううん。』
『いや~俺って、モテるんだな。』
『やっぱり信用できない!』
『だから、浮気してないから!』
『・・・あんまり言いたくなかったんだけどね。』
『えぇ!?』
『だって! 佑丞、直ぐに調子乗るじゃん!』
『・・・まあ、そうかな、』
『そうよ!』
『・・・・・・』
初めて彼女からそんな事を訊いた!
“俺は女性にモテるらしい!”
モテたためしがない俺が女の子にモテるのは疑問でもあるのだが、
彼女がああ言っているのだから本当の事なのだろう。
・・・だから彼女が俺の浮気を心配しているのなら理解もできた。
ただ、“現実は? 俺はモテてないし、浮気の気配すらない!”
女性が俺に寄って来ないのだ!
寄って来ないのだから、浮気の心配もない!
それなのに、彼女は俺の話を信じようとしてくれない。
やっぱり? “彼氏が女の子にモテる方が彼女としてはいいものなのか?”
それとも? 彼女は心配性なのか?
俺には分からんが、取り合えず彼女に心配をかけたくない俺はやっぱり
彼女の事を最優先に考えている。
彼女に、俺の為にちょっとした悩みでもしてほしくない!
だから彼女に俺はこう言ってやったんだ。
『そんなに俺が浮気してないか心配なら? “GPSのアプリでも入れるか?”』
『えぇ!? いいの?』
『いいよ! 俺が浮気してない事も証明できるしさ。』
『“めちゃめちゃ佑丞って、カッコイイ!”』
『そう? 俺、カッコイイ?』
『うんうん! カッコいいよ。』
『なんか、照れるな~』
『じゃあー早速! アプリ入れるね!』
『えぇ!? もう入れるの? どのアプリがいいとか調べないの?』
『もう調べてあったから、大丈夫だよ! はい、もう入れたからね!』
『あぁ、ううん、じゃあー由希乃の携帯にも同じアプリ入れて、』
『・・・後で自分でしとく! じゃあ、これで浮気してないか心配
いらないよね!』
『そうだな。』
『良かった、私! 凄く嬉しいよ!』
『そっか、俺も良かった。』
『ありがとう!』
『うん。』
・・・俺が彼女の決めたGPSのアプリを入れて半年!
俺の浮気は解消されたらしいが、やたら俺が何処に居たのか気になるらしく
彼女はしつこく俺に聞いてくるんだ!
『“メロット・フブカスって? 何の店?”』
『えぇ!?』
『オシャレなカフェのお店に見えるけど? 誰かと居たの?』
『一人だよ、よく行くんだ! 今度、一緒に行く?』
『うん!』
『それと? こんな時間にサウナに行くんだね。』
『“たまに、整えにいくんだよ。”』
『じゃあさ、ココは?』
『あのさーもういいだろう! めんどくさいよ。』
『“浮気はしてないと思うけど、佑丞が何処で何をしてるかもっと
私は知りたいの!”』
『アプリ見ろよ。』
『でも? 気になるでしょ!』
『それより、由希乃は俺と同じアプリ入れたのかよ!』
『・・・あぁ、その話? まだ入れてないなんだけど、また入れて
おくから、詳しく聞かせてよ。』
『俺は浮気はしてない!』
『そうね、私も浮気してないと思うよ。』
『信じたんなら、もうアプリ消していい?』
『ダメ!』
『はぁ!?』
『アプリ消したら、浮気するんでしょ!』
『何、言ってんだよ!』
『じゃあーそのままでいいじゃない!』
『俺は別にいいけど、俺が浮気してないって信用したんだよな!』
『そうね。』
『じゃあ、消してもいいじゃん!』
『じゃあ、あと1ヶ月だけ、いいでしょ!』
『・・・あぁ、分かったよ、あと1ヶ月だけだからな。』
『うん!』
“思い当たる、浮気の節があるでしょ!” と俺は彼女によく言われる!
今は彼女が、“俺の監視の為のアプリを入れているだけ!”
位置情報で、俺の居場所を見て確認する。
何が楽しいのか?
“浮気防止”の為のアプリだったはずが、“今は俺の監視のためのアプリ”
に変わってしまった。
因みに、“既に1ヶ月だけの約束は超えている!”
このGPSのアプリが彼女にとって、俺を信用する材料になっているなら?
俺は別にこのアプリを入れたままでも構わないと思ってる!
全ては、彼女の為に、、、。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。