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第64話 文芸部の日向さん

「昨日の美人は、一昨日に家に行った子だ。名前は前にも自分で紹介していたけど、鈴木伊乃莉。スーパー大安の社長令嬢という、お金持ち。」


「そんなに金持ちっぽくはないが、確かにメイクには力入ってたな。お前らと別れた後、

異常に虹心が怖がってた。」


「ン、怖がる?何に?」


「俺が彼女に惹かれるんじゃないかって。」


「ああ。」


 そうれは納得。

 あの伊乃莉(ver.3)でも充分な美しさだ。

 もし、あの日一番の伊乃莉を見たら慎吾と言えど、固まるだろうな。


「うん、美人さんだよね、伊乃莉さん。宍倉さんとは全くタイプが違うけど。」


「でも美少女なんだろう、その宍倉さんって子。」


「うん、っていうか、可愛い系、かな。ねえ、お兄ちゃん。」


 智ちゃんが帰り、少しリラックスした感じだが、まだ俺の周りの美少女に慎吾は興味津々という感じだ。


「ほお、静海ちゃんもどちらかと言えば可愛い系、かな。と言っても背が高いからモデルみたいだけど。」


「慎吾先輩は本当に正直者ですね。」


「お前の自信は凄いよな、静海。」


「褒められたときは全力で肯定!これ基本。」


 何処の迷言だよ、それ。


「そう、モデルと言えば、お兄ちゃんの周りにはまだ美人さんいるよ!」


「柊さんだっけ。確かKAHOって名前で読モやってるっていう。」


「そうそう。ホントに天使だよ、あの人。後光が差してたもん。」


 完全に俺をおいて、二人は突っ走ってるな。


「一応、虹心に確認したら、知ってた。ファッション誌はたまにしか見ないらしいけど、その人が表紙だとすげえ目立つって言ってたな。」


「でしょ!本当にすごいよ。学校でも充分美少女なんだけど、写真映りが凄いの!」


「おい、静海!それはかなり柊先輩をディスってないか?」


「愛があればOK!」


 これが親父の事故がらみの話を聞いた時にぶち切れた奴の言うことか。


「そうそう、その柊先輩ね、妹さんがいるの。先輩ほどじゃないけど、やっぱり美人なんだよね。」


「高校に入ってクラスでも綺麗なこっているけど、光人の周りはちょっと異常だな。聞いた話じゃ、そこになんかギャルっぽい先輩も絡むんだろう?」


「まあ、そんなこともあったな。」


 俺はつい先刻あった文芸部のことを思い出した。

 俺のことを光人と呼んで、自分も名前を呼べって、どういう意味だ?

 俺、嫌われてんじゃないのか?しかも入部を勧められた。


 自分の頭が追いつかん。


「あっ、お兄ちゃん、何か考えてるよ、慎吾先輩。」


「これはどう見てもそのギャルの先輩のことだな、そうだろう、光人!」


 そう言うと慎吾がソファに座っている俺の首を絞めに来た。


 いや、やめてくれ!

 本当に苦しい!


「ほら、何があったか行ってみろ!あったんだろう?」


 本気で絞めにきやがった!


「わかった、苦しい、本当に苦しい!」


「じゃあ言え!」


「わかったよ。」


 落ちる寸前だった。

 本当に気を失ったらどうする気だったんだ。


 俺はソファから立ち上がり、殺気飲み干したコップに麦茶を入れた。


 一口飲みこむ。


「そのギャルみたいな先輩、有坂さんっていうんだが、文芸部の副部長で、友達が入部した。」


「とは言っても、それだけなら光人には関係ないよな。」


「そのはずなんだけど…。今日その友達に、放課後に文芸部に呼ばれたんだよ。」


「何かあったのか?」


「まあ、あったちゃあ、あったんだが。その友達、須藤っていう奴で、今のところその文芸部で男一人らしい。そこで、須藤が描いた小説を見せた日向さんという女子が、俺にも一緒に自分の作品を見てほしいって頼まれた。」


「そこんとこ。よく意味が解らんのだが。」


 慎吾の言うことはもっともだ。

 だって俺自身よくわかってない。

 ただ、日向さんの作品という奴に興味はあった。


「ちょっと待ってくれ。その日向さんも美少女なんじゃないか?」


 慎吾君、少し落ち着こう。

 俺が知り合う女子がみんな美少女というわけではない。

 と言っても、日向さんが不細工というわけではないんだが。

 あの凛とした一本筋の通った佇まいは充分に素晴らしい。


「変な事を考えるなよ、慎吾。日向さんは決して不細工ではない。ただ、柊先輩を基準にしたら、ほとんどの女子は普通以下ってだけ。」


「まあ、そうなっちゃうね、柊先輩相手だと…。」


「わかった、わかった。それで文芸部の部室に言ったわけだ。」


「まあ、そうだ。俺と文芸部の須藤、でどいう訳かサッカー部の佐藤も一緒に行った。」


「男子の話はとりあえずいい。」


 冷たいやつだな、慎吾。

 この前は佐藤景樹についてやけに語っていたような気がしたが?


「そこにはその副部長のギャル先輩こと有坂さんと、部長の大塚さん、で日向さんが俺たちを待っていた。」


「そこで何があったんだ?」


「日向さんは本職のイラストレーターだった。これは秘密ってことになってるから、ペンネームは言わないけどね。作品は素晴らしいものだったよ。」


「本職のイラストレーター…。」


 静海が、目を真ん丸にして驚いてる。

 高校生でプロになっている人はいないわけではないんだろうけど、柊先輩の読モに続いて、イラストレーターがいる高校。

 びっくりするよな。

 だけど日向さんはそれだけじゃないからな。


「いや、俺が聞きたいのはそんな事じゃない!」


 逃げ切れなかった。


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