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第284話 恋バナ

申し訳ありません。家庭内のトラブルと、有希のため急遽ホテル住まいになり、投稿が滞ってしまいました。

男子の他愛無い話、もうちょっと付き合ってください。

 室伏の言葉に反論できない。


「確かに宍倉さんもまだ付き合ってないとは言ってたな、まだ。」

「そうだった。まだ付き合ってない、って確かに言ってたよ。」

「僕も聞いた。」


 景樹の言葉に、瀬良が、そして須藤が肯定する。

 後者二人は話の矛先が俺に向いたことにより、自分たちに話題が振られないように懸命に俺とあやねるの話題をつなげようとしている。


「ほう、まだ、付き合ってはいないんだ。だが、それはすぐにでもその「まだ」を消さなきゃならんな。」


 室伏が静かに言った。

 こいつ、やけに落ち着いて見えるな。

 同い年じゃないだろう、室伏。


「サッサっとくっついて、爆発しやがれってんだ!」


 田中の言葉に、トランプをやめた他の3人も頷いていた。

 だが、その一人、中井が富岡に視線を向けた。


「でも、富岡さあ、お前彼女いるって言ってなかったっけ。違う高校に。」

「そうだ、バスの中で土産どうするかって悩んでたな。」


 さっき大木さんの事で揶揄われた外村が反撃に出ている。


「そりゃあ、中学からの友達で…。お土産楽しみにしてるって言われたから……。」

「普通、仲が良くてもほかの高校に行った女子に、そんなことは言わねえな。」


 田中も被るように攻めに入った。

 俺は一時的に自分から話題がそれてくれて有り難い。

 田中の向けた言葉に口が止まった富岡を見た瀬良が、ここぞとばかりに自分のフィールドに持ち込む。


「富岡のその友人の女子ってっさ、おっぱい大きいの?」


 さすがはエロ瀬良君、持って行く内容がエロ。


「いや、瀬良、急に何言ってんだよ!そりゃあ、少し大き目っていうか…。」

「触ったことあんだろう、この!真面目な顔してさ。」

「まだそこまでいってないって。」

「ほう、そこまでいってない?てえと、キスはその子が初めて?」

「と、当然だよ!俺も清美もキスはお互いはじめて……、あっ。」


 気付いたようだね、富岡君。

 瀬良はエロいことには結構グイグイ行くよ。

 好きな子にもそれができれば、ペットボトルロケット作成時に白い灰になることは無かったろうに。


「ほう、二人とも、ほお~。清美ちゃんっていうんだ。富岡はキスは経験済みで、大きめのバストは触りたいけど、まだ触ってはいないそうです。では再度質問します。富岡と清美ちゃんは付き合ってどのくらいですか?」


 中井が瀬良に触発されて、富岡の彼女の事を聞き始めた。


「う、うるさいよ!俺のことはどうでもいいだろう!今は白石の事じゃねえのかよ!」

「いいや、富岡。俺はまだキッスはしたことが無い。そういう意味で君は我々よりはるか遠くにまで進んでるんだよ?わかってるかな。」


 俺の言葉に周りを見渡した。皆俺の言葉に頷いている。

 景樹もしれっと頷いて見せた。

 この野郎!てめえはさらに女性の神秘の世界の奥深くまでに進んでいるくせに!

 と、富岡の縋るような眼が布団から体を起こしている室伏に留まった。

 室伏は微動だにしない。


「室伏…君は、経験、あるの?」


 富岡が恐る恐る聞いた。


「ん、ああ、キスくらいはしてるよ。」


 おお、キスくらいときたぜ、カッコいいな、室伏。

 てえと、この後に続く言葉が普通に発せられた。


「俺、彼女いるからな。」

「「「ええ~!」」」


 俺や景樹以外が驚きの声を出した。


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