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第180話 山上氏来訪準備

 今日は昨日睡眠不足せいもあって、良く寝れた。

 考えることは多いが、浅見家とのことは、今日の2件のことが終わってからお袋に話す。

 近いうち、GWあたり意に墓参りを予定しているのだが、そこに浅見家を呼びたいと言ったら、やっぱり、嫌がるだろうか?


 10時から親父の後輩の山上晴久さんが線香を上げにやってくる。

 それと多分、親父が頼まれていたというサプリの回収。

 口頭でのアンケートがあるかもしれ合い。


 お袋の作ってくれた朝ご飯を食べながら、今日の予定について確認した。


「親父の後輩っていう山上さんが10時に、それと親父の恩師の岡崎先生のお父さんの岡崎教授が11時半に来るってことだよね。」


「山上さんの電話はここだから、みんなの予定が合わせられたけど、そのお父さんの先生って話、私聞いてなかったよ!」


 静海が昨日の夕ご飯で今日のことを言ったら、岡崎先生のことを伝え忘れていたことに、かなり怒ってきた。


 昨日謝ってるのにまた今日もかみつかれている。

 まあ、こっちの方が静海らしいのだが。


 まだ一昨日の時と、昨日の俺の部屋を窺っている妹に様々な想像が俺の頭を駆け巡っている。


 対応の仕方がわからない以上、親父との会話は慎重に行わないといけない。

 俺が口を開かなければいいんだが、ちょっと衝撃的なことを親父が言うとどうしても声を出してしまう。

 気を付けないと。


「それは謝っただろう。どうせ10時からお客さんが来るんだからさ、ちょうどいいかと思ったんだよ。こういうことはまとめてやっちまうのが楽だろう?」


「それは昨日も聞いた。お葬式もそういう面があることも知ってるけど、マスコミがわらわらしてて、怖かったんだよ。ここでマスコミが来ることは無いだろうけど、続けて知らない人が来るっていうのも、あまりうれしくないんだから。」


 それは俺だって同じだよ、って言えたら楽なんだが。

 岡崎先生も道案内で来るって言ってたから、完全に知らない訳じゃないんだよな。


「お袋は二人とも知ってんだろう。」


 俺は静海のぶつぶつ言ってる文句から逃げるために、お袋に話を振った。


「そうね、一応は。二人とも結婚式には来てくれてるし。お父さんの知り合いの中では何度か会ってはいるんだけど。そんなに知ってるって程じゃないのよ。」


 お袋も乗り気ではないらしい。

 それでも親父の親しい人として、こういったことは拒否できないよな。


 そんなことを言いながら、朝食を食べ終わり、簡単な掃除に取り掛かった。


 俺も、おそらく2階以上には上がらないとは思うものの、廊下や階段を掃除した。


(山上さんは親父の後輩だから、線香を上げに来たい気持ちは解るんだけど、他の人連れてこられても、対処のしようがないよ。山上さんはどうやらお袋が分かるかもしんないけど、他の人たちは研究の人だろう?何も話すことなんかないよな)


(そうは言っても、一応お前もあのサプリは飲んでくれたんだろう?そのことについてアンケートに答えてもらわんとな。会社としては面目が立たん)


(大体、親父が何で辞めた会社のためにそこまで済んだよ!)


(光人が中学受験失敗しただろう。少しでも頭が良くなってくれると、いいなあ、って思ったから。山上からそういう話が回ってきたときに、チャンスと思って飛びついた)


(ん~、なんか申し訳ない)


(で、少しは効果あったか?)


(実感はないな。日照大付属千歳高校には受かったから、皆無とは言わないけど)


(この前の学力テストはそれなりに手ごたえがあったんだろう?)


(それが、そのサプリの所為かって言うと考えちゃうよ。あれって、要は親父の知識が俺に漏れてきてるから、何だろう)


(その可能性があるって話だ。仮にそうだとしたら、やっぱりあのサプリ……)


(えっ、親父何言ってんの?)


(いや、何でもない。それより、あんまりお前は喋らんほうがいいかもな。親父が死んで、そんなに時間が経っていない。そこで普通にしてるのは怪しまれそうだ。極力、舞子さんに任せて、光人は喋るな。山上もさることながら、連れてくる奴によっちゃ、かなりしんどい思いを死かねんからな)


(そうだな。こんな思いは静海だけで十分だ。俺の脳内に親父がいるなんてことは、絶対にばれちゃいけないことだ)


 もう一度、俺は自分自身に言い聞かせた。


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