召喚勇者ルイ・タカツキ
初めて、小説を書きます。
稚拙な文章ですみません、、、。
申し訳ありませんが基本的に誤字脱字報告は受け付けておりません。
割と自己満足ですがお付き合い下されば幸いです!
「勇者殿、そいつはもう人間じゃないっ!早くトドメを!」
違う。目の前にいる彼女達は人間だ。魔王軍に操られてるだけのただの人間だ。
「貴方がやれないなら、僕がっ!」
勇者軍二番隊隊長ガイラの声が近づき、女性の首に向かい剣を振る。
「待てっ!!!」
勇者ルイの声は届かない。この戦場で人を相手取ることになってから、殺められずに足止めされていたのが仇となった。
ガイラと彼女までの距離はルイにはあまりに遠く、やっと走り出した頃にはガイラの剣が女性に届いていた。
深紅の飛沫と共に彼女の首が宙に舞うと、それを皮切りに戦士たちは躊躇っていた心を抑え込み、同族に手をかける。
「ああ.......あぁ............」
その場に立ち尽くしたルイを横目にあちらこちらで真っ赤な花が咲く。
「.......ああ....ああ.......アメリア」
目に溜まった水が滴り落ちると曇った視界がクリアになり、彼女と目が合った。
その無機質な目はルイを責め立てる。
なぜ救ってくれなかったの。と。
「うわああああああああああああああああああああああああ」
(夢だゆめだユメだゆめだ夢だゆめだゆめだユメだユメだゆめだ)
叫んでも叫んでも目は覚めてくれない。
短剣を取りだし自身の手へと突き刺す。何度も何度も振り上げては突き刺す。
(俺の知ってる勇者は魔王を倒して幸せになるはずなんだ。)
痛いのに血は出るのにやはり目は覚めてくれない。
「やめてくださいっ!!!」
近くの兵士に短剣を取り上げられ、頬を叩かれる。
「今は、戦場ですよ!!貴方が、、、、」
戦士の説教は彼の耳には入ってこない。
叩かれた頬が痛いのにジンジンと痺れているのにそれでもやはり目は覚めない。
彼女はアメリアはもういない。
「ははっ。」
「あぁ.......誰か.....殺してくれ......」
それは、ゲームで知っていた勇者への幻想を捨てきれなかった故の絶望か。
はたまた、ふたつの世で唯一愛した女を守れなかった己への怒りか。
何でも良かった。この戦場から逃げ出せるなら。
「殺せっ!!!!!勇者はここだ!!!!!」
その叫びに敵であろう人間たちと魔王軍が群がっていく。
勇者を守ろうと味方の兵士達が勇者を囲む。
「貴方が死んだらこの世界はどうするのですか!」
「私は先程、妻をこの手で殺めました。彼女が死んだ意味をください!!!」
しかし、誰の声も勇者ルイには届かない。
全てに絶望し、全てに憤る。
「誰でもいい。殺せっ!!!!!」
狂ったように自身を殺すように懇願する言葉を繰り返す。
そんな状態は何十分も続かない。
勇者の言葉に味方の兵の心も折られていく。
「もうダメだ。」
誰かが放ったそんな言葉と共に兵たちの剣を握る力が弱くなる。
そんな好機を魔王軍が見逃すはずもなく、呆気なく円陣は崩れていく。
仲間たちの死体を踏みつけにしていく黒い影に、勇者は安堵と少しの恐怖を覚えながら、穏やかに笑う。
「アメリア、救えなくてごめん。俺もすぐそっちに行くから。」
黒い影もとい魔王は、勇者に近づくと儚げに笑った。
「人間は本当に愚かで弱いな。」
悲しみとも取れる表情にこの戦争の発端を思い出した。
これは魔王の復讐なのだと。
「本当にな。」
魔王は断罪する時のような磨きあげられた白の剣を抜いた。
(俺の罪ごと切ってくれるのか)
「ありがとう。」
来世は魔王と勇者そんな身で出会わないことを、アメリア、君に出会えることを祈るよ。
剣が空気を切り裂く音ともに勇者の首を落とした。
そしてその日、アメストリア大国及び勇者連合軍は10万という兵を2万の魔王軍と3万の操られた人間たちに殲滅された。
前々から思ってたけど、もし勇者になったら魔物とか殺せないし、役目放棄したい。
魔王を殺せるのはあなただけ!とか責任重大すぎん??
無理なんやが。