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北崎です、イケメン崎ではないです

我らイケメンズ

どうも皆さん、学年で一番モテる北崎きたざきあつしです。

昨日オレは初めてフラれました。

まぁレベルはかなり高い子でしたし、それに新しい親友もできたので特に気にしてません。

え?新しい親友は誰かって?

決まってるだろ?狼くんさ、

彼は確かに赤城さんたちのマネージャーをしていたから全く目立たなかったが、

あのワイルド系の顔はなかなかだと思う。

だが残念な事に彼は性格が『鈍感天然ッ娘』タイプなためモテない、

更に言うならば赤城さんたちのマネージャーをしているが為に自由がないのだ。

四六時中赤城さんの様な美形に囲まれていたらそりゃ魅力は半減するに決まっている。

まぁ要するに彼は運の悪い男なのだ。

だが、彼には人を元気付けてくれる魅力がある!

彼を仲間にすれば!赤城さんたちに負けないぐらいのアイドルグループが誕生する!

そうすれば芸能界入りも夢ではない!

そうだ!そうなればオレはモテモテだ!


「完璧だ・・・」


北崎は一人でそう呟いていた。

「お〜い、あつし、今度のコンパの後一人決まったか?」

「ん?あぁ、一応決めたんだが、ちょっと問題がな」


「早くしてくれよ」

そう言って腕を組む男子生徒、「黒羽くろは音恩ねお」北崎の友達で美形、その笑顔は女の子をとりこにできるのだが、女ったらしで浮気男である。


「なぁ、お前が呼ぼうと思ってる男って誰だよ?」

そう言ってイスに座った男子生徒、長い髪を後ろでしばり眼鏡をかけている。「古道こどう修介しゅうすけ」周りからはしゅうと呼ばれて男女関係なく人気者だ。美形でありながらフレンドリーな性格という一見なんの欠点もない人間に見えるが、カメラオタクでいつもカメラを持ち歩き気に入ったものはどんな事をしても撮影する困った男だ。


「じん君を呼ぼうと思っている」

「・・・誰だよそいつ?」

「う〜ん、顔の広いオレでも知らない奴だな〜」


「ぼ、僕知ってます、かみだじん君、赤城さん達と一緒にいる人ですよね?」

弱々しく声を出す男子生徒、「大和おおわ将騎しょうき」狼と似て立派な名前だが本人は気が小さく泣き虫である。だがその顔は雫と同じ感じのジャニーズ系であり、これまた人気者である。


「あぁ〜、マネージャーか」

「さすがのオレも、赤城たちとは友達じゃないからな」

「ぼ、僕じん君に助けてもらった事があって、不良に絡まれた時、不良を倒してくれたんです」

「へぇ〜、そりゃかなりの善人だな、赤城達にこき使われている理由はそれか」

「まぁ、とりあえず、彼のようなイケメンにぜひ、今回のコンパには来て貰いたいのだ」

「イケメンなのか?地味でよく見た事ないが」

「か、かっこよかったですよ、顔はとても凛々しかったです」

「ふ〜ん、ま、あつしもしょうきもそう言うって事はかっこいいんだろ」


「で、問題があるんだ」


改めて北崎が机に肘をついて組んだ指の上に顎を乗せて言う。

「赤城さんたちとじん君をどうやってはがそうか・・・」

「別に当日じんがドタキャンしてこっちに来れば良いじゃねぇか」

「多分翌日じん君は死体となってそこら辺に転がっているだろう」

怖いなオイとツッコミをいれる音恩を無視して北崎は話を進める。

「いいか、重要なのはいかにして安全に赤城さんからじん君を連れ出すかだ、どんな方法でも良い、意見を言ってくれ」


「赤城さんを説得すればいいんじゃないでしょうか?」

「しょうき、君はあまりにも外の世界を知らなさ過ぎる、赤城さんの武勇伝を聞いた事がないのか?」

「えぇ!?そんなに怖い人なんですか!?」

「オレの友達で赤城に告白した奴は十日後に謎の失踪を遂げた」

「えぇええ!!」

涙目になる将騎、だがその話は本当であった。

「それだけじゃないぞ、一緒にいるなえみという子にナンパした大学生が数日後大学を退学させられたそうだ」

「えぇええ!!」

「しかもしずくというかわいい子に話しかけた他校の生徒はその夜何者かに襲われて今でも病院生活を余儀なくされているそうだ」

「話しかけただけで!?」

「だが一番恐ろしいのは、おみ!彼女の怒りに触れた者は精神崩壊を起こし幻覚を見るようにまでなるといわれている!!」

「・・・ヒック・・・怖いです・・・う〜」

とうとう泣き出す将騎、ゴメンゴメンと謝るしゅう。

でもそれ全部実話なんだよねって心の中で思った音恩だった。


「全く、お前らはすぐに話がそれる、本来の議題を思い出せ」


「ま、とりあえず、オレに良い考えがある」


さっきまでふざけていたしゅうが真面目な顔をして言った。


「―――――――ってのはどうだ?」


それを聞いた残りの三人は親指を立てて言った。

「ナイスアイデア!」






「で、今に至るわけだよじん君」

土曜日のショッピングモールで北崎が狼に説明をする。

そう、彼らの作戦とは、直接狼の元に行く事だった。

現地で無理やり狼についていく、それが狙いである。

「君がじんか、おれねお!」

「オレはしゅうすけ、しゅうと呼んでくれ」

「お、覚えてますか?しょうきです」


「・・・帰れ」


一言で片付ける狼だった。





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