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タイプ33「雫パニック!」

さぁて!急展開と新展開炸裂!よかったな!雫大人気だ、うん!

 佐崎雫、学園の中で親友といえば?というアンケートで見事毎回一位に選ばれるほどの、男女別け隔てなく仲良くなれて、モテる美少女。

学級での評判も。


女子生徒A「明るくていい雰囲気作りをしてくれるから大好き!」

女子生徒B「要弧ちゃんグループの中で羊ちゃんと同じくらい話やすくて楽しいよ!」

男子生徒V「・・・・そうだな、一言で言うなら・・・・女神」

男子生徒R「遠くからいつも見ているけどさ・・・それだけで、幸せなんだ」

男子生徒W「彼女と同じ空気が吸えて・・・僕は幸せです」


かなりの人気者。

そんな、友達としても接しやすくて親しくなれるキャラなのに・・・みんなが知らない、秘密があったのです・・・。


それは・・・。



「なぁ雫・・・最近雫といると誰かの視線を感じるんだけど?」

要弧が校庭で寝転びながら雫にそう言った。

「・・・・やっぱり?」

「・・・雫、ストーカーが増えたんなら狼にまた頼めばいいだろ?」

要弧が心配そうな顔でそう言うが、雫は首を横に振った。

「・・・・実はね、ストーカーじゃなくて」

「し〜ず〜く!今度の土曜日どこに行く!?」

羊が笑顔を振りまきながら雫に走りよって行った。

「なぁ羊、羊は何か視線を感じない?」

要弧が真剣な顔で羊に聞いた。

「視線?・・・そっか、また雫を狙った不埒なやからが」

「い、いや、だから違うのよ・・・その視線の正体は」

「楽しそうだね〜僕も混ぜて〜」

音恩が爽やかな笑顔で三人に近づく、そしてリンチにあった。


「す、すびばぜんでした・・・ただ、美女達の花園にぜひ入りたいと」

「もう一発殴っていいか?」

羊がそういいながら殴った。右頬に見事入ったようで音恩はそのまま永眠した。

「で?視線がどうしたの?」

「うん・・・その視線の正体は」


「うん?みんないないと思ったらここにいたのか?」

「・・・なんでナンパ野郎の死骸がここに?・・・・目障りだなぁ」

奈絵美と臣が音恩にけりを入れながら校庭の隅に捨てた。

「ねぇねぇ、二人とも最近怪しい視線を感じない?」

羊が二人に聞くと、二人とも頷いた。

「確かに、監視に似たような視線を感じていた」

「・・・私も・・・気付いていた」

「それで?・・・その正体はなんなんだよ?」

「・・・もういい?誰も邪魔しない?・・・よし、それで・・・その正体は」


「お〜い、頼まれたお菓子買って来たぞ」


狼は雫に三発だけ殴られた。

「全く!次から次へと!もうちょっと来るなら一気に来てよ!!」

「わ、悪かった≪何でオレが謝るんだ?・・・にしてもいつもの雫なら十発は殴るんだが?どうしたんだ?≫」

狼は若干特殊な方法で雫の異変に気付いたが、特に気にしなかった。


「・・・・実は、ここ最近私をつけているのは・・・SPなの」


いつものメンバーが固まった。

いつの間にか復活した音恩も固まっていた。

カメラでシャッターチャンスを狙って隠れていたしゅうも固まった。

たまたま通りかかっていた将騎もそれが聞こえて驚いていた。

北崎はスリーS連合の副長官で忙しくてそこにはいなかった。うん、どうでもいいか。


「・・・・なにがスペシャルなんだ?」


狼が真面目な顔をしてボケた。

そして5人の美女に足蹴りにされた。

しゅうがオレも蹴ってと入ってきた。だが無視された。

「全く、雫になんでSPが付くのよ?」

羊が困った様に言う。

「・・・私のお母さんの実家って・・・南字みなじ家っていう名門家らしいのよ・・・だけどお母さんとお父さんがカケ落ちしたものだから、ついこの間までは普通の家庭の女の子だったんだけどね〜」

「へぇ〜、知らなかったな、雫ってお金持ちの家なんだ?」

要弧が目をキラキラさせて聞いた。

「私の家というより母方の実家がそうなのよ」

「・・・いいな・・・お嬢様」

「そんないいものじゃないわよ、SPがいたらのんびりする暇も無いんだから」

「だがいい事じゃないか、金は大切だぞ?金は」

「いいなぁいいなぁ、今度何かおごって」

「おい音恩、それが男の言う事か?」

「黙ってろ変態カメラマンが」

二人の男の熱いどうでもいいケンカが始まった。だが要弧がすぐに二人の脳天を蹴ってノックダウンさせた。

「とにかく、SPの人がいるけど、まぁ特に気にしなくていいからね」

雫はそう言って軽く流したのだった。


 帰り道

「すごいなぁ!雫はやっぱりほかの子とは違うなぁ〜」

羊が一人で勝手に舞い上がっていた。

「はぁ〜・・・お前最近雫の事ばっかりだな?好きなのか?」

「うん、好き。大好き」

「素晴らしいよ、その台詞がオレの時でも言えるといいね」

≪ふっふっふ、今ならマジで言えちゃうんだなこれが・・・≫

羊はそんな事を思いながら歩いていた。

すると、黒服の男が一人、後ろから近づいてきた。

男は別に慌てる様子もなく、狼の肩に手を置いた。

「すみませんが」

「・・・え?はい?・・・オレ!?オレ何もして無いぞ!」

挙動不審になる狼、そして他人のふりをする羊。

「ひでぇ!お前本当に血も涙も無い女だな!」

「冗談冗談、で?何か用ですか?」

「いえ・・・私、南字家の専属SPの者です。今回は我々の観察により認められたあなた方、守多狼様、そして守多羊さま。あなた方を、雫様のご友人として、婚約披露宴に出席していただきたいのです」

「・・・・あぁ、こんにゃく披露宴?おいしそうですね?」

狼は真面目な顔をしてそう言った。そして羊に足を踏まれた。

「あの・・・言っている意味がよくわからないんですが?」

「ここ一週間ほど、失礼ながら雫様の交友関係を調べさせていただきました。その結果、男性での常識的なご友人は狼様一人、そして、女性での常識的なご友人は、羊様と奈絵美様のお二人が、我々の判断基準を満たしたので、ぜひ、雫様の婚約披露宴に出席していただこうと」


「・・・雫の婚約披露宴って・・・どういうことですか?」


羊が珍しく怒った口調でそのSPに聞いた。

「・・・聞いておられませんでしたか・・・雫様は南字家のお嬢様として、葛木かつらぎ家のご子息と婚約する事となったのです」

二人の時間が、一瞬だけ、長く止まった。

羊はショックのあまり、目が虚ろになっている。そこで、狼が先に動いた。

「・・・すいませんね、ちょっとはじめて聞く話なんで・・・驚いちゃいましたよ。そうなんですか・・・雫が・・・結婚?」

「・・・・ゆくゆくはそうなります」

「・・・それで?・・・披露宴っていつです?」

「・・・・明後日です」

「わぉ、急だねぇ・・・ま、本当ならもっと前から雫が言っていたんだろうけどな」

「丁度土曜日が披露宴です、どうかご出席願えますか?」

≪そんなの・・・嫌に決まってるだろ!!≫

羊はそう言おうとして、SPの男を睨んだ、だが、その男の目を見た瞬間、羊は止まった。

その男の目は、脅しの目だった。

変な言動や、軽はずみな態度をしたら・・・容赦なく、襲ってくるだろう。

ましてや・・・婚約披露宴を邪魔しようとする人間を見つけたら、すぐに抹殺する事になんら躊躇していないだろう。

羊は、恐怖で口を閉じてしまった。


「・・・・すみませんけど、話し合ってから決めていいですか?何せ急ですから」


狼は落ち着いた態度で、その男に言った。

「・・・返事はいついただけますか?」

「そりゃ明日にでも」

「・・・そうですか・・・わかりました・・・では、明日、雫様との最後の学校生活を、大切にしてくださいね」

男はそう言って静かにさって行った。

「・・・狼・・・どうする?」

「・・・・おや〜?元オレのくせに弱気な態度の羊ちゃんですね?」

「・・・もしかして・・・雫、行っちゃうの?」

「・・・・さぁな・・・・それはあいつが決める事だろ?」

「・・・嫌だ!そんなの!・・・絶対おかしい!」

羊はそう言って雫の家に走って行った。


 雫の家の周りに、SPの男達はいなかった。

羊は意を決して、雫の家のインターホンを鳴らした。

少し時間が経つ、すると、女性の声がした。

「すみません、今出ますので」

その声は雫のお母さんの声だった。

「あら、羊ちゃん!いらっしゃい・・・どうしたの?」

雫の母親は今にも泣きそうな羊を見て驚いた、だが、羊はなんでもないと言って、雫に会いたいと言った。

「いいわよ、さ、上がって頂戴」

雫の母親は、快く家の上げてくれた。

羊は雫の部屋の前に来た、そして、雫がいつもの様子で顔を出した。

「どうしたの羊?そんな顔して?何かあった?狼に襲われかけた?」

「・・・SPの人が・・・わけわかんないこと言ってた」

羊は途切れ途切れに言った。

「・・・雫が・・・婚約するって・・・その披露宴が土曜日だって・・・」

「・・・・・・・・」

「うそ・・・だよね?・・・明日が・・・雫と最後の・・学校生活なんて・・・そんなの」

「・・・・・ごめん」

雫は、そう言って、涙を流しながら、笑った。


「・・・・仕方ないのよ・・・でも、黙ってて、ごめん」


雫はそう言う。だが、羊は納得のいかない顔だった。

「・・・なんで、婚約なんか・・・・」

「・・・おじいさんが、決めた事らしいの・・・南字家を助けれるのは、私だけみたいで」

「・・・なにそれ?どういうこと?」

「葛木家と親戚同士になって、今ある財閥を守ろうとしているんだって・・・すごいでしょ?・・・政略結婚よこれ?」

「・・・雫の意思は、無視してるわけ?」

「・・・仕方ないのよ、こんなチャンス、滅多に無いらしいし」

「なにそれ・・・おかしいよ!」

「・・・それでも、言う事聞かなきゃ・・・家族がバラバラになっちゃうのよ」

「・・・え?」

「お父さんの今勤めている会社、南字家なら、簡単に買収できるのよ・・・それで、お父さんをいつでもクビにする事ができるのよ、しかもその後、強行手段でお母さんと私を南字家で引き取るんだって・・・どう転んでも、私婚約させられるのよ・・・だったら、大人しくしていればいいのよ」

「そ、そんな・・・・」

「・・・ごめんね、言うのが辛くて・・・今まで黙ってたの、明日が、最後なのにね」

雫は、いつの間にか、泣き止んでいた。でも、やはり表情は、悲しげだった。

「・・・ねぇ、狼の・・・ことは・・・どうするの?」

「・・・・諦める!・・・どうせ狼は私の事、好きでもないようだし、要弧にでも渡す!」

「・・・私、雫が好きなんだよ?・・・ずっと、一緒にいたいよ」


「・・・・・・・ごめんね」




羊は、暗くなり始めた夜道を、一人で寂しく歩いていた。

どうにかしたくても、どうする事もできなくて、羊は泣いていた。

そこへ、人影が寄って来る、その人影は、狼だった。

「・・・大丈夫か?」

「・・ヒック・・・大丈夫なわけ・・ないじゃん・・・・許せないよ!・・・雫を勝手に・・・連れて行くなんてさ!!」

羊の悲痛な台詞が、夜道に響いた。

「雫泣いてたよ!!・・・雫、悲しそうだったよ!!・・・なんで、なんで!・・・雫がかわいそうだし・・・私も・・・悲しいよ・・・・」

狼は黙って羊の言葉を聞いていた、そして、羊が落ち着くまで待っていた。


「・・・・ねぇ、狼・・・・どうすればいいと思う?」

「・・・雫が・・・泣いていたんだろ?」

「・・・うん」

「雫が・・・・悲しそうだったんだろ?」

「・・・うん」

「・・・お前も・・・そして俺達も・・・悲しいんだよ・・・だから」


羊が後ろを良く見ると、みんながいた。

要弧も、臣も、奈絵美も、慎も、北崎も、音恩も、しゅうも、将騎も、辰来も、美緒も、栗鼠も。


「雫を、助けられるのは・・・俺たちだけだろ?」


狼が笑顔で、羊の頭をなでてやった。

羊は、今だ涙を抑えれなかったが、笑顔になる事が、できたのだった。



シリアスモード、次回もそうなるといいな。

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