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タイプ30「要弧がイメチェン」

新年早々、心機一転という事で、そんなお話。

 新年なり、新春なり、本日お正月日和なり。

って事で狼と羊は家でごろごろしています。

「いや〜、要弧達は福袋を買うため戦場に出向いているから平和だよ全く」

「む〜、狼と雫を一緒に福袋買いに行かせたかったのに・・・新年早々失敗とは」

「なんだ?何の話だ?」

「黙れ役立たず」

最近羊の言動が要弧達に似てきて危機感を覚えた狼。

≪くっそ〜、そもそもこいつはオレの分身だろ?オレとどこが似ているんだよ!≫

多分、変わり身の早い所が似ているかと。

≪やばいな・・・このまま行くと家の中に凶悪な美少女と一緒に住んでいる事になってしまう、それだとオレの身がいつまで持つかわからないし・・・何とかせねば≫

そして考え込む狼。

≪要弧達と一緒にいるから本来のかわいい美少女キャラの性格が崩れているんだよな?・・・って事はかわいい美少女キャラの性格の子と友達になれば・・・いい具合に影響されて凶悪化を止められるかもしれない・・・・だが待て、オレの知り合いにそんな性格の女の子は・・・・・・・・・いや、女の子ではいないが、男でなら!!≫


狼はおもむろに携帯を取り出した。そして誰かにかける。

「おい、慎か?ちょっと家に来い」

『おや?大親友の狼くんじゃないか〜、あけましておめでとう〜、年賀状届いた〜?』

「あぁ、ご丁寧にお前の振袖姿の写真がプリントされたあの年賀状なら残念ながら今年も届いたよ、正直捨てたい気持ちでいっぱいだが羊に引き取らせた」

『う〜ん、2009年になっても苦労してるねぇ〜』

「誰の所為だよ!」

『で?用件は?今女友達のみんなと買った福袋の中身を見せあいっこしているんだからよほどの用件じゃないと動けないなぁ〜』

「・・・羊を好きなだけ着せ替え人形にしていいから」

『仕方ないなぁ、五分で着くから』

狼は羊に心の中で謝りながら携帯を閉じた。

「なに?誰に電話したの?」

「いや・・・ちょっと慎に、な」

「ふ〜ん」


 三分後


慎がかわいい冬服を着て息を切らしながら玄関を入る。

「フフフ、意外と早く着いちゃったな・・・で、約束の方は覚えているよね?」

「もちろんだ≪羊には言ってないがな≫」

「もしも羊ちゃんができなかったら狼くんが着せ替え人形だからね、もちろん女装で」

「ちょ、嫌なこと言うな、オチがそうなったらどう責任を取ってくれる?」

「別に?案外女性読者の皆様は期待大かもしれないよ?」

「何の話をしているのよ?」

羊が怪しい目つきで二人を睨んだ。

「いや、何でもない、ま、上がれよ慎」

「おっじゃまっしま〜す」

二人はそのまま二階へ上がって狼の部屋に入って行った。


「・・・・怪しい・・・・」


羊が一人でそう呟く。

≪絶対になにかあるわね・・・・フフ、狼も隙だらけね、私が女になった事でどれだけ女の勘が鋭くなったと思っているの?・・・もう鈍感馬鹿狼ではないのよ?・・・といっても≫


「何しているか見当もつかないわね」


やはり鈍感はしっかりと受継がれていた。


≪正直骸骨がいたらあいつの力で探る事もできるけど・・・あいつ天界の宴会だとかなんかで出かけているからねぇ、ってか悪魔だから地獄なんじゃないの?≫

そう言いつつ、羊はどうにかして探りを入れようと二階へ向かった。


 

 狼の部屋

「ふ〜ん・・・羊ちゃんをかわいい性格にしたいと?」

「まぁ、そういう事だ・・・」

「・・・もしかして狼、羊ちゃんに気があるの?」

≪オレはナルシストじゃない、故に自分を好きになるわけがないだろ・・・と言いたい所だが、それだと羊がオレの分身であるとばれる・・・まぁ適当に言い訳しとくか≫

「いや・・・あいつはオレの従兄弟だろ?・・・要弧達みたいに凶悪で最低な性格にはしたくないんだよ」

≪・・・狼くん、それが鈍感ゆえの発言だとしても、最低すぎて殺意すら沸くよ≫

それもそうだ、誰もが慎と同意見であろう。

「・・・ねぇ狼くん、君は本当に要弧ちゃん達が嫌いなの?」

「嫌いかどうか以前に俺が嫌われているし」

「わからないじゃん、そんな事」

「・・・今までの仕打ちを考えてみると・・・好かれていると勘違いする奴は異常だと思う」

≪あ、それ言われてみるとそうかも≫

「・・・まぁ、でも、よくあるでしょ?好きな子をいじめたくなるっていう」

「それは小学生までだろ、常識的に考えて」

「≪その言い方イラッと来るなぁ≫で、でも、ほら、要弧たちシャイだから」

「それはないな、注目浴びても微動だにしてないのが証拠だろ?常考」

「≪略すなよ・・・何か腹立つ≫そ、そうだ!要弧達はツンデレでしょ?」

「ツンなんてかわいいレベルじゃないし、デレが無いだろ?jk」


「≪ぷち≫・・・・・死んじゃえ〜」


狼は動けなくなるまでボコボコにされた。

≪やべぇ、慎は意外と強いな・・・関節技が神だろ?≫

「ていうか狼、いつからパソコンにはまっているの?」

「いや・・・しゅうに影響されて変な口調がうつったんだよ」

「あ、な〜んだ、変態を駆除すればいいって事だね♪」

≪あ、だめだ、こいつも凶悪で最悪だ、しかもオカマ、たちわりぃ≫

黒い笑みの慎に狼は見切りをつける事にした。

「で、羊ちゃんをかわいい性格にする方法だっけ?」

「いや、もう結構です」

丁寧にお断りしようとする狼、だが慎にはある考えがあった。

「いい方法があるよ・・・催眠術なんだけどさ」


 =催眠術de変身!=

それは催眠術で性格を変えちゃおう!という、内気な君も!忘れん坊で困っている君も!素直になれなくて困っている君にも!そのコンプレックスを解消してくれる画期的な催眠療法なのである!{作者は適当な事を言ってます}。

 1 まずはロウソクを用意して!アロマキャンドルね!甘い匂いのやつ!

 2 その匂いを催眠術をかけたい人にかがせてね!

 3 次が肝心!時間差があるけど部屋の温度を暖房で28度にしてね!結構暖かいって思える温度でいいからね!そうしてかけたい人が眠そうになるまでまとう!ちなみに時間帯はいつでもいいよ!

 4 そしていよいよコインの登場!もしくは話術が得意な人はそれでいっちゃえ!とにかく相手が眠そうな所を見極めて最低でも20回は理想の性格になるように命令してね!

 5 わお!目覚めた瞬間に!その性格に変身できちゃった!

          注:マネシナイデネ、ウソダカラネ!


「って方法なんだけど?」

「・・・・それ、いただきだな!」

狼は見事に馬鹿を踏んだ。

「それじゃあ!オレこの部屋をセッティングするからロウソク買って来い!」

「わかった、じゃあ準備ができしだい!すぐやろうね!」

二人は固い握手を交わして早速準備に入った。


一方、外で探りを入れようとドアに耳をつけていた羊。

「・・・だめね、全然聞こえない」

かなりのバカだ。

それでも耳をつけたままにしている羊は、慎にドアを開けられた瞬間部屋の中へ倒れこんだ。

「ひゃあ!」

「・・・え?羊ちゃん?」

「・・・あ、あはは〜・・・さらば!」

羊は向かい側の自分の部屋に駆け込む。

「・・・ま、あの様子だと会話を聞いていたわけじゃなさそうだし・・・別にいっか」

慎はそう言ってロウソクを買いに行った。


 準備が整い、狼はいよいよという顔をする。

「じゃあ慎、暗示役は任せた」

「うん、じゃあ羊ちゃんを呼んできてね」

そう言って慎は雰囲気を出すために黒い布を顔に巻く。

≪意外と視界が見にくいなぁ・・・でもまぁ、人影ぐらいは識別できるね≫

狼の部屋は窓も締め切り、カーテンも引いてあり、唯一の光がアロマキャンドルの火のみ。

しかも甘い匂いが立ち込めており、もはや異世界のような神秘さすらあった。

狼は匂いが逃げないように素早く外へ出る。

そして羊の部屋にノックして入った。

「入るぞ〜?」

狼が部屋に入ると、羊はベッドの上でうつぶせになっていた。

「・・・羊?」

「・・・スー・・・スー」

≪うぉおおおおいいい!!寝ちゃってるよ!≫

狼は羊を起こそうと羊に呼びかけるが、なかなか起きない。

「やべ、はやくしねぇとキャンドルが切れちまうよ!」

狼はそう言って急いでいた。


 そんな時、守多家のドアをくぐる者が一人・・・・。

「お〜い、狼、いないのか〜?」

福袋で手に入れた新しい服を身に付けて要弧登場。

そして軽い気持ちで玄関に入ってくる。

≪た、辰来もかわいいからイケると言ってたし・・・今年の抱負はかわいくなるだからな!狼を・・・め、メロメロに・・・いや!み、見返してやる!≫

心の葛藤中でも素直になれない要弧だった。

≪にしても・・・寝ているのか狼は?・・・そうだ、この際だから部屋まで突入して寝起きドッキリでもしてやろう・・・ん?・・・女物の靴・・・慎だな、私に勧めた限定5つの福袋の靴だ、一つは慎で後の四つは私達が買ったから間違いないわね・・・何しているんだろう?≫

要弧はとりあえず静かに二階へ上がった。

そして狼の部屋のドアに手をかける。そのままドアを開けた要弧は中へ入る。

≪・・・あれ?何か暗いわね?・・・それに甘ったるい匂い・・・≫

普通不審に思えば部屋には入らないものだが、要弧は何の疑いも無いようだ。

「来た様だね?」

≪・・・慎?何やってるの?≫

「簡単な占いをしてあげるよ、そこに座って」

慎は視界が良く見えなくて要弧だと気付いていない。

要弧も相手が慎でよく占いをするので何の疑いも無く座る。

そして自分の部屋で熟睡の羊。

それを起こそうと冷たい濡れタオルを羊にかけて寝ぼけた羊のキックを受けて死にかける狼。


≪・・・なんか・・・眠くなってきた・・・≫


「あなたはかわいい性格の女の子になる、あなたはかわいい性格の女の子になる、あなたは」




 十分後

「げ、ゲフッ・・・寝ぼけながらのキック十回、パンチ十回、目潰し二回、首絞めトータル3分、極めつけはヒジリスペシャル地獄の火車{要するにジャイアントスイング}で窓の外へダイブ・・・生きているオレが不思議なくらいだよ・・・もうあきらめよう」

狼はそう言って体を引きずりながら自分の部屋に戻った。

ドアを何とか開けて中に入る。

「し・・慎、もうあきらめよう、羊起きないし、痛いし、もういいよ、案外要弧たちにもかわいい所あるしさ、オレ的にはやっぱ今のままの羊でいいよ」


「・・・大丈夫?狼?」


「ん?要弧か、あぁ、大丈夫だよ一応・・・・・・・はぁあああ!!!!」

狼がこの世の終わりを表現するかのような表情になる。

「ごめんなさい!ごめんなさい!要弧さんはめっちゃかわいいっす!案外なんて言葉言ってすいません!!調子乗ってました!マジですみません!!」

狼が全身を恐怖で震わせながら土下座した。

「え!?今の羊ちゃんじゃないの!?」

慎がようやく間違いに気付く、そして黒い布を取って要弧をみた。

「あ・・・よ、要弧ちゃん・・」

「・・・クスクス、慎くん面白いかっこうしているね」

「・・・あれ?」

「そうですよね!?こいつ仮装が好きなんですよ!こいつなら煮るなり焼くなり好きにしていいので俺だけは助けてください!」

「おい、コラ、狼くん」

慎が軽く土下座している狼を蹴った。

「おぉぉおおおおお願いします!!まだ死にたくない!!なんでも言う事聞きますからぁあああ!!!!」


「・・・変な狼、どうしたのよ?・・・もう、顔上げてよ」


「無理です!会わす顔がありませ」

「ちょっと、いつまでこのやり取り続けるの?いい加減飽きたよ」

慎がもう一度狼を蹴る。

「バカ!お前要弧がかわいい口調で喋っているって事はめちゃくちゃ怒っているって事だぞ!死ぬぞ!?一歩間違えりゃ死ぬぞ!!」

「怒ってないよ」

「・・・・あれ?」

「怒ってないってば」

「・・・どうしたんだ?」

怪訝な顔で顔を上げた狼。

「なんで怒ってないっていう一言であっさり顔上げるの?」

「いや・・・要弧は嘘をつかない武士みたいな性格だから」

慎とそんなやり取りをしていると、要弧が話しかける。


「ねぇねぇ!この服、似合う?」


要弧が女の子らしい服を見せながら、かわいい笑顔で聞く。


「・・・・も、もちろんですよ!めっちゃかわいい!」

「おい、なぜにお世辞を続ける?」

慎が狼につっこんだ、だが、要弧は嬉しそうに頬を紅くする。

「あ、ありがとう」


≪・・・どうしよう、要弧ちゃんにかけちゃったよ・・・≫

≪どうしよう・・・要弧が変になっちまったよ・・・≫

慎と狼は大それた事をしてしまったとどこまでも反省していた。


「・・・えへ、狼にほめられちゃった」


この人はむしろ気楽になったようだ。







わぁ、すっごくかわいい要弧・・・いまいち馴染めない?   by狼


狼くんの所為だからね?

   by慎


さぁ、キャラ投票、待ってます。


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