タイプ28「クリスマスイブイブってなんだよ?」
テストの所為でクリスマスが大嫌いになりそうです。
何はともあれ、ヒロイン視点Vr臣、行きます。
めっちゃ久しぶりに、ヒロイン視点、やります。
クリスマス・イヴ、これが正しい発音ね。(本当は知らないけど)
クリスマスである12月25日前日の24日の事を言う。
クリスマスは元々イエス・キリストの降誕祭として冬至祭と融合したもの。
その前日という事で、イブ、つまり聖夜と言われるのが、明日である24日。
ちなみに今日の23日をクリスマスイブイブって言うらしいけど私は知らない。(これは本当)
そして・・・この冬の大イベントであるこの二日間は・・・ある意味で・・・。
カップルの最も最も最もロマンチックになれるイベントなのよ!!!
{全国の一人でクリスマスを送る人々へ・・・俺なんかテストだったんだぞ!!!しかも一人だし!!それに比べりゃあんたら幸せもんだろ!!!}以上作者の叫びでした。
臣は心の中でそう叫んでいた。てか臣だったんだ・・・。
≪やっぱり冬の朝は寒いなぁ、私寒いの嫌いなのに。かといって暑い方が好きって訳じゃないけどね、でもどうせなら寒い冬には暖かい風が吹いて暑い夏には冷たい風が吹けばいいのに、本当生きづらい世の中よね〜≫
「おはよう臣!」
「あ・・・雫、おはよう・・・・」
「相変わらず口数少ないわねぇ」
≪そ、そんな事ないよ、頭の中では言いたい事が一杯あるんだけど上手く言えてないだけなのよ、もしテレパシーが使えるようになったら私お喋りキャラになるんだから、そ、そうすれば狼ともっとお話できるかな?クールとかミステリアスとか言われているけど本当は明るい子だって気付いてくれるかな!?≫
「・・・・・・・」
「お〜い、臣?・・・だめだ、上の空だ」
よもや上の空のように見える臣がただ単に自分の世界に入っているだけだとは、誰も気付かなかった。
教室
「ねぇねぇ!明日のクリスマスパーティーどこでする!?」
雫がいつものメンバーに元気よく聞く。
「去年は要弧の家だったよな?じゃあ今年は・・・臣の家か?」
狼がそう言うと、臣が滅多に見せない流し目をした。{要するに彼女にとっての笑顔}
「パーティー費用は全部狼持ちで」
「おい、金がなくてバイトをしていた人間にたかるな」
雫につっこむ狼、それを見てガッツポーズの羊。
≪雫と狼の仲もよくなって来たわね!これでクリスマスパワーを使って!≫
目を光らせて宙を睨む羊、物凄く不気味だ。
「そのパーティーに我々も」
いきなり北崎がひょっこり現れてそんな事を言った。
もちろん要弧と雫と臣と奈絵美と羊の5コンボアッパーを受けて昇天した。
「いいなぁ狼は、美女達とクリスマスかよ・・・呪い殺していい?」
音恩が五寸釘と金づちを用意しながら言う。
「お前ら一応モテモテなんだろ?イケメンズはどこいったよ?」
狼が五寸釘を音恩の頭にブッさして言った。
「ぐぉおおおお!!!!の!ノロワレルゥウウ!!!!」
「いや!音恩君!それより血が!頭から血が出てるよ!?」
将騎が音恩を保健室に連れて行った。
「ったく、余分なやつらは来なくていいッてーの!」
要弧が溜め息をつきながら言う。
「幼少の頃よりカメラを片手に、あらゆる美女を撮ってきた、それゆえか・・・時たま人の秘密といえる一瞬をそのカメラに収めてしまう時がある・・・要弧ちゃんたち〜、これに注目」
しゅうが一枚の写真を取り出した。
そこには一人の女子生徒を囲んでいる要弧、臣、奈絵美、雫、羊の姿が。
「決定的瞬間!狼くんが好きな女子生徒を拉致!?そして誘惑している!の図」
「「「「「うわぁああああ!!!!」」」」」
五人が一斉に写真に飛びつこうとするがしゅうが素早くしまう。
「もちろんだがこのネガは俺が大事に保管、そして現像した写真も百枚弱、パソコンにアップする用意も万全!逃げ場はないぜよ」
「さ、さすがだしゅう」
北崎がボロボロになりながら親指を立てる。
「ふっ、今回は西条高等ジョアンナ学校のある情報屋を雇ったからな!金はすげぇかかったがそれなりの対価を得る事ができたぜ!」
「おぉ!わかる人にはわかる身内ネタ!知らない人は『幽霊なのにキューピット気取り』を」
しゅうと北崎がよくわからない事を言っているのでスルー。
何だかんだで例年よりより多くの人とパーティーをする破目になった一同。
その準備は例年通りに、開かれる家の人間と狼という事で・・・。
臣と狼は近くのスーパーマーケットに。
≪うわぁ〜、狼とはやくも一緒のチャンス!近づけるかな?近づけるかな?≫
心の中が有頂天のわりには表情がクールな臣。
「・・・さて、まずはパーティー用品だな」
「・・・うん」
「クラッカーは人数分だと10個でいいが・・・一人二つぐらいいるか?」
≪・・・クラッカー・・・狼とクラッカー・・・≫
――――――――――――――――――――――
『よし、クラッカー鳴らすぞ!』
『ちょっと狼、私クラッカーの音苦手だからあんまり近づけないでよ!』
『へぇ〜、いつもクールな臣ちゃんも意外と怖がり〜?』
『だ、だって!怖いものは怖いんだもん!』
『ふ〜ん・・・・てい!』
「ぱん!」
『ひゃあ!』
『ハハハッ!ごめんごめん〜・・・え?』
『ウッウッ・・・ばかぁ〜』
『あーもぉ、泣き虫だな〜・・・ま、そこがかわいいんだけどな』
『え?・・・』
―――――――――――――――――――――――
≪・・・・・いい!≫
「おーい、聞いてるのか?」
「・・・なに?」
「いや・・・なにって・・・いいや、オレが適当に買っとくよ」
呆れる狼、それを見て少し反省する臣。
≪ダメだな、ちゃんと一緒に買い物しなきゃ!≫
今度は食品を見て回る二人。
「鶏肉の足は買ってあるし、ケーキもお菓子もあらかじめ買っておいた、後は急に増えた四人分の食料だが・・・フライドポテトももっと必要だし、ジュースももう三本ぐらいいるよな?後は・・・何かいると思うか?」
狼が臣に話をふる。
「・・・・うん≪お菓子がもっと欲しいかな?≫」
「うんって・・・何がいるんだ?」
「・・・だから・・≪お菓子がもっとあるほうがいいって≫」
「・・・・臣、心の中で言ってても俺にはわからんぞ?」
「あ・・・・ごめん・・・お菓子」
「あぁ、なるほど、確かに必要だな」
「あと・・・サラダ・・・用の・・・」
「あぁ、レタスもトマトもいるか」
「・・・あとは・・・いいと・・・思う」
「そうだな、じゃ、野菜コーナー行くか」
≪・・・やっぱり、狼との会話が一番楽だな・・・≫
鈍感のわりには臣との会話ができる狼、本当、都合のいい性格である。
帰り道
「やっべ〜、意外と荷物が多くなったな」
狼が一人で四袋全部持っている。
≪・・・私何も持ってないな、持ってもいいんだけどなぁ〜、というか持ちたいなぁ〜≫
「・・・じ、狼・・・あの」
「ん?どうした?」
「・・・・・も・・・も」
顔を真っ赤にさせて言おうとする臣、それを見て狼は。
「・・・・あぁ!そうか」
いきなりそう言うと荷物を地面に置いて、マフラーを取る。
「・・・え?」
「寒いんだろ?ホラ、これ首に巻いてろ」
マフラーをつけてくれる狼。
≪・・・あったかい≫
「じゃ、行くか」
「・・・うん」
狼がまた袋を持とうとすると、二つ、臣が自分から持った。
「ん?持ってくれるのか?」
「・・・・うん」
「いいって、荷物持ちがオレの仕事だろ?」
「・・・寒いから」
「は?」
「こうすれば、もっと・・・あったかい」
臣が狼の空いた手を握った。
狼も若干赤くなる、だが、臣はとても満足そうだった。
全国のカップルへ、あったかいクリスマスイブを
なんて言うとでも思ったかぁあああああああ!!!!
狼「うわぁ、ヒステリック」