タイプ23「バイトを甘く見るなよ、うん本当」
台詞時にはキャラ達の名前をひらがな表記していましたが、自分でも薄々気付いていた読みにくさを解消するため漢字表記にしました。でもそうなると名前読めねぇよ、狼でじん?羊でひじり?ざけんなよ、というコメントが来るかもしれないのでとりあえず次回はカタカナ表記でやってみてどれがいいか比べようかと思います。
あれ?まわりくどくね?
「で?オーナー、なんで地べたで寝ていたんですか?」
雫が呆れながら聞いた。
「てへ、がんばりすぎたら倒れちゃった♪」
≪なんかめっちゃ軽く言っちゃってるけど、それって要するに貧血?≫
狼がとりあえずソファーに座りながらそう思った。
「さてと、とりあえず源氏名を教えて」
「ゲンジナ?」
「店で使う名前の事よ、それぐらい知っててよね」
雫が呆れるようにそう言った。
「じゃ、私着替えてくるから」
「えぇ!雫行っちゃうの!」
羊がさも残念そうに言う。
「いや、仕事だから当然でしょ?また後で」
そう言って雫は出て行った。
「さてと・・・で?ホストをする気はない?」
早速オーナーが問題発言をした。
「いいですから、丁重にお断りさせていただきます」
「う〜ん、じゃあせめて接客の仕方はこっちの指示通りにしてよ」
「すっごく嫌な予感がするんですけど」
「ちなみに、貴女は男装してね」
「・・・・はい?私?」
「うん、一応男の子が働くお店だから」
≪まぁ・・・元男だから問題は一切ない≫
「で?源氏名は?」
≪源氏名か・・・おれはオオカミっていう漢字だし・・・それになぞらえるなら・・・ウルフ?かな?≫
≪めんどくさいなぁ〜、羊・・ひじり・・・セイント・・・あ、セイトでいいや≫
「決まった?」
「オレはウルフで」
「え!?・・・それはちょっと・・・」
「じゃあホワイトウルフで」
「そんなに狼を使いたいならジンって言うのはどう?」
「それ俺の名前です」
「・・・・じゃあ、シンにしましょう、うん、決定!」
≪ちょ!よりによってあいつの名前かよ!?≫
「あなたは?」
「セイト!」
「うん、それでいいや」
≪嫌にあっさりだな≫
こうして、二人の初仕事がいよいよ始まる・・・。
「夜になると、心に傷を負ったエンジェル達が舞い降りてくる・・・彼女達の翼を癒す事こそが我らホストの務め・・・さぁ、夜はこれからだよ」
「音恩、気色悪いからやめろ、本当やめろ、てかお前人間やめろ」
狼が軽蔑の眼差しで音恩を見ながらそう言った。
「ひどいな、というか源氏名で呼んでくれ」
「そういえばお前の源氏名は?」
「オンオンだ」
「それは冗談か?それともお前人間やめたのか?」
「いやさぁ、オーナーがさぁ、勝手にさぁ、決めちゃってさぁ、俺もさぁ、最初はさぁ、反対だったんだがさぁ・・・意外とお客さんに受けたからさぁ」
すねた顔で音恩は言った。
「そうか、あとその喋り方止めろ、聞き取りにくい」
『オンオン〜、ご指名だよ〜』
「早速エンジェル達がオレを呼んでるぜ、じゃ、狼、もといシン!がんばれよ!」
そう言って音恩は休憩室から出て行った。
「さて、オレも掃除さっさと済ますか」
狼は一人で黙々と掃除をしていた。
「にしても・・・要弧や雫に臣は今のところ見かけないが・・・あいつら働いているのか?」
のんきにそんな事を言う狼だった。
『七番テーブルドンペリ追加で〜す』
「了解〜、新人!ドンペリを厨房から貰ってきてくれ」
「わかりました〜≪おいおい・・・これでドンペリ何本目だよ?≫」
羊はウェイターとして上手く働いていた。
このホストクラブでは他にはない大きな厨房を用意しており、お酒の種類はかなり豊富である。
しかも専属料理人を雇っていて、食に関してはホストに並ぶほどの一級品を兼ね備えているのである。
「チャウさん、ドンペリ一本!」
「アイヨー!ドンペリダネ?すぐモッテくカラー」
その料理人が中国人であるのはもちろん企業秘密である。
≪てか、どうみても中華料理専門にしか見えないのにあれでフレンチシェフなんて・・・信じれないな≫
とことん謎の多いホストクラブだった。
「ドンペリもって来ました〜」
「おう新人、お前名前は?」
「ひ・・・セイトです≪あぶね、本名名乗るところだった≫」
「セイトか、お前、接客は心得ているな?」
「まぁ・・・はい、オーナーから教わったので」
「よし、では、七番テーブルへドンペリをお届けするのだ!」
「・・・・わかりました≪うわ〜、なんか嫌な予感がするが・・・行くしかないな≫」
渋々ドンペリを運ぶ羊。
七番テーブル
金髪で派手な大人のお姉さんが見事に酔っ払いながら音恩に絡んでいる。
「オンオン〜、本当さぁ、私の彼氏になってくれない〜?」
「オレに恋すると火傷するぜ?」
「キャー!もう真っ白に焼かれたい!!」
≪うわぁ、むちゃくちゃ古い口説き文句だな≫
羊は内心ドン引きしながらもドンペリを持ってくる。
そしてテーブルに近づいて、まずは片膝を付く。
「ん?」
そしてお客様の目を見て。
「お客様」
喋り方は優しく、だけどはっきりと。
「ドンペリお持ちいたしました」
最後は最高の笑顔で! byオーナー
「・・・・素敵!」
大人のお姉さんが顔を真っ赤にさせて羊を見た。
「では、失礼します」
羊がやばくなる前に立ち去ろうとする。
「あの子指名した〜い」
「はいご氏名入りました〜!」
≪・・・オンオン、二度と陽の目を浴びれなくしてやろうか?≫
やっぱ悪い予感が的中した羊だった。
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