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白い夢4

 一体どうなってんだ…ゆ、夢なんだよな?

 先日と全く同じ状況同じ場所、再び白い通路に俺は立っていた。


 前回と同じく白いのが徘徊しているだけで何かが起こる様子はない。唯一の手掛かりは、あの部屋に居た少女だけだが会いに行く勇気はでないので、とりあえず、この建物の中を見て回る事にした。


 前にも思ったが、やはり病院か介護施設的な建物の様。一階に受付ロビーに、大勢が集まれる広い待合室の空間があり、白いのが特に多い。

 一階から外に出てみようとしたがどの扉も開かず、建物の外には出れないようだ。

 それからも暫く見て回ったが、それ以外特に新しい発見もなく、ぶらぶらしていると、複数の白いのに囲まれ、例の部屋の少女が手を引かれる様にして階段を上がって行く。


 どこに行くんだ?


 何をすればいいのか分からない俺はその後をつける。その一団はどんどん上の階へとのぼっていき、最上階の扉を開ける。先程1人で探索していた時には開かなかった扉だ。

 その扉の先は屋上、その一団全てが扉を抜けたのを確認してからしのび足で俺も扉を抜け屋上へ、そこで目に飛び込んできたものそれは、

 無数の白い手により屋上より突き落とされる少女の姿。


 ちょっ、待…⁉︎


 声を掛けようとしたが、その時にはもう手遅れ。落ちる一瞬見えた少女の顔、初めて見た時の憎悪に満ちた強い感情を灯していた少女と同じ人物とは思えぬほど弱々しく、目に微かに涙を浮かべ全て諦め絶望した悲愴な表情を浮かべていた。


 端まで駆け寄り少女の落ちた下を見るが、少女の姿は無かった。前回のも気のせいじゃなく今の様に…そんな事を考えながらも只々そこに立ち尽くす事しか今は出来ないのだった。


 ◇


 ぱちりと、寝起き特有の体のだるさも無くやけにスムーズに目覚めた。だが、夢の最後に見た少女の表情が頭をよぎりチクリと胸に痛みが走る。

 何だってんだ…前と同じ夢、何かの警告か何かなのだろうか?

 何をしろってんだ…とはいえ夢の事をうだうだ考えていてもしょうがない。そう切り替え今日も変わらぬ1日へと踏み出すのだった。


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