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クラスの大半は幽霊さん①

 森野真心の教室は、一階の一番左奥に存在していた。

一階のため、階段を上らずに済み、森野真心は先ほどの変な会話を忘れて機嫌よく教室に入っていった。

 しかし、教室に入ると中には二人しかおらず、始業時刻五分前になっている現在、とても不自然である。とりあえず、自分の席に座って中にいた男子生徒と女子生徒に話しかけてみた。

 

 「なぁ……、まだ二人しか来てないのか?」

森野真心は中学時代の演劇部での修行を駆使して、持ち前の明るさとで男子を演じる。これならだれも不審に思わないだろう。

 思った通り、何の指摘もなく、男子生徒は答えてくれた。


 「なんだ、お前、知らねーの?このクラス、もう全員来ているんだと思うんだよな。俺たちには見えないけど」

男子生徒は気取ったようにして答えた。見た目通りの性格なのか、こいつと思ったのは、彼が金髪にちかい茶髪で右耳には小さなピアスを付けているからである。

 「全員……?」

は……、何言ってんだこいつと思い、もう一度辺りを見回すが、何もいない。

 

 「そうですよっ。たぶんいるんです、この教室に幽霊さんが」

男子生徒の代わりに答えたのは女子生徒。女子生徒はいかにもお嬢様と言うようなおしとやかな雰囲気をまとっていて、ワインレッドのふちが妙に印象に残る黒髪の和風美人である。


 「幽霊さんって……だってここは――」

俺が答えようとした言葉を代わりに言ったのは男子生徒。


 「人間科だからおかしいって言いたいんだろ?」

ふっと不敵に笑ってほんと、何も知らないんだなと言ったような顔。

その問いにゆっくりと頷いて次の言葉を待つ。


「人間科だからといって人間だけじゃないんだよ、この学校」


その言葉は俺に、森野真心に強い衝撃を与えた――



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