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ぼくは家族  作者: 久乃☆
4/4

お母さんの手

~お母さんの手~



 帰ってきてから、お母さんは少し横になっていた。


 大ちゃんは、ずっとお母さんのそばで寝ていた。


 ボクは、お母さんから離れたところでじっとしていた。


 

 きっと、お母さんはすごく怒っていて、もう二度とボクの名前を呼んではくれないんだ。


 今までみたいに優しく撫でてはくれないんだ。


 ボクが悪い子だから。



「大ちゃん、そばにいてくれたの? ありがとう」



 お母さんが目を覚ました。 


 ボクはじっと、お母さんを見ていた。



「福ちゃん、どうしたの?」



 あ! お母さんがボクの名前を呼んでくれた。



「母さん、福は乱暴ものだから、そばによらない方がいいよ」


「仁、そんなこと言わないで。あの時は、母さんも悪かったのよ。犬の喧嘩に手を出すなんて、してはいけないことだったのに……。

それに、福ちゃんは噛もうと思って噛んだわけじゃないわ」



 やっぱりお母さんはちゃんとわかってたんだ。



「福ちゃん、おいで」



 ボクはゆっくりとお母さんのそばに行った。


 そして、そっとお母さんに頭をこすりつけた。


 ごめんね。


 お母さん、痛いことして、ごめんね。



「福ちゃん。お母さんが悪かったね。ごめんね。

お母さんは大丈夫だよ。福ちゃんは、何も悪くないの。

気にしないでいいのよ」



 そう言って、いつもと同じように優しく撫でてくれた。


 ボクは、もう雪の日に一人になることはないんだと思った。



 お母さんがずっと、ずっと前に言っていた。



「福ちゃんは、大ちゃんと同じ。

家族なんだよ。

仁君と同じ、家族。

お父さんとお母さんの子供だよ。

大好きだよ」



 ボクはこの時、その言葉を思い出していた。


 ボクは、家族なんだ。



 お母さんの優しい手がボクを撫で続けている。




fin


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

久しぶりに読んでみて、あのときのことがよみがえりました。今では噛み傷が腕に残る程度で、完治してます。かなり酷くて、一時はどうなるかと思いましたが、それでも噛んでしまったことを悔やんでいるワンコの顔を見たら、怒ることもできずに『ごめんね、お母さんが悪かったね。大丈夫だからね』としか言えなかった

今は、二匹が喧嘩するとフライパンとお玉を打ち鳴らしてます。

終息のゴングwww

これって、結構効果あります╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

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