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ぼくは家族  作者: 久乃☆
3/4

そばにいさせて・・・

~涙~



 お母さんが泣いた。


 すごく震えていた。


 血が流れる腕をぼんやり見つめたまま、座り込んで泣いていた。


 ボクも大ちゃんも、どうしたらいいのかわからなくて。


 でも、すごく大変なことをしちゃったって思った。


 お母さんはフラフラしながらお風呂場へ行くと、シャワーで傷口を洗い流していた。




~包帯~



 お母さんと仁君が出かけていった。


 お母さんがタオルで腕を抑えて、仁君が震えるお母さんを抱えるようにして、外に出て行った。


 ボクも大ちゃんも、もう喧嘩はしていなかった。


 だって、お母さんのことが心配で、それどころじゃなかったから。



 しばらくすると、お母さんが真っ白な包帯をして帰ってきた。


 ボクは心配で、お母さんのそばに寄った。そしたら、仁君に怒られた。



「お前は危ないから、そばによるな! あっちへ行ってろ!」



 って……。


 大ちゃんは不安そうな顔をしながら、お母さんのそばにいた。


 なんでボクだけ、そばにいたらいけないの?


 ボクが噛んじゃったから?



 

 ごめんね。


 噛むつもりなんてなかったんだ。


 ボクは、大好きなお母さんを傷つけたんだね。


 ごめんね。




 心が痛いよ。


 なんでだろう。この気持ちは、なんだろう。


 心がとっても痛いよ。


 ボクはもう、お母さんのそばに寄れないの?


 お母さんのそばによってはいけないの?


 お母さんは、ボクを嫌いになったのかもしれない。


 

 ボクは不安で仕方がなかった。


 真っ白な雪が降ったら、ボクはまた一人になるのかもしれない……。




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