クリスマスStation
久しぶりに短編投稿です。
クリスマス。
もともと太陽の誕生を祝う日だったのがキリスト教化され、キリストの誕生を祝う日になったもの。
本来この日はとても神聖で清らかな日である。
そう決して……決して男女交際の足掛かりにしていい日ではないのだ!
学校でそう力説し、クラスメイト達に冷たい目で見られ、婚期を逃した女教師に共感された日の帰り道。
何とも形容し難い気持ちで駅のホームに立っていた。
ホームにもカップルは沢山いる。
心がどんどん荒んでいくのを自覚し始めたとき、子供の鼻歌が聞こえてきた。
「〜〜〜♪〜〜〜♪」
あぁ懐かしい。曲名は忘れたけど、真っ赤なお鼻の〜、で始まる歌のイントロだ。
「真っ赤なお鼻の〜♪」
決して上手ではないが、大きく明るい歌声。
僕だけでなくホームに居るみんなも温かい視線を送っていた。
「大山君は〜♪」
大山君!?トナカイじゃなくて大山君!?
僕だけでなくホームに居るみんなの顔も驚愕に染まっている。
「いっつもみんなの〜笑い者〜♪」
大山君イジメられてるぅ!!
僕だけでなくホームに居るみんなも心の中で叫んだ(はずだ)。
「でも〜その年の〜♪クリスマスの日〜♪小林先生は〜言いました〜♪」
お、先生が出てきた。よかった……これでイジメは終わるはず。
僕だけでなくホームに居るみんなも安心した。
「暗いよ君の〜性格は〜♪」
…………あれ?
僕だけでなくホームに居るみんなも一瞬、呆然とした。
「お前は何か〜役に立つのか〜♪」
先生もイジメに加担してる――――っ!!
しかもかなり辛辣だよ!!まだ笑ってる生徒の方がマシだよ!!
僕だけでなくホームに居るみんなも軽く戦慄した。
「いつも泣いてた〜大山君は〜♪」
泣いてたならやめてやれよ!!
僕だけでなくホームに居るみんなも大山君に同情した。
「去年の今日に〜旅立ちました〜♪……あ、電車だ!」
え?旅だった?どこに?……もしかして…………。
みんなも同じことを考えたのか、電車が来たにも関わらず、その子以外の誰も動かなかった。
ホームにはクリスマスに似合わない、重たい空気が流れていた。
クリスマス。
もともと太陽の誕生を祝う日だったのがキリスト教化され、キリストの誕生を祝う日になったもの。
本来この日はとても神聖で清らかな日である。
でも、誰と、どう過ごそうが……楽しければ……いいんじゃないかな。
その後、ホームに来た子供の会話から、大山君はただ転校しただけだということが判明。
そのときホームでは、長く深い溜め息が一斉に吐かれた。
どうもカルタです。
まず始めに……全国の大山君、そして小林先生、どうもスンマセンでしたぁ!
そして、最後まで読んでくれた方、少しでも面白いと思ってくれた方、ありがとうございました!