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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
始まりの彼が存在する物語 五輪 始動編

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もう1人のサイキッカーの誘い

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

「手を組むって……?」



 一体何を狙っているのか、弥一はコメットの狙いを心で探ろうとする。



『(無駄だよ、僕は心で晒すような真似はしない)』



「!」



 聞こえてきたのはコメットによるテレパシーの声で、彼の心を探る事が出来なかった。



 彼が相手の時は直接話すしかないと理解し、弥一は改めて彼と向き合う。



「アメリカのスポーツといえば何か、思いつく物は何かな?」



「それは──野球、バスケ、アメフト辺りでしょ。実際にそれが全米で大人気って聞くし」



 突然コメットからアメリカを象徴するスポーツについて聞かれ、少し考える素振りを見せた後で弥一は答える。



「そうだね。実際そのリーグも世界トップクラスと言われてて、サッカーが入る隙間は全然無い」



 予想通りの答えだったせいか、コメットは弥一が言った後に言葉をすぐ返していた。



「僕はサッカーが好きで本気でやってる。やるからには揺るぎない世界一にしたい、アメリカといえばサッカーと全世界の人々が当たり前のように答える程にね」



 心を読ませないコメットだが彼の輝く目を見る限り、アメリカをサッカーで世界一にしたいという彼の願いは本当に思える。



 これで演技なら一流の役者顔負けだ。



「つまり、僕と組んでアメリカの人々にもっとサッカーを認知させようって事かな?広告塔とか、そういうので活用したり」



「勿論、君にも大きなメリットはある。我が会社がスポンサーとなり、全面的に君をバックアップする事を約束しよう。生まれたばかりの子を2人抱えて、君や君の妻も苦労が多いはずだ。何も悩まず、心置きなくサッカーが出来るような環境にしてみせる」



 ミランに所属して結果を出している弥一はイタリアのみならず、世界のサッカーで存在を知られてきている。



 その地位を使えば、アメリカのサッカーに大きな良い影響を与えて注目度が高まるかもしれない。



 無論、弥一を一方的に利用するのではなく、コメットは持ち前の財力を使って彼の環境を最高の物にしようと考えていた。



 彼は妻や子供をサッカー以上にとても大切にしている。


 そういった情報をコメットは心を覗き込み、知った上で彼へのメリットを用意。



 ビジネスで大人を相手にやり込み、磨き上げた交渉術で弥一を協力させようとしている。



「……」



 弥一はコメットの方を真っ直ぐ見た。


 今回、心を読む事が出来なくて彼の真意まで読む事は不可能。



 その中で彼は再び口を開く。



「本当に考えてるの、サッカーだけ?」



「100%そう、と言ったら嘘になるかな。利益とか、そういった事も正直色々考えてるよ。これでも社長という身なんでね」



 純粋にサッカーの為だけではない、その事をコメットは笑みを崩さないまま弥一へ告げる。



 彼がサイキッカーである事を知っているので下手に装ったりする気は無く、他に下心のような物があるのは隠そうとしなかった。




「──話が上手すぎるねー」



 此処で弥一の顔にも笑みが浮かぶ。



「そういう都合が良すぎる話って、昔から裏があるもんだから何か企みがあるように思えるなぁ」



 相手の心が見えなくて自分にとっては上手い話。


 心は読めなかったが、これは簡単に乗るべき事じゃないと彼の中で警報が鳴り響く。



「これは僕達じゃなく、クラブを運営する人とかが決める事だよね?勝手に僕達で色々決めるのは違反とか色々引っかかって不味いでしょ。それに──スポンサーの大きな会社なら間に合ってるからさ♪」



「──日本の黛財閥の事か」



 弥一には主に日本最大の大企業、黛財閥がスポンサーとなってもらっている。


 コメットの会社がどれだけ巨大でも、それを裏切って勝手に手を結ぶような事はしない。



 既に弥一はサッカーで恵まれ、多くの物を手にしているのでコメットの言うメリットには惹かれなかった。




「ま、そういう事なら分かった。無理には手を組めと強制はしないよ」



 弥一からは自分と協力するような気配が無いと感じれば、彼はあっさりと協力関係を諦める。



「あれ、どうしても必要とか食い下がりはして来ないんだ?」



「そんな事しても君相手には無駄だと読めるからね。直接話して会ったりしただけで今日は満足しておくさ」



 今回話してみて、コメットは神明寺弥一という人間を理解したらしく、これ以上の深追いはしなかった。



「神明寺弥一という人間も理解出来たし、人を理解するには電話やリモートで話すよりも直に話した方が良い」



 弥一がコメットをどういう人物なのか読み切れなかったのに対し、コメットの方は分かったようだ。



 周囲の親しい人達をとても大切にする者であると。



「僕としては君のサッカーしている所、すっごい気になるけどなぁ」



「そう焦らなくても近い内に見せるよ。五輪の舞台、僕はそこにアメリカ代表として出るから」



 自分のサッカーは代表戦、それも五輪という世界最高峰の大舞台で見せると、まるで選ばれる事を確信してるかのような言い方をする。



「なんか絶対選ばれる自信を感じるね。僕は選ばれるか知らないとして」



「下手な謙遜は止めたまえ。君と同じ世代で君より優れた選手は日本に存在しない……それで五輪に呼ばれなければ監督が強く嫌ってるか、どうしようもなく無能って所かな」



 弥一を上回るプレーヤーはコメットが調べた限り、同年代どころか全ての年代でも見ていない。



 ミランで活躍し続け、今や日本サッカー界の若き王だ。



「それに、呼ばれたら狙うんだろう?ただの優勝ではなく、無失点優勝での金メダルを」



「……分かっちゃった?」



「神明寺弥一という人間を見てきたからね。完封勝利に拘り続け、どんな試合だろうがゴールを絶対許したくないってさ」



 どんなに記録を積み上げようが満足せず、満たされる事もなく何処までも獲物を狙い続ける貪欲なハンター。



 コメットが収集したデータ、直に見てきた弥一の姿と心を総合すれば彼への印象はこんな感じだろうと。



 弥一を見て微笑んだまま、全てを見透かすように告げていた。



「君との話でついつい夢中になって日が暮れそうだ。とりあえず渡しておくよ連絡先」



 コメットは弥一の方へ近づくと、すれ違いざまに彼の胸ポケットに白い紙を入れておく。



「色々と忙しい身ではあるけど、君からの誘いは何時でも歓迎するからね」



 それだけ言ってコメットは歩き去って行き、スタンドには弥一だけが残る。




「(僕と同じ心を読める人間……いたんだ)」



 弥一の中でコメットという人間が強く焼き付いて離れない。



 唯一無二と思っていたら彼も心を読める超能力の使い手で、弥一よりも上手く使いこなしている感じがした。



 彼がサッカーに深く関わり、代表として五輪に出ると言っていたので現時点では分からない。



 ただ、互いの国が予選を突破して弥一とコメットが共に代表に選ばれれば、そこで戦う可能性はある。



「(ま、今はチャンピオンズリーグだ。彼の事は後回しでいいや)」



 弥一はミランの一員として欧州の大舞台で戦う身。


 彼の事は一度置いておき、大事な試合の方に目を向けた。



「あ〜、ジュース買い直しだ〜」



 スタジアムを去る前、自らの落としたジュースを拾い上げ、汚れた地面を綺麗に拭き取っていく事も忘れない。





「(これで良い、今はね……)」



 コメットは黒い車の車内にいて、窓からドイツの街を眺めた。


 彼としては手を組む事の成功や失敗はどうでも良い。



 元々成功するとは思っておらず、彼と直に話した事そのものが大きな収穫だった。



「(やっと会えた僕以外の超能力者……君は僕の手中に収めるよ神明寺弥一)」



 その目は野望に満ちており、不敵に笑っている。

弥一「ふ〜、サッカーせずにただの話で2話もやっちゃったよー」


勝也「出番無かった分、お前のターン結構来てんな」


弥一「ま、そこは主役ですから♪勝兄貴が王道な主人公っぽいけど、僕が主人公だし〜」


勝也「主役の座は取らねぇって、タイトル変わるだろそれ」


弥一「えーと、「サッカーの熱血キャプテンは高校で家庭作って養う為に奮闘する!」て所かな〜?」


勝也「そんなサッカー小説見てくれんのかよ……!?」


弥一「何がバズるか分かんないからねー」

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