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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
もう一つのサイコフットボール 始まりの彼が存在する物語 国内プロ&U-20代表編

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新たにプロの世界へ飛び込んだ者達

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 再び開幕の時を迎えたJリーグ。



 スタジアムは超満員で熱狂的なサポーター達が集う。



 特に前回覇者で3冠を達成した東京アウラの試合、空席が毎試合全く無い程だった。



「ハッハァ!!」



 今年も東京の守備を支えるイタリア人DFのマグネス。


 相手がゴール前へ出したパスに反応すると、2m近い巨漢からは想像のつかないダッシュ力で迫り、パスをカットすれば右足で力強く蹴り出してクリア。



「右、上がって来てる!対応遅れるな!」



 マグネスと共にゴールを守るアメリカ人GKロッド。


 昨年と比べて今年はより多く、コーチングの回数を重ねるようになっていた。



 誰かの影響を受けているのかもしれない。



「良い感じだよ皆ー!その調子で今日も完封やっちゃおうー♪」



 そして去年のリーグMVP、アジア最強のDFと早くも呼び声高くなっている上、CM出演やアーティストとの共演で歌った事で色々話題となる少年。



 この春、高校3年生の弥一は東京アウラの要として定着。


 プロ2年目を迎えても彼は変わる事なく、何時ものように周囲の仲間へ声を掛けていた。



「全く万能な坊やだな。いくつ刀を持てば気が済むんだい?」



 この日の対戦相手となる清水スピリッツ、対戦チームの攻撃の要であるバスティオが弥一へと話しかける。



「いくつって言われてもねー、まぁ振れる分だけ♪」



 話しかけて来た相手に対して弥一は何時も通り明るく笑う。




『互いに連勝中と、スタートダッシュを切ったチーム同士の戦いとなった東京アウラと清水スピリッツの一戦!互角の展開となっています!』



『清水スピリッツはかなり若い選手を器用して、バスティオやスタータといったベテラン勢と上手くチームの融合出来てるおかげですね』



「(右が今なら薄めでドリブルが効果的!)」



 今回スタメンで右サイドハーフとして起用された賢人。


 清水の守備を右から崩しにドリブルで突き進む。



 ゴール前にボールを高く右足で上げると、そこに待っていたのは東京のエースFWジャレス。


 タイミング良く頭で合わせて清水ゴールを狙う。



 だが、これを素早い反応で飛びつくと両手でボールを取って大事そうにキープする。


 GKによるナイスセービングだった。



『ジャンプからのヘディングを止めたGKの工藤龍尾!父の作り上げたチームを倒そうと、プロの舞台で親子対決を繰り広げる!』



「もっと寄せろって!」



 キャッチで防いだ龍尾は味方DFに、そんな守備じゃ駄目だと文句を言う。


 その姿は高卒のプロ1年目なルーキーとは思えない。



「何でお前らの世代で凄いの集まってんだよー!?」



「俺に言われても知らねぇって!」



 この試合で指令塔の位置につく勝也はジャレスから文句を受けながらも、勝利に向けて今日も攻守で動き回る。




『おっと、此処で清水は選手交代。スタータ、バスティオに代えて照皇誠、酒井狼騎とベテランの2人を下げ、高卒ルーキー2人をなんと一気に投入しました!』



『昨シーズンは若い選手が大活躍でしたからね。清水の彼らも流れに乗れるかどうか注目ですよ』



 攻撃の要だった2人が下がると、フィールドに現れたのは龍尾と共に今年からプロ入りを果たした照皇、狼騎の高校最強FWコンビ。


 清水スピリッツは今季、将来有望なルーキー達の獲得に成功していた。



「プロの世界へようこそ──照さんに狼さん♪」



 フィールドに入って来た2人を歓迎するかのように、弥一は陽気な笑みを浮かべて話しかける。



「お前のいる世界にようやく辿り着いた……高校の時の敗北は此処で返す」



「先輩面して調子に乗ってる今の顔、ぶっ潰して変えさせてやるから覚悟しやがれ……!」



 静かながら照皇は弥一を見ると彼の闘志に火が点き、狼騎の方は殺気を纏わせながら睨みつけてきた。



「威勢が良いけど、あまり思わない事ですねー」




「──2人でなら僕を突破してゴール出来る、なんて甘い幻想は」



 その笑みが消えると共に獲物を狙う狩人の目となり、弥一は2体の獣を前に残らず狩るつもりでいる。




 弥一のスルーパスを封じようと、マークに付くのは狼騎が担当。



「照さん来なくて良いのかなー」



「フン、そう言って自分の方にマークを集中させようって狙いだろうが」



「あ、バレてたー?」



 マークする狼騎に弥一は早速、挨拶代わりと心理戦で揺さぶっていく。


 それが彼のやり口だと理解している狼騎は言葉に乗らず、持ち前の瞬発力と反射神経で、弥一の攻撃参加を阻む。




「(ったく、きっついな!高校の時に手強かった奴らが1つのチームに纏って向かって来るのは!)」



 八重葉の天才2人に牙裏の怪物。


 勝也からすれば高校のオールスターを見ている感じだった。



 攻撃を高校1、2を争うFWの2人が担い、守備では高校No.1の守護神と言われた龍尾が立ち塞がる。


 この3人が組むとなれば、彼ら相手に勝利するのは簡単ではない。



「こっち!」



 中央の勝也は左サイドでボールを持つ風岡へ向かって、右手を上げると球を要求する。


 風岡は左足で中央に折り返す事で、後輩からの要求に応えていた。



 勝也が右足でボールをトラップすると同時に、球を浮かせた所へ左足のシュートを蹴り放つ。


 コースは清水ゴールマウスから外れ気味だが、カーブで曲がっていけばゴール左上隅を捉える。



 そこに龍尾が驚異の反応を見せ、シュートに向かって跳躍から両腕を伸ばす。


 ボールは両掌に収まり、完璧なキャッチで止める事に成功。



『ああ〜!勝也の左足を使った良いシュートでしたが、これを工藤がダイビングキャッチで止めて来た!』



『いやー、ナイスシュートにナイスセービングの応酬は見応えありますねー!』




「!来るよカウンター!」



 狼騎にマークされながらも、弥一は相手の速攻が来ると叫ぶ。


 その言葉通りに龍尾は右足のパントキックを蹴る。



 ボールは低空飛行で左前方へ向かい、そこは弥一と狼騎の居る位置と反対側。


 龍尾は狼騎のいる所に弥一がいると把握し、今なら彼のインターセプトは無いと色々計算した上で送っていた。



『工藤からカウンター!清水の速攻だ!』



 龍尾のパスから清水は東京ゴール前に迫り、そこに照皇が走り込む。


 彼をマークするのはマグネスだ。



 ゴール前にパスが出れば照皇は胸でのワントラップから、ゴールやマグネスに背を向けたまま、右足を高く上げてボールを蹴る。



 東京の空いている右スペースに落ちていき、照皇のポストプレーに反応した狼騎が向かう。


 側には弥一が並走する姿も見えて立場逆転となっていた。



 落下してきた球に狼騎は飛び上がると、左足を高く上げてのジャンピングボレーで合わせる。



「いだぁっ!!」



 ボールを完璧に捉えて矢と化した瞬間、弥一がシュートコースに飛び込み、小さな背中でブロックする。



 弥一によって阻まれた球は東京ゴール前に転がり、照皇がセカンドを拾って再びシュートを狙おうとしていた。



 ──そこに立ち塞がる影から現れた者に気づかないまま。



「!?」



 照皇がシュートに行く前、ボールを掻っ攫った存在。


 目を見開く彼の側でクリアして、ゴールから遠ざけていた。



 超高校級の3人がプロ入りした事で、今一つ脚光を浴びていなかった影山が活躍を見せる。


 密かに彼も東京アウラへ入団し、弥一や勝也とは立見や代表に続いてのチームメイトだ。



「痛いけど助かったぁ〜、影山先輩ナイスー♪」



「ちっ……あの地味野郎の事を完全に忘れてたな」



 痛そうに背中を擦りながらも、悔しさを見せる狼騎の横で弥一は影山を褒め称える。




「弥一、勝也、龍尾、照皇、酒井、影山……この辺りは確定ですね」



 会場の上にある観覧席で、マッテオはメモを取っていた。



 そこには代表メンバーの名前やフォーメーションと、代表に関する事が色々と記されている。



 世界との戦いに向けて、選手達と共に監督も動き出す。

弥一「皆それぞれプロ入りしてるねー♪」


照皇「来てほしいと熱望されたので入団した」


龍尾「元々いた八重葉と同じ静岡ってのもあるしな」


狼騎「こいつらと一緒になるとは聞いてねぇ」


影山「僕もまぁ、是非入って欲しいって言われたから……高校の凄い3人と並んで僕大丈夫かなぁ?」

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