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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
もう一つのサイコフットボール 始まりの彼が存在する物語 国内プロ編

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リーグの前半戦を駆け抜ける

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 ダービーマッチを制した東京アウラ。10連勝を達成は出来たが、勝也の出場停止という痛手を負って第16節の鹿島ブレイバーズを迎える。



 この試合で11連勝とさらなる連勝記録を狙っていく東京アウラだが、それを簡単に許す程名門クラブは甘くない。



 松川の負傷に加えて勝也の出場停止。東京は風岡とジャレスを中心に攻撃を組み立てるが、鹿島ブレイバーズが2人を徹底マークしたり、弥一の上がりにも目を光らせていた。



 前節に衝撃のゴールを決めているので、当然警戒はされる。



「(そっちが点をやらないなら、こっちも絶対あげないからねー!)」



 攻撃の隙が見つからなくて弥一は守備に専念。ゴール前に送られたスルーパスをカットすれば、ボールをクリア。



『神明寺このパスを潰した!残り時間は後僅かとなっていく!』



 時計は刻一刻と進み、アディショナルタイムの数分が経過している。スコアは0ー0と両チーム無得点のまま、試合終了の笛が鳴り響く。



『此処で試合終了!東京アウラと鹿島ブレイバーズの試合は0ー0のドロー、勝ち点1を分け合う形となりました』



『松川に神山勝也の欠場でこの試合をドローで乗り越えたのは大きいと思います。結構攻め込まれる所があったり、攻撃チャンスが少ない中での試合でしたからね』



「あ〜引き分け〜」



 試合が終わると同時に、弥一は天を仰いだ。ドローとなってしまい、東京アウラの連勝記録は10でストップ。それでも勝ち点1を積み重ねて、連続無失点記録は11に伸ばす。



 東京アウラ0ー0鹿島ブレイバーズ



 マン・オブ・ザ・マッチ


 風岡亘




 続いて翌週の第17節は川崎ナイトスターとの一戦。この試合から松川が怪我から戻り、勝也も出場停止が解かれた。



 それでも相手は手強く、序盤から激しい試合展開となって攻め合う。



『撃ったロングー!これをロッド落ち着いてキャッチ!』



「ナイスナイスー♪1本も通しちゃ駄目だよー!」



「当然だ」



 シュートを真っ向で掴み取ってから、弥一の声にロッドは表情を変える事なく冷静に応える。



 派手なスーパーセーブは見せず、1つ1つのボールに対応していく堅実なセービング。それがゴールに鍵をかけて、より強固な守備を築き上げていた。



『川崎ナイトスターのミドルをロッド、正面でキャッチして離さない!』



『今のは結構伸びの良いシュートでしたが、よくファンブルせず取りましたね』



 ボールをキャッチしたロッドは右足のパントキック。ボールは高く上がってジャレスに向かい、相手DFと競り合いながらジャレスは頭で落とす。



 賢人に渡って右サイドをドリブルで駆け上がると、立ち塞がる1人を太一とのワンツーで躱し、ゴール前へ猛然と向かう勝也へパスを出した。



『源田からゴール前、勝也だ!』



 DFが寄って来るよりも先に、勝也の右足による一閃が速い。シュートで飛んだ球は加速が付いてゴール左隅と、良いコースを捉えている。



 これをGKが両手で弾き、叩き落としてのナイスセービング。だがそこに韋駄天の如く、風岡が零れ球に突っ込んで行く。



 押し込んでゴールネットを揺らせば、東京サポーターの大歓声がスタジアムを包む。



『押し込んだ風岡ー!勝也のシュートが弾かれた所を詰めていた!これが日本を代表するスピードスター!!』



「ルーキー達に負けられるかってんだよ、なぁ!?」



 アウラの10代の選手による活躍。それが風岡の火を点けてゴールを決め、太一と肩を組んで喜ぶ。



 これが決勝点となり、東京アウラは再び勝ち点3を積み重ねていった。



 東京アウラ1ー0川崎ナイトスター



 風岡



 マン・オブ・ザ・マッチ


 ロッド・アンダーソン




 第18節の相手は京都マウンテン。この試合は相手が攻撃に出て、12戦無失点の守りを崩そうという気迫が伺える。



「通すかよ!」



「セカンド気をつけろー!」



 それを勝也、太一のダブルボランチを中心に、攻撃重視で来る相手を通さない。



 一方の攻撃はこの日運が悪く、ジャレスがシュートを放つも連続でゴールポストを叩いてしまい、その度に頭を抱えていた。



『あーっとジャレス此処も外した!この試合何度ポストに嫌われてるのか!?』



「ああ畜生ー!」



 絶好のチャンスを何度も逃して、ジャレスは悔しさを見せる。



 その後に京都マウンテンが再び人数をかけて、攻め込んで行くが彼は思い通りにさせない。



「はいナイスパスっと♪」



 弥一がパスを読んでカット。相手の攻撃を断ち切ると、太一にパスを送ってカウンターに繋げていく。



『神明寺から太一、松川、源田!東京のパスが面白いように繋がっている!』



 中盤で素早くパスをほぼワンタッチで回すと、右サイドの賢人からジャレスにボールが向かう。



「(止めろよポストー!)」



 もうポストに嫌われるなと心の中で願いながら、ジャレスはワントラップで寄せて来るDFを躱し、右足でシュート。



 ゴール右隅に向かう際どいシュートは、GKのダイブも及ばない。するとゴールはまたもポストに命中したが、今度はゴール内へと入っていった。



「うおーー!!」



 ポストに当たった時、またかと一瞬頭を過ぎるがゴールを決める事が出来て、ジャレスはスタンドへ向かえば心のままに吠える。



 この得点をアウラは守りきり再び連勝。無失点記録も13と益々伸ばしていく。



 東京アウラ1ー0京都マウンテン



 ジャレス



 マン・オブ・ザ・マッチ


 源田賢人




 前半戦の最後となる第19節、その相手となるのはフルール大阪。



「前半ラストだよー!皆応援よろしくー♪」



「おー、今日も無失点頼むぜ弥一ぃ!」



「勝て勝てアウラー!」



 弥一の呼び掛けに沸いてくるサポーター達。この試合でも熱い声援を送り続ける。



 シーズン途中で衝突していた事が嘘のようだ。




「(すっかり暴れてますね弥一は)」



 VIPの観覧席から弥一の姿を見るのは、イタリア時代の彼を指導してきたマッテオ。



 彼が試合に参戦してから、チームは負け無しの上に無失点記録更新中と、チームを波に乗せている。



『オフサイド!此処は惜しくもフルール大阪進めません』



 今のオフサイドも弥一がすかさずDFラインを上げて、罠に嵌めている事がマッテオから見れば分かっていた。



「(そこに貢献しているもう1人……)」



 マッテオの視線が弥一から、前を走る勝也へと移っていく。



 その勝也が向かうと分かっていたのか、弥一は大きく蹴り出してロングパス。



 正確無比にしてシュートのようなスピードによる、レーザービームと化したボールが勝也の元へ届けられた。



「おおっし!」



 急な弥一のロングパスにDFの対応が若干遅れ、勝也はフリーの状態。そこから右足を振り抜き、矢のようなシュートがゴール右に向かう。



「っ!?」



 そこにGKが飛びついていくと、手元でボールが浮き上がり、ホップしてゴール右上隅へ球がネットに突き刺さる。



「っしゃあーー!!」



 目の覚めるようなシュートを決めた勝也は、ゴールの喜びからその場で吠えて、サポーターの歓声が彼に降り注ぐ。




『試合終了ー!東京アウラ前半戦のラストを勝利で飾り、これで14試合連続無失点!一体何処まで記録を伸ばす気だ!?』




「(神山勝也……弥一と一緒だからか分かりませんが、彼は日々輝きが増してる気がしますね)」



 弥一の驚異的なテクニックが目立つ中、マッテオは勝也の成長に注目。



 喜び合う弥一と勝也の2人を見ながら、彼は構成を密かに練っていた……。



 東京アウラ2ー0フルール大阪



 ジャレス


 勝也




 マン・オブ・ザ・マッチ


 神山勝也




 横浜グランツ 0ー1 ✕



 ストレングス大阪 0ー2 ✕



 アニモ札幌 1ー2 ✕



 名古屋エポラール 0ー3 ✕



 埼玉フォルテ 0ー5 ✕



 清水スピリッツ 1ー0 ◯



 フェニクスキング新潟 8ー0 ◯



 サンヴォレ福岡 2ー0 ◯



 リンダマール湘南 4ー0 ◯



 ジョイア静岡 1ー0 ◯



 ビクトリー神戸 1ー0 ◯



 柏リュミエール 2ー0 ◯



 横浜アーザ 3ー0 ◯



 サジタリウス広島 1ー0 ◯



 シエル東京 1ー0 ◯



 鹿島ブレイバーズ 0ー0 △



 川崎ナイトスター 1ー0 ◯



 京都マウンテン 1ー0 ◯



 フルール大阪 2ー0 ◯




 東京アウラ 13勝5敗1分け 得点27 失点13

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