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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
もう一つのサイコフットボール 始まりの彼が存在する物語 国内プロ編
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リーグ戦の始まり

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

「始まりましたー!東京アウラチャンネルの時間です!」



 明るいポップなBGMや演出と共に、東京アウラのユニフォームを着た青髪ポニーテールの女子が元気に挨拶。



「MCはお馴染みエミー!そして今日からこのチャンネルに素敵な仲間が加わる事となりました!」



 司会を務める女性のエミーより小柄な少年が登場。彼女の隣に立てば、15cm差ぐらいの身長差が分かる。



「どうも〜、東京アウラに新しく入った神明寺弥一です♪」



 クラッカーの音が鳴ると共に、テロップに「まさかの小さなビッグゲスト!」を出しながら弥一が登場。



「神明寺君はこのチャンネルに出てくれて私達と一緒に東京アウラを盛り上げたり、色々と話してくれるんだよね?」



「そうですねー、盛り上げ役という事で貢献出来ればなと思ってますねー」



 明るく笑う弥一に、下のテロップは「絶対盛り上がる」と出ていた。



「まずは神明寺君から見て、この東京アウラはどんなチームだと思う?」



「えー、多少辛口でも良いですかー?」



「勿論!そこは嘘偽り無し、お偉いさんへの忖度いらないから!」



 弥一のアウラへのガチ評価に、テロップからは「お手柔らかに……」というのが出る。そんな中で弥一の口から語られていった。



「攻撃は前回得点ランキングベスト3に入ったブラジル人のジャレス、不動のサイドプレーヤー風岡さんと、やっぱこの辺りが頼れてバンバン取ってくれそうな感じありますねー」



 攻撃陣に関して、弥一はこの2人が要で頼れると言い切り、2人の顔写真も表示される。事実、昨年の東京アウラはジャレスと風岡のおかげで、得点を荒稼ぎしていたのだ。



「中盤では風岡さん含めて若手やベテランを上手く融合させて、良いの揃ってますよー。その中で神山太一さんが特に運動量多く、広いプレー範囲で攻守において絡んでくれるから頼れる存在だと思いますー♪」



「確か神明寺君は神山選手とは前から親しかったんだっけ?弟さんの勝也君と同じ立見に通ってて、その前の小学生時代の柳FCでも一緒と聞いてるから」



「そうですねー。その繋がりで太一さんとも親しくさせてもらって、幼い頃よくラーメンとかチャーハン奢ってもらいましたよー」



 エリーは弥一の小学校時代の情報も把握済みで、その話が出て来ると弥一も当時の思い出について語る。



 弥一が長く思い出を語ってると、スタッフがカンペで次行ってと紙に書いて見せた。



「うーん、もうちょっと聞きたいけど時間の都合もあるから次行こうかー。神明寺君のポジションであるDFについて!」



 エリーはそのカンペに気づくと、良い所で区切ってから弥一にチームの続きを語ってもらう。



「DFはなんといってもマグネスの存在が色んな意味でデカいですよねぇ。イタリアA代表のカテナチオの番人で、リーグNo.1DFって言われてますし」



 東京アウラの顔と言っても過言ではないマグネス。彼のプレーが画面に映し出されると、圧倒的な高さのヘディングで相手に競り勝ってクリアしたり、鋭い読みでインターセプトを連発する姿があった。



「同じDFの神明寺君としては色々と手本になったり、目標の選手かな?」



「そうですねー、吸収出来る所はとことん吸収したいと思ってますし、守備で世界一と言われるイタリア代表のDFですから。神山さんと並ぶぐらい彼には注目してますよー」



 弥一とタイプは違えど、DFの大先輩。盗める技術があるなら盗み、自分の実力を更に高める事へ繋がる。



「共に中央を守る岩本さんも190cm近くあって堅いですよねぇ。左の佐々木さんも相当足速くて良い上がり見せますし、右の橋田さんもかなり粘り強い守備をしたりとDF陣も良いの揃ってますよー」



「そこで神明寺君はレギュラー獲得を目指して行かなきゃならないね」



「あはは〜、厳しいですね〜」



 同じDFとしては此処でポジションを取る事を目指す。弥一は笑って厳しい、と椅子の背もたれに背を預ければ天井を見上げる。



「GKは本道さんが不動ですよねー。長身で反応早かったり、足技も華麗ですから。あ、この前練習で上手いリフティングを彼は披露してました♪」



 最後にGKの紹介がされ、弥一は本道について練習であった話をして実はこんな事をしてたと、全国に伝える。



「辛口って言ってたけど、それらしい事無かったね?」



「いやー、そりゃ皆さん一流のプロですよ?駄目な所あったら国内トップリーグで戦えませんってー」




「まぁ皆さんより僕が一番上手いと思ってはいますけど♪」



 明るい笑顔で東京アウラの先輩より、自分が一番サッカー上手いと言い切る弥一に「ビッグマウスが出た!」とテロップが流れていた。



「でも開幕戦のスタメンどころかベンチにも選ばれてないんだよね?」



「あ、それグサッと来ます〜……」



 エリーの一言に、一転して落ち込む弥一。効果音と共に「開幕戦は見学確定」が表示される。



「そんな訳で神明寺君にはこれからも動画に出てもらい、色々やっていただきますから♪」



「え〜。色々って大食い企画とか箱の中身はなんでしょう?とかですかー?それか激辛挑戦に何かやるまで帰れません!とか〜」



「いや、これサッカーチャンネルだよ!?」



 弥一のボケにエリーがツッコミ、テロップには「バラエティの影響受けまくり」と出ていた。



 弥一初出演の動画は再生回数が伸びていき、コメントでは「可愛い♡」「ちゃんとボケたりエンタメしてるなぁ〜」「次はどんなビッグマウス飛び出すのか楽しみ」と、早くも彼のファンが出来ていた。



 中には「メンバー選ばれとらんから実力下じゃん?」「選手権で優勝して天狗になって挫折したか」「先輩が怖くて辛口評価出来なかったんか?もっと斬れや」と、批判的な意見もあったりしたが、注目度は間違いなく高い。



 そのせいか、J1の東京アウラ開幕戦は満員の客で埋まり、大きな盛り上がりを見せる。





「僕達選手で良かったねー、特等席で見れるよー♪」



 J1リーグの開幕戦。東京アウラのホームにて、横浜グランツを迎えての試合で弥一は勝也と共に、一般では立ち入る事の出来ない選手専用の席から、フィールドを見下ろしていた。



「本当だったら俺らもあそこ、いたかもしれないんだよな……」



 入場してくる両チームの選手達を見て、勝也はプロのフィールドに立ちたい思いが沸々と沸いてくる。



 今回は先輩達のサッカーをしっかり見る為の勉強。それは理解していたが、やはり出たいという気持ちがどうしても強くなってしまう。




「まー、今は勉強と同時に観客としても試合を楽しんじゃおうよ♪ほら勝兄貴の好きなオレンジ〜」



「お、おお」



 弥一は陽気に笑えば、勝也にジュースを勧めて自分の方も飲み物片手に観戦する。



「(CM出演といい、PRの為の動画出演……すっかり気持ち切り替えて仕事してんだなぁ)」



 弟分が本業のサッカーではない分野で活躍してるのを見て、勝也はプロとして仕事に徹してるんだと感じた。



 自分も何時までも開幕戦に出れなかった事を悔やみ続けるより、次に繋げようと目の前の試合を見る。





「なんだ……噂の神明寺弥一はいないのか」



「そりゃDFはポジション激戦だから、取れなかったんだろ。マグネス居るしさ」



 白いアウェーユニフォームを身に纏う、横浜グランツの選手達が会話を交わす。共に本日がプロデビュー。1人は右サイドのスペシャリスト、Uー19日本代表にも選ばれている辰羅川弥之助(たつらがわ やのすけ)



「まあ良い、今日はマグネス退治だ」



 もう1人は容姿端麗でモデルを思わせる男。Uー19韓国代表FWのキム・ユンジェイ。



 将来の韓国サッカーを間違いなく背負うと言われる韓国の虎が、東京アウラを狩りに動き出す。

弥一「動画配信デビューとなりましたー♪」


鞠奈「うーん、表情は自然体で硬さ無し。トークも特に噛む事なくスムーズ……ただ」


弥一「お、僕に何か課題あった?」


鞠奈「テロップの出し方が甘い!演出もなってない!もっとツッコミは面白く!此処で弥一君の面白さ引き出せなきゃどうすんの!?」


弥一「それは編集の人に言って〜」



勝也「いや、サッカーやれや主人公!何処目指してんだ!?」

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