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サイキッカーDFと天才集団の過去6

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

「元々ミランが強いのは知っていたけど……」



「強すぎだろ……!」



 ジョヴァニッシミの試合を見ていた相手チームのサポーターは呆然。




 ディーンを筆頭とした天才集団の活躍で、ミランはこの日も勝利して連勝。勝ちを重ねるだけでなく無失点記録も伸ばし続けている。



 弥一が新たにスタメンに選ばれてから連続無失点が続き、クラブの記録を超えるのは時間の問題で、ギネス記録まであるのではと言われる程だった。



 圧倒的な攻撃力、鉄壁の守備を持つ今のチームに死角は無く、イタリア国内でもはや敵無しの無双状態なのが今の彼らだ。



「俺ら強いねー!これひょっとして世界一どころか宇宙一行っちゃうんじゃないか!?」



「その前に宇宙サッカーやってんのか?」



 今日の試合も完勝に終わり、ランドはチームの強さに浮かれて調子良い事を言えば、トニーが適当に返しておく。



「リカルドー、この前行ってた美味しいパン屋行こうよー♪」



「おお、行くか。そこのパニーニは美味いぞ、特にパンチェッタが絶品なんだ」



「なんだ美味そうだなぁ、俺も腹減ってるから行くわ」



 弥一はリカルドが推すパン屋に試合後連れてってもらう。そこに腹を空かせたアドルフも便乗してきた。



 ちなみにパンチェッタとは塩漬けの豚肉の事だ。




 リカルドに連れてってもらうとパン屋でそれぞれパニーニを購入。広場にて3人は座れるベンチに腰掛け、パンチェッタにチーズやレタスを挟んでいて、弥一にとっては日本のサンドイッチに近い感じだ。



「うんまい〜♡」



 塩漬けの豚肉、チーズ、新鮮なレタスのマリアージュが旨味となって、弥一を幸せの世界へと誘ってくれる。



「くぅ〜、良い店知ってんなぁリカルドよぉ」



 同じくパニーニを美味しく食すアドルフ。



「美味い飯は活力になる、そういうのがなきゃ辛い連戦とか乗り切れないぞ。特に俺らの年代は育ち盛りなんだからな」



 美味い食事に妥協はしないリカルドは色々な穴場の店に詳しく、イタリアの地に疎い弥一とアドルフを色々案内してきた。


 この3人は外食仲間として繋がっている。



「暇そうだったからディーンも誘ったけどな。あいつはいいとか言ってボール蹴りに行ったし、まあ付き合い悪いわぁ」



「ディーンが付き合う事は早々に無いぞ。俺も何度も飯誘ったけど数回ぐらいしか付き合ってくれなかったし」



 パン屋に行く前、アドルフはディーンを誘ってみたが断られていた。


 不満そうに言いながらパンをかじると、リカルドはパニーニを平らげた後にディーンを誘った日々の事を思い出す。



 弥一やアドルフよりもディーンと付き合いの長いリカルドだが、ディーンは簡単に付き合わない事を明かす。



「だから弥一。お前にディーンがあんな付き合うのが不思議でしょうがないってクラブ内じゃちょっとした噂になってるぞ」



「そうなんだぁ」



 美味しいパニーニを食べつつ、弥一はディーンの内心について考える。



 一言で言えば彼はサッカー馬鹿だ。



 本当にサッカーしか考えておらず、思考も行動もそれで埋まっている。


 だからこそ数々の神業のようなテクニックが身に付いたのだろう。



 その根本にあるのはイタリアの復活、自分の国を最強にする事。



 ディーンは本気でサッカー強国を蘇らせようとしている。それに惹かれるかのように多くの者達がこの地に集っていた。


 日本から来た弥一も含めてだ。




 イタリアに渡って1年近くになろうとしている。弥一は今日もディーンと1on1で競い合う。



 何度こうして彼とサッカーで語り合ったか数え切れない。何度彼に躱され止められたのかも数え切れない。



 異次元の天才と言われるディーンには誰も勝てない。圧倒的な彼の才能は特別だと皆が思ってしまう。




「(そろそろ1回ぐらい、勝っておきたいよ!)」



 ただの一度もディーンからボールを奪えてもいない、それでも彼は食らいつく。





「……!」



 スピーディーにボールと共に動くディーン。弥一は飛び込まず抜かせないように付いて行った。




 次はこう動く、ディーンが動き出せば弥一も同時に動いた次の瞬間。



 2人の考えは完璧にシンクロする。




「!?」



 ディーンが切り返したと思えば、何時の間にかボールを左の踵に乗せて弥一の頭上を越えるように蹴り上げた。



 それを弥一は下がりながらジャンプすれば頭でカットし、前へと零れた球を素早く追いかけていった。



 弥一を追いかけるディーン。それに追い付く前に弥一の方が速くディーン側のゴールへとボールを運び、無人のゴールに蹴り込みゴールネットを揺らす。




「わー!やったぁぁーー!!ディーンから奪えたー!ゴール決めたー!」



 初めてデュエルで勝利した弥一。公式戦で初ゴールを決めた時よりも弥一にとっては嬉しかったようだ。



 はしゃぐ弥一、その前にディーンは目を見開いていた。



 するとその後に彼は口元に笑みを浮かべる。



「弥一、その感覚を忘れる前にもう1本だ」



「このまま勝ち越しちゃうよー♪」



 再び始まる弥一とディーンのデュエル、その中でディーンは心を躍らせていた。



 自分と対等に渡り合って来るライバルの存在に。

弥一「リカルドー、今度はパスタ美味しい店連れてって〜♡」


リカルド「それならあっちだな。次の遠征の時行けるからそん時な」


トニー「リカルドに良い飯仲間が出来たな」


ランド「あ、俺も行く!看板娘の彼女が美人だから!」


アドルフ「思いっきり女目当ての野郎居るぞー」


クライス「ったく……少しは誇りあるミランの一員だと自覚しろよな……」


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