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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第16章 アジアをぶっ壊せ!Uー20アジアカップ
436/658

人から見れば手のつけられない化け物集団

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 東京の水川学園は名門と言われ、実力はあるものの桜王や真島といった他の強豪校に及ばず負け続け、全国出場からは遠ざかっている。



 だが去年から優秀な1年達が沢山入り、彼らを1年間鍛え続けて今年2年となった選手達を軸に、今度こそ念願の全国出場を狙う。


 水川はインターハイ予選で立見と戦う事が決まる。王者相手でも昨年から鍛え上げた選手達なら、対等に戦えると自信を持って試合へと向かった。



 そのはずだったが、水川の控え選手で出番を待つ1年はアップも忘れてしまい、フィールドで行われている試合を見て呆然となっていた。




「(何なんだよ、これ……!?)」



 試合を戦う先輩達は実力者、彼らは必死で走っていた。



 それでも相手の繰り出す、シュートを思わせる程の速いパスに追い付けない。攻撃を先読みされているかのように、ドリブルやパスをカットされてしまう。



 時間はまだ前半、既に5点を取られていた。




『立見6点目ー!氷神詩音が前半で早くもハットトリックだ!!』



 立見の10番を背負う明。相手を引きつけて間を射抜くスルーパスが左サイドへと出れば、左を走っていた玲音が足元にピタリとボールを収める。



 左から矢のような低いクロスが蹴られると、水川守備陣がカットする間も無く、詩音が右足のダイレクトシュート。



 手を伸ばしてダイブするGKも届かず、水川のゴールネットは激しく揺らされた。




「ハットトリックおめでとうー♪」



「ありがとうー、良いクロスのおかげだよー♪」



 詩音と玲音が抱き合って喜ぶ横で、水川の守備陣は重苦しい空気が漂う。




「駄目だ……氷神兄弟手ぇつけられねぇよ、あいつら止まんない……」



「お、おい!諦めるなって!あいつらに渡る前に攻撃なんとか潰さないと、それに1点を返さなきゃならないし……」



 前半で既に大量リードを奪われて絶望が襲う。まだ諦めていない選手達がなんとか励ますと、再び試合へ臨む。




「(中学時代から見てきたけど氷神兄弟、高校入って益々キレキレになってるよ……それに加えて長身の石田に司令塔の緑山。双子だけでも厄介なのに他も要注意だから守備陣振り回されまくってる……)」



 氷神兄弟を中心とした攻撃陣に、先輩達が振り回されまくっている。1年の彼からすれば試合に出てる水川の選手達は格上だが、それよりも立見の選手達は上を行く。




 ようやく前半が終わると水川の選手達は重い空気のまま、ロッカールームへと引き上げ、束の間の休息に入る。



「失点覚悟で捨て身で攻めろ!相手は3バックで来ている。両サイドを積極的に使って行くんだ!」



 大量リードを奪われている水川。その監督は奇跡の逆転の為に、失点覚悟で点を取りに行けと指示。



 名門校として試合を捨てずに勝利を目指す、自分達の意地を見せる時だと。





「後半相手さん必死だからねー、弾き返して行くよー♪立見GOGOー!」



「GO増えてるよ!?」



「更に一つ上乗せして勢い付けようとしたけど、駄目ー?」



「いらんって!GOは1個だけ!ほら、やり直せキャプテン!」



 後半の円陣でキャプテンマークを右腕に巻く、弥一は勝手にアレンジさせての声掛けを行うが、大門や川田から注意されて弥一は不評だったかぁ、と仕切り直す。




「では改めましてー……立見、GO!!」



「「イエー!!」」





「僕らGOGOでも良かったけどなぁ」



「うん、勢いマシマシって感じで」



「氷神兄弟甘やかさないー。ほら、行って行って」



 弥一信者な詩音と玲音は賛成だった。そんな彼らに早く前線行くよう促す翔馬。




 後半が始まり、作戦通りサイドを積極的に使っていく水川だったが。




「っ!?」



 右サイドを進むと立見はサイド攻撃を読み、水川の両サイドへのマークを離さずしっかり付いている。




 ハーフタイムで監督からの作戦を受けて、それを立見が聞いているはずが無いのに先読みどころか、あの場でこっそり聞いていたんじゃないかと思ってしまう程だ。




 彼らが思っていた事を心で読まれた事など全く知らないまま、中央突破を狙う水川選手に対して、唯一1年でスタメンに出ているDFの京谷が相手のドリブルを冷静に読んで、カットに成功。



「おー、京谷ナイスー♪そこから左ー……」



 弥一がその指示を出す前に京谷は左の翔馬へとパス。これが起点となってカウンターに繋がり、玲音から中央の明に折り返し。



 ワントラップしてボールを浮かせると左足でゴール前、ハイボールを上げて半蔵の高さを使う。



 水川は落として来ると、ハットトリックを決めた詩音へ注意が向く。


 すると半蔵がポストプレーで落とし、ボールが転がる所に走り込んでいたのは川田だった。



 エリア外から左足のインステップキック。立見が誇るパワーシューターのミドルは弾丸のような勢いで水川ゴールに一直線。



 豪快なシュートで水川ゴールは今日一番に激しく揺れる。



「っしゃ!」



 2年の後輩に負けてられないとゴールを決め、両手を握り締めてガッツポーズの川田。


 そこに後輩達が駆け寄って先輩のゴールを祝福する。




「良いカウンターの起点なってくれたね京谷♪」



「左ガラ空きだったのが見えましたから」



 弥一が京谷のプレーを褒めると、京谷は出来て当然という感じだった。



「視野が広いなぁ、そういうDFは頼もしいよ♪」



「っす(相手がサイドから来ると後半開始前に先読みしてた……どんな事やればあんな事出来るんだよ)」



 言葉を交わす中、京谷は弥一が相手のサイド攻撃を先に見抜いていた事に、内心驚く。



 何故そんな事が出来るのか、世界レベルのDFならそれが普通なのか。




「(姉さん、とんでもねぇのと同じチームで活動してたんだな)」



 京谷の頭の中で思い浮かべるのは京子の姿。彼女も才女であり、立見で監督代理を務めていた。



 その京子と当時、共に立見を初の全国制覇へと導いた弥一。



 自分が超えようと目標にしている選手は小さいが、遥かに大きな壁だと京谷は同じフィールドに立って実感する。





「(本当に……同じ人間かよ?)」



 フィールドの外から呆然と眺める水川の1年。フィールドに倒れ込む水川の選手達は立ち上がる気力を失っており、ベンチの監督はコーチと共にどうする事も出来ないと頭を抱えて、お手上げ状態だった。



 少し前に2ー0で敗れた時とはまるで大違いだ。




 同じ世代でとんでもないプレーヤー、それも一つのチームに集ってしまっている。



 立見という場所に1人が惹かれて行き、また1人とその繰り返しがあった結果、立見は高校サッカー界の絶対王者として、各校から恐れられる存在となっていた。




 結局この試合で立見は名門水川相手に二桁得点を記録。水川は1点を返すどころかシュート1本すら撃てずに敗退する。




 立見11ー0水川



 詩音4


 玲音2


 石田2


 緑山1


 川田1


 歳児1

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