表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第16章 アジアをぶっ壊せ!Uー20アジアカップ
435/661

新入生達への立見式洗礼

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 4月を迎え、新たな新入生部員が入部してきた立見サッカー部。



 実力者揃いが集う中で特に注目を集める1年男子が居た。無表情で立っている姿はクールな雰囲気で優也と似ており青い短髪、額にヘアバンドを装着していた。


 180cmと1年の中では高めな方だ。



「あいつ、柳石中学の……」



「マジか、あいつも立見来てんのかよ……」



 他の新入男子部員ひそひそと話す、噂される程の実力者だ。




「(流石インターハイと選手権を連覇し続けている強豪校。結構な入部の人数だ)」



 僅かに周囲を見回すと、彼の周囲に多くの新入部員が沢山居る事がすぐ分かる。




「多くの新入生がこの立見サッカー部に来てくれて嬉しく思います♪皆此処で鍛えてレギュラー目指し頑張ってくださいねー。実力ある人は1年でも試合出られますから♪」



 立見の小さなキャプテン、神明寺弥一は3年の最上級生とは思えない。明るく幼い笑顔で部員達へと、チャンスが平等にあって実力ある者は1年でも関係なく、試合に出られると伝える。



 これには1年部員のやる気も高まっていた。上級生でも下級生でも関係なく、常勝チームのスタメンに選ばれるかもしれないと。


 新入生の中には自分が一番となって、試合に出るという負けん気の強い者何人か居る。



 先輩達とのレギュラー争いを制して自分がレギュラーになる、何人かのそういった心は弥一に丸見えだ。




「さあ、まず軽くウォーミングアップ……道場に行こうー♪」



 最初は軽くストレッチ辺りで体をほぐすものと思っていた、大半の考えを早くも裏切り、多くの部員を連れて弥一は道場へと案内する。



 この時多くの新入部員が「え?」となったのは言うまでもなかった。





「(何だこれ……!?)」



 道場に連れて来られると、畳の上で全員正座する。先輩部員どころかマネージャーや監督も座る姿を見て、自分達も戸惑いがある中で従い座っていた。



「もう立っていいよー、ほら1年も」



 3年の翔馬が1年へと声をかけて正座から立たせる。正座なら長くやらされるかと考えていたが、意外にも短時間で終わりだ。



「戸惑ってるねぇー1年の子達」



「去年は僕らも通ったもんだよねー」



 氷神兄弟の2人は去年を懐かしく振り返れば、次の準備へと入っていた。



「出た出た、1年は第2グラウンドで適当にペア組んでパス連だ」



「え、俺達の方がボール使っていいんですか?」



 3年の川田から指示を受けると、確認するように1年が尋ねてくる。こういうのは中々ボールに触らせて貰えないのでは、そう考える者が多数だ。



「気になるなら残って見学良いよー、何やってんのか気になるでしょー?」



 悪戯っぽく笑う弥一に1年部員達は気になるという問いに、小さく頷いて答える。



 すると弥一と同じ3年の優也が畳の上で向き合う。




 新入部員達が見る中で、優也が弥一へと掴み掛かっていた。



 いきなり取っ組み合いの喧嘩でも始まったのかと、彼らが驚いているのをよそに、弥一は掴もうと伸ばしてくる優也の手を躱す。



 優也は弥一に迫り、しつこく掴もうと手を伸ばし続ける。



 刹那、弥一が伸び切った優也の右腕を掴むと彼の勢いをそのまま利用し、優也の体は畳の上へと投げられていた。



 この早業に1年達は目を見開いてしまう。更に驚く事に叩きつけられたであろう、優也は何事もなく立ち上がる。



「受け身、上手くなったじゃん優也ー♪」



「1年半ぐらい続けてきた成果だ」



 投げられて畳へと打ち付けられる瞬間、受け身を取ってダメージを回避していた優也。




「俺ら……サッカー部入ったんだよな?」



「柔道部とかじゃない、はず……」



 サッカー部らしからぬ組み合いを展開され、本当にサッカー部か此処は!?と戸惑う者が多数。



 それを見て半蔵に三笠に立浪の2年達は俺らもああだったなぁと、1年前の自分を思い出し、戸惑う1年達を見て分かる分かると頷いていた。





「はい此処ゆっくりー、右へー……と見せかけて左斜めにダッシュー!」



 1年達を先頭に弥一の気まぐれで走る、強弱と方向が決まってしまう地獄のインターバルトレーニング。



 右へ左へと1年達は弥一に振り回されまくり、ひいひいと消耗する者が続出する。




「ほいっと!」



「うわぁ!?」



 サッカーマシンから打ち出される高速のボール。手本として詩音がスピードボールのクロスを右足ボレーで合わせて、ゴールへ鮮やかに決める。



 これに続こうとする1年達だったが、初見でこの剛速球に対応出来る者はほとんどおらず、空振りかボールに当たって倒れる者が続出していた。




「ううん、最初からハード過ぎたんじゃないかな?」



 副キャプテンの大門は1年達の悪戦苦闘している様子に、いきなり練習がハードモードだったんじゃないかと、彼らの身を心配する。



「けど、その中で良いのは居るねー」



 弥一が見つめる視線の先、そこには辛い顔を見せずに汗を流しながら先輩達の練習について来る、青い短髪ヘアバンドの1年男子が居た。




「彼は確か……」



 大門が何かを言う前に弥一は動き出す。






「休憩ー」



 武蔵の声で休憩へと入り、1年達がバテバテになる中で弥一は1人平気な彼の元に駆け寄っていた。




「流石、柳石中学で最強のエースキラーと言われてて凄い身体能力だねー、倉石京谷(くらいし きょうや)君♪」



「光栄ですね、高校No.1プレーヤーに知ってもらえるのは」



 近寄って来た弥一に眉一つ動かす事なく、京谷と呼ばれる少年はペットボトルの水を飲んで水分補給をしていた。


 大抵は高校のスーパースターで生きる伝説として知られる、弥一が来たら反応は大きくなるものだが、彼は違った。



 明のようにあまり喋れない、とも違う。むしろ堂々としているぐらいだ。 




「京子姉さんが通い、サッカー部は全国制覇。それで興味惹かれて此処を熱望した……て所かな?」



「聞いたんですか、姉さんから」



「 うん、従弟が立見に行ってサッカー部に入るからビシバシ鍛えてやってほしいって♪」



 同じ倉石の苗字を持つ京谷。彼はマネージャーで監督代理も務めていた、倉石京子の従弟だ。



 柳石中学でメキメキと力をつけて、中学サッカー界で知られる存在。実力ある従弟が居た事を京子からの連絡で知った時は、弥一も驚いた程だった。




「ええ、よろしくお願いします……ビシバシ鍛えられて、貴方からDFのポジション奪いに行きますから神明寺先輩」



 頭を下げて謙虚かと思えば、京谷は大胆にも弥一からポジションを奪うと宣言。今までそう言って来る後輩を見たことが無かった。


 これを弥一を崇拝する氷神兄弟達が聞いていたら、騒ぎになっていたかもしれない。



 ただ宣言された弥一は驚かない。彼が最初から自分に勝とうとしている事は心で分かっていた。




「楽しみにしとくよ、後輩君♪」



 弥一からポジションを奪いに来た新たな世代、弥一はこれに面白いと笑った。

詩音「神明寺先輩からポジションを奪う、ねぇ?」


玲音「そう言ったんだぁ、倉石とかいう1年」


詩音&玲音「「一回シメようか」」


半蔵「待て待て待て!」


摩央「最近の1年はそんなビッグマウス言うようになってんのか」


優也「あいつも全試合無失点とか超ビッグマウスだったけどな」


宜しければ、下にあるブックマークや☆☆☆☆☆による応援をくれると更なるモチベになって嬉しいです。


サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ