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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第16章 アジアをぶっ壊せ!Uー20アジアカップ
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頂点に最も近いプレーヤー

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 Uー20アジアカップを制した日本。Uー20ワールドカップ出場の切符と共に優勝を持ち帰り、帰国した彼らを記者達が放っておく訳がない。



「日本ー!アジアチャンピオンおめでとうー!」




 ファンの歓声や多くのカメラによるフラッシュと共に出迎えられた選手達。彼らはこの後に会見へと臨む。




「日本にとって因縁の地でアジアの頂点、完璧な結果で凱旋帰国となりましたね」



「ええ、ですがまだ通過点なので気を抜いている場合ではありません。アジアも手強かったですが世界はそれより更に手強く厳しいですからね」



 記者会見が始まり、まずは監督のマッテオが答えていく。


 アジア制覇は成し遂げたがまだそれは通過点、既に次のUー20ワールドカップを見ている。



 すると別の記者が弥一へと質問をしていた。



「神明寺君。オーストラリアとの決勝でまたカウンターシュートを見せてくれましたが、再現は難しいと以前に公言して今回再現という事は、前より撃てる確率は増したと見て良いのでしょうか?」



「いやー、どうなんですかねぇ?あの時は調子良くて何か行けそうだなって。それでやったら撃てちゃいました♪ゾーンに入ったってヤツかもしれませんねー」



 本当はレヴィンが前線へのカウンターを狙うと、心を読んで狙った事だが弥一は明るく笑いながら適当に誤魔化していた。



 狙って何度も撃てる訳じゃない、余程良いタイミングじゃなければ不可能だと。



「では、今年カウンターシュートがまた見れる可能性あるという事でしょうか?」



「可能性は0ではない、と言っておきます♪」



 何時飛び出すか分からない、でも可能性はある。そういった事を匂わせる発言をする弥一。



 彼を前にする相手側としては、びっくり箱と向き合うような心境になるかもしれない。


 今年のインターハイや選手権で立見と戦う可能性ある、ライバル校の代表選手達も他人事ではないだろう。





「予選で負傷した辰羅川君、政宗君は今回の会見に参加しませんでしたが怪我の具合は?彼らは本戦に間に合いますか?」



「辰羅川と政宗は大事を取って休ませました。本戦には間に合うと思います」



 記者は予選で負傷退場した2人について触れると、それにマッテオが答えて間に合うと発言。


 彼らの他にも海外勢の藤堂、白羽、光明の3人がおらず、彼らはそのまま各国のクラブへと帰って行ったようだ。




「では、Uー20ワールドカップに向けての意気込み、目標は?」



「無論優勝ですよ、ワールドユースの準優勝以来となる黄金世代の再来。世界一の日本になれる機会があるなら狙って行きます」



 目標は優勝。世界各国からサッカー先進国が集う大舞台でも、今のこのメンバーなら勝てるとマッテオは目標を高く掲げていた。





「あーあ、記者会見も楽じゃねぇなー。やっと終わったぁ」



 会見が終わった解放感に浸る月城。ようやく帰れるとなって、体をうーんと伸ばしていた。



「俺ら今年忙しいやろなぁ、3年やから大学受験やらなアカンし」



「うへぇ……大変だ」



 想真の言葉を受けて番が面倒そうな顔を浮かべる。今年最後の高校生活を迎える者で、大学進学を考える者は勉強や部活だけでなく、受験との戦いでもある年だ。



「受験勉強なら進級した春から始めた方が良いよ。僕もそうだし大半の3年はそうだからね」



「マジっスか、カードショップ遊びに行く暇も無さそう……」



 既に3年の受験勉強を経験済みの影山から、室は彼のアドバイスを熱心に聞く。好きなカードショップ巡りも、今年は自粛するしかないかと覚悟する。




「弥一は、勉強しなくてもスカウトありそうだから大学飛び越えてプロの世界行くかな?」



 影山のアドバイスを大門も聞いており、春から勉強を始める計画を立てれば弥一はしなくて大丈夫そうかなと声をかける。



「……ん?何だっけー?」



「いや、だから今年3年だから受験大変だけど弥一はプロのスカウトあって大丈夫そうって…」



「ああ、うん。そういうのも決めないとねー」



 皆の話をあまり聞いてない様子だった弥一。何か別の事を考えていたようだ。



「お前の事やから今日の飯何にしようかな?とか思っとったんやろ?食いしん坊やからな!」



「えー?僕そんなご飯にしか興味無い人間じゃないよー、今日のご飯については気になるけどー」



「気になっとるやないか!」



 弥一の思考について想真に茶化され、反論しながらも弥一は先程の記者会見での事を考えていた。




 マッテオが日本のUー20ワールドカップ優勝を宣言した後の記者達の心、彼らの考えている事が弥一にだけ見えてしまう。



「(まあ無理だろ、アジアで無双してもなぁ……)」



「(良くてベスト8……奇跡起きて準優勝だよな)」



 数々の取材をしてきた彼らから見れば今の日本が強くても即優勝、とまでは結びつかない。


 負けられない国際大会の大舞台で、本気の世界トップレベルの国とのサッカー。そういった相手との過酷な連戦で勝ち続けられるのか、彼らは耐えられないと見られている。



 何よりも今回の世界大会、ある選手がUー20代表に参戦してきて予選を全チーム中で圧倒的なまでの強さで勝ち抜き、優勝候補本命という声が早くも上がっていた。



 その選手がいる国の存在で日本の優勝は無理だと思われてしまう。



「(出て来るんだ……)」



 彼の存在、弥一は知っている。彼とはいずれ会うだろうとは思っていたが、思ったよりも早かった。






 日本から遠く離れたヨーロッパの地。イタリアのスタジアムで人々がフィールドへと向かって、熱狂的な声援を送っていた。



 皆が彼に、彼のチームに注目する。



『現在セリエA首位を行くミラン!既に2位のユーヴェを相手に3点のリード、今日も止まらない!』



 ユーヴェの選手が必死になって、ボールを持つミランの背番号10へ突っ込む。



 必死な相手に対して彼の方はボールと共にダンスを楽しむように、突っ込んで来る相手を躱して突破していた。




「駄目だ……止まらない……!」



 ユーヴェの監督は顔が青ざめる。同じ名門チームのはずが、ミランに全く歯が立たない。


 僅か17歳の若者がフィールドで蹂躙しているせいで、彼の立てたプランがズタズタに引き裂かれてしまう。




 短い金髪で容姿端麗な外見に王子と呼ぶ声があれば、あまりのサッカーの実力に天才や怪物という声もある。



 だが一番の声は異次元だ。




 芸術的なドリブルで魅せた後に右足で前線へとパスを送るも、そのコースにはユーヴェDFが入っている。


 相手は世界の一流DF、プロのプライドがあり何度も好き勝手やられはしない。



「!?」



 意地のカットも読んでいたのか、彼の蹴られたボールは相手の手前まで来てバウンドすると、大きくDFの頭上を越えて跳ね上がる。



 ボールにはトップスピンがかかり、信じられないとDFは驚愕。



 こんな事は異次元の魔術師と呼ばれる彼にしか出来ない。



 その間に前線のFWへとボールが通り、シュートがユーヴェゴールを揺らし点差は4点へと広がる。



『ミラン4点目ー!サルバトーレ・ディーン、この試合既に3アシスト!自身でも1ゴールと全試合に絡む大活躍!誰もこの17歳を止められないー!』




 戦術も、フィジカルも、プライドも、全てを彼は圧倒的な才能ですり潰して塗り替える。



「ディーン!ディーン!我らがディーン!!」



 敵味方関係なくサポーター全てが彼に夢中。サルバトーレ・ディーンの持つ天賦の才と存在感がそうさせていた。



 今年のバロンドールは彼が取ると言われ、世界が今最も注目するプレーヤー。



 ディーンはUー20ワールドカップ予選でイタリア代表キャプテンとして参戦し、歴代最強と呼ばれる強さで予選を難なく勝ち抜き本戦出場を決めていた。




 今度のUー20はディーンの為の大会になる。彼の溢れんばかりの才能を目の当たりにすれば、そんな予感しかしない。



 サルバトーレ・ディーン。キングオブフットボーラーの名を欲しいままに彼はこの試合でも活躍し、チームを勝利へと導く。

優也「受験……そういえばそうだった」


冬夜「なんだ、お前の事だからこっそり蹴球ガールズのコンサート行ってレオナのサイン貰って握手もしたいとか甘い休暇過ごそうとしてたんだろ?」


優也「……まさか」


冬夜「結構な間があったよなぁ?」



弥一「(心の声めっちゃ響いてたよ優也ー)」


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