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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第16章 アジアをぶっ壊せ!Uー20アジアカップ
426/659

Uー20アジアカップ予選決勝トーナメント決勝 日本VSオーストラリア

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

『Uー20アジアカップ、残す試合は決勝戦のみとなりました!既に本大会出場権を獲得した4カ国で準決勝を戦い、勝ち上がったのは日本とオーストラリア。この試合に勝った方がアジアの頂点に輝きます!』



『大会に出場は出来ますが、やはり此処まで来たら気分良く優勝でスッキリとお互い締めたいものですよね』



 ドーハのスタジアムにて日本とオーストラリア、互いのサポーターの声援が飛び交う。


 どちらも臨むは自国の優勝、それを見る為に異国の地へと足を運んで来ていた。



 歓声に出迎えられる形でユニフォーム姿となった日本、オーストラリアの両チームがフィールドへと入場。1列に並ぶと改めて日本と比べれば、オーストラリアの平均身長の高さが目立つ。



 両チームの国歌斉唱を済ませ、コイントスへと藤堂、レヴィンの2人が審判団の元へと向かう。


 向き合って藤堂の方が小さく見えるという事は中々無い。2m近いレヴィンの高さがそう見えさせていた。



「(また先攻か……今回はよく貰うな)」



 コイントスの結果、日本が先攻となる。今大会これで何度目の先攻かと、藤堂は内心思う。




「フランスの時に大男とは散々戦ってきたんだ。相手の体格差に今更怯んだりするなよ?」



「そんなヘタレ、今の21人にいないでしょう」



 円陣を組み、藤堂は相手のパワーと体格に気をつけるよう伝えれば白羽が不敵に笑って返す。



「せやせや、アメリカの2mを越える化け物とも戦っとるし。柔よく剛を制す精神でやったろうやないか!」



 想真が意気込んだ後に藤堂は声がけ。選手達は声を揃えた後に円陣を解き、ポジションへとそれぞれ向かう。





「相手は高さある選手が勢揃いだ。FKだけじゃなくCKとかセットプレーを極力与えないようにするぞ」



「そっスね、室が何人もいるようなもんですから」



「だからって消極的になり過ぎも駄目だよー」



 佐助は守備陣に、セットプレーのチャンスを出来る限り与えずに行こうと伝え、番が頷いた後に弥一がファールの恐れ過ぎも良くない、と言っておく。



 セットプレーを怖れるあまり、消極的なプレーから失点へと繋がれば結局意味が無い。そこは恐れず強気に行った方が、相手に与えるプレッシャーも大きいはずだ。




 ダークネイビーのユニフォームの日本、GKは黄緑。



 黄色いユニフォームのオーストラリア、GKは紫。



 Uー20日本代表 フォーメーション 3ー5ー2



     照皇   室


      10    9  



 月城    三津谷     白羽


  2      8       7



    仙道(政)八神


     14    5



   青山 神明寺 仙道(佐)


    3   6   4



       藤堂


        1



 Uー20オーストラリア代表 フォーメーション 4ー4ー2



    アルゴ   シンディー                    


      9      11



       ヘイワド


         10



  ディセ  コバルト  ダント


   5     8     4



ウォルツ  レヴィン  フューザー  ケリー


  2      6       3       7



       アルベル


         1




 センターサークルに照皇と室が立ち、その前にボールはセットされている。




 ピィーーー



 大歓声の中で鳴り響く開始の笛、決勝戦の試合が今始まった。



『日本とオーストラリア、アジアの頂点を決める試合がキックオフ!』



『オーストラリアは中盤に守備的な選手3人とガッチリ守って来てますね』



 守備の要レヴィンの前に、トリプルボランチを置くオーストラリアの守備陣。いずれも長身選手だ。




「レヴィンに目が行きがちですけど、あのボランチ3人も凄い厄介です。ディセとダントが双子でコバルトが1個上のお兄さんで3人兄弟による連携力がとても高くてオーストラリアの無失点に大きく貢献してます!」



 事前に下調べをしてきたか、五郎はベンチでオーストラリアの要注意選手について話していた。



 日本と同じく此処まで無失点で来ていて、レヴィンの働きだけでなく前に居るトリプルボランチの3兄弟による、貢献も大きかったようだ。



「立見の氷神兄弟といい、この前のハサ、カッシムのヨルダン兄弟といい……俺らの世代は兄弟でサッカーやってるの特に多くねぇか?世界共通で」



「多いな。兄弟で試合に出てるのはプロの試合でたまに見るぐらいだったのが、此処最近はまあまあ見るようになった」



 ベンチで会話する優也と冬夜の視線の先に映るのは、自分のチームにも現在スタメン出場している佐助、政宗の仙道兄弟だ。





「っ!」



 右サイドでボールを持つ白羽だが、ボランチの1人ディセと左SDFのウォルツと2人がかりに阻まれ、前へ運べない。



 右のタッチラインにボールが出れば判定はオーストラリアボール。白羽は向こうの足が当たったとアピールするが、聞き入れてもらえず。




 スローインでオーストラリアは自軍エリアでパスを回し、白羽と室が追いかけてプレスをかける。



 それを躱し、オーストラリアはレヴィンにボールを渡す。


 レヴィンがボールを持った途端に照皇が詰めて来た。



『照皇、果敢にレヴィンへと向かってボールを取りに行く!』



 此処で取れれば一気にチャンスだが2部とはいえ、プレミアリーグで日々戦うレヴィンは強く巧い。照皇に渡さず躱すと前を向いた瞬間だった。



 日本ゴールに向けて右足で大きく蹴り出されたボール。力強いロングキックはグングンと伸びて行き、日本陣内にハイボールで運ばれる。




「(こんな伸びて来るのかよ!)」



 予想外に伸びてきたレヴィンのロングパス。落下地点へと佐助が走り、相手のFWアルゴと空中戦で競り合い結果は互角、球はセカンドボールとなって転がっていく。



 このボールを拾ったのは弥一。すると彼は振り向きざまに右足で左サイドへ送る。



 大柄なオーストラリア選手の間を抜き、正確無比にしてシュートを思わせるスピードで蹴られた、弥一のロングスルーパスはまるでレーザービーム。同じロングパスでもレヴィンとは違う。



『神明寺、ボールを取って長いパス!これに左サイド月城が走るー!』



「(あのチビまた無茶振りしやがってー!!)」



 内心で弥一に文句を叫びながらも、左サイドを疾走の月城。


 彼くらいのスピードが無ければ、この無茶振りなパスに対応する事は出来なかったかもしれない。



 当たり前のように受け手に対して、限界付近を要求のスパルタなパス。ラインを割りそうな手前で月城はトラップ。



『神明寺のパスが通った!月城左サイドを突き進むー!』



「フューザー追え!ダント入れ!」



 日本の速攻にレヴィンは冷静に状況を見て指示。月城に最も近い位置にいるフューザーをそのまま追わせて、空いた中央をダントが埋めに行く。



「(真ん中のでっかいのが来る前に!)」



 レヴィンと同じく190cmを越える、大型DFのフューザーに迫られたら面倒だ。月城はその前に左足で高いクロスを上げた。



 日本が誇る長身ストライカー。195cmとオーストラリアにも負けない高さを持つ室が、月城のクロスに合わせて跳躍する。




 得意の頭で合わせようとするが、その前にGKアルベルが前に出ていて、室と同じように高くジャンプしていた。



 室と同じ195cm、だが手を使える分より高い位置でボールを捉える事が可能。


 この高いクロスをキャッチし、両手に収めてキープに成功する。



『高い!GKアルベル、室との空中戦を制してボールをキャッチだ!』



『オーストラリアのゴール前高いですね!190cmクラスが何人も居るとハイボールはほとんど入りそうに無いですよ』




「(かったいなぁ中央。レヴィンだけじゃなくトリプルボランチ兄弟に190cmクラスのDFやGKと守備のタレント揃ってるし)」



 日本にも劣らぬ鉄壁の守備を誇るオーストラリア。巨人の集団を前に弥一はこの試合、1点を取るのが簡単ではなさそうと感じていた。




 アジア最強の国を決めるだけでなく、アジア最強の守備はどちらなのかが決まる試合でもある決勝。


 弥一、レヴィンの両DFの働きにかかっていると言っても過言ではない。

春樹「1人1人でっかいなオーストラリア、というか五郎何時の間にあんな調べてたんだな」


五郎「情報はまだまだありますよー!レヴィンはオージービーフのステーキが大好きです!」


狼騎「いらねぇ情報じゃねぇか」


五郎「でも、あの198cmの大きな体を作ったのがそれだったら日本選手の大型化に役立つかもと思います!」


春樹「だからってステーキばかりは駄目だけどね、ちゃんと野菜に炭水化物とバランス良く食べないと」


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サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。

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